20190115ami_AI-CON山本さん

「本当にニーズあるの?」法務を効率化するプロダクトが生まれた裏側

本記事は、AI-CON山本さん(@gvashunyamamoto)のamiライブ配信の書き起こしです。

GVA TECH株式会社 代表取締役 山本 俊さん

amiファシリテーター森(以下、森)
AI-CONの山本さん、2回目の登場です。よろしくお願いします。

2回目のamiですけれども、前回ライブどうでしたか?

AI-CON 山本さん(以下、山本)
前回、楽しかったです。


本当ですか? よかったです。

ちなみに今日は、重大発表があるんですよね?

山本
今日、AI-CON登記という法人登記書類の自動作成サービスをリリースしました。


登記がどういうふうに変わるんですか?

山本
今まで登記は専門家に頼むか、自分でやるとしてもテンプレートを利用して申請するというフローをとる会社が多いと思うんですが、テンプレートを写すのを途中でミスったりするわけですよ。

AI-CON登記は、株主名簿と登記情報をアップロードしたら自動的に転記されるという仕組みによって、そのミスを防げるというサービスです。

登記はシステムと相性がいいのかなというふうに思うんですよね。


従来よりも簡単で、費用も抑えて登記ができるという理解で大丈夫ですか?

山本
もう圧倒的に早く簡単にできると思いますね。


登記って意外と難しいという認識なのですが、リリースするまで大変ではなかったですか?

山本
AI-CONの契約書のときも同じだったんですけど、システムに落としやすいようなかたちでリーガルの部分を整理するのが大事なんです。

まずは司法書士何人かで議論して、途中からは5~6人の司法書士に入ってもらって議論はしましたね。


法律的な解釈という部分には専門的な人を集めて、どこが最適かというポイントを見つけて、それにシステムを合わせるという流れですね。

山本
そうですね。


重大ニュースから入ってしまったんですけども、AI-CONシリーズというのがどういうものなのか、簡単にご説明いただけますか?

山本
AI-CONは、「法務格差を解消していく」ことを理念に掲げたプロダクトです。去年の4月にリリースしたのは「AI-CONレビュー」という、取引先から来た契約書のチェックをするようなものです。

「AI-CONドラフト」は契約書のテンプレートがあったり、あとは質問に答えるだけで契約書が自動作成されるようなプロダクトですね。


企業の法務に関わる人たちが喜ぶサービスですか?

山本
そうですね。でも、スタートアップだと何だかんだ社長が法務のことをやっているケースも多いと思います。

法務の業務については分からないままやってしまう場合も多いと思うので、そこを補完し、社長の業務時間も削減できたらいいと思っています。


「AI-CONレビュー」はいつリリースされたんですか?

山本
正式版のリリースは去年の4月です。


開発はどのぐらいかかったんですか?

山本
リリースの前年の夏ぐらいから開発を始めたと思いますね。


AI-CONレビューでユーザーが契約書をアップロードすると、リスク判定をしてくれるんですね。

文言が自分たちにとって有利なのか不利なのか判定をしてくれて、さらに「この修正案を適用すれば中間ですよ」みたいな提案もしてくれると。

山本
修正案が原則として3パターン出るような感じです。


やっぱり専門的な知識がある方が必要だと思うんですけども、これは弁護士さんがちゃんと入ってやっているんですか?

山本
最初に修正案のテンプレートをいっぱいつくらないといけないんですけど。そういうのはもうガッツリと弁護士がやりましたね。


けっこう泥臭い。

山本
やっぱりAIは泥臭いですね、本当に。


AIというとけっこう昨今バズっていて、何でもスルっと自動化するみたいな雰囲気が漂っているんですけど、そうじゃないと。(笑)

このAI-CONレビューで開発する中で一番苦労した点はなんでしょうか?

山本
もともと開発を外注で頼んでいたのを、去年の9月に現CTOが入ってくれてから内製化に向けて引き継いだ時がけっこう大変でしたね。


外注がスタートだったということに驚きました。

山本
スタッフが僕しかいなかったですから、当然そうなりますね。(笑)


一緒に入って討論をしてくれた弁護士さんはどうしたんですか?

山本
そこは法律事務所の弁護士に頼みました。


テックの部分はソロだったということですね。

「AI-CONレビュー」が4月で、「AI-CONドラフト」は何月に出たんでしょうか?

山本
これが去年の6月ですかね。


すごいですね。4月に出して、6月に出して、今日も出したと。

このAI-CONドラフトというのはどういった感じなんですか? 契約書のひな型ができる?

山本
スタートアップが使えるような契約書のひな型がいくつかあるんです。それは普通に誰でも無料でダウンロードできるんですよ。

「質問に答えるだけで自動作成」という機能を利用すると、費用が発生します。


超便利じゃないですか。「急いで契約しないとみたいなときに使いたい」と、うんちゃんさんからもコメントです。

山本
ありがとうございます。

テンプレートは色んなところに落ちてはいますが、もし、自分に不利なテンプレートを拾ってしまって契約を締結したら、けっこうヤバいじゃないですか。実際に、こういうケースもありえるんですよ。

そういうことを防ぐために、自分に対して有利かどうかなどが正確に分かるサービスです。


たしかに契約書ってよく分からないですよね。

「用語がもっと分かりやすくならないかな」というのは、みんな思っているんじゃないでしょうか?

山本
「用語を本当に分かりやすくする」ことが重要なんですよね。

専門家じゃなくても理解できるよう、AI-CONが翻訳してくれるという世界観もつくっていきたいなと思うんです。


コメントで、「司法書士に頼むといくらぐらいかかるんだろう」というご質問がきております。

山本
事務所によって違うみたいなんですけど、ある司法書士の方は、本店移転だったら5万円ぐらいかかると言っていましたね。


AI-CONの場合はそれよりももっとコスト安くて案件数に関わらずみたいな感じなんですよね。

山本
そうですね。AI-CON登記は5,000円ですね。


めっちゃ安いですね!

AI-CONさんはすごいハイスピードでサービスをリリースされ、大型の資金調達もされています。

さらにはピッチコンテスト、TechCrunchさんやIVSさんにもご出演されていて、昨年はかなりご活躍の年だったかなと思います。

そんなバタバタしている中、一番ヤバかったことはありますか?

山本
リリースのタイミングをしっかり測って、それに向けて進んでいくというのはけっこう大変でした。

リリースが決まってから、最後の方にやらないといけないことがいろいろと出てくるじゃないですか。


出てきますね。(笑)

山本
とくに、リーガルとエンジニアのコミュニケーションをするときって、お互いが理解しやすい共通言語がないんですよね。

リーガル的に当たり前だと思っていた部分が、実は工数がかかるものだったり。

「リーガル的にミスってしまったらサービスとして成り立たない!」という問題は出てきましたね。


専門的な技術が必要だし、ビジネス側でも専門的知識が必要なので、そこを媒介する人が必要になると思います。それは山本さんがやられていたんですか?

山本
最初のほうはやっていました。それでも登記については別の人が途中からやったり、司法書士の人がやっていたり、ドラフトは完全に別の弁護士がやっていたり、コミュニケーションの量で何とかカバーしていました。


ドタバタでも何とかカバーすると。(笑)

山本
それでも問題はやっぱり出てくるんですよね。最後の最後で。


本当にそうですよね。

実は今日のAI-CON登記も、今日リリースできるか分からなかったというお話も先ほど聞いておりましたが。

山本
本当は先週にリリースしたかったんです。

たとえば、年末や今年の頭に本店移転した会社ってけっこう多いと思ったんですよ。移転後2週間以内には登記するので、そこを拾いたかったんですけど、今日になってしまいましたね。


そういったジャッジは最終的には山本さんがされる?

山本
最後、何かを削るときはやっぱりそうですね。


なるほど。そのドタバタを少なくとも3回は繰り返したと。

山本
そうですね。


資金調達やピッチで苦労されたことってないんですか?

山本
資金調達する中で言われたことは、我々のサービスは中小企業やベンチャー企業に対してのものですが、そもそもその企業の方たちはペインを抱えているの?ということですね。


どのようにお答えになるんですか?

山本
けっこう議論になりましたね。「ないんじゃないの?」って言われたものの、われわれは「いやいや、あります」みたいに回答して。

もともとスタートアップ支援の法律事務所をつくったときも、「ニーズはない」みたいなことを言われまくったわけですよ。それでもやってみたら、ニーズは実在していました。

そういう話をして、信じてくれた人が投資をしてくれたという感じですかね。


山本さんは、ペインが見えにくいところに敢えて切り込んでいると。

山本
そうですね。大企業だったら法務部の人件費も大きくなるので、それを削減していくといえば分かりやすいと思うんですよ。

一方、中小やベンチャー企業だと、契約書ってほとんど見ていない気がするので、マーケットはけっこう少ないんじゃないのかなと思うのも仕方ないとは思います。

ただ、僕はこの潜在市場も大きいと思うので、ちゃんとつくっていきたいなと思いますね。


なるほど。まっちーさんからご質問いただいていまして、「代表が今2つかけもちということなんですけども、1つに絞ろうと思ったことはありますか?」というご質問が。

山本
今は実質、法律事務所のほうは別のパートナーがかなり回してもらっています。

どうしても資金調達ができなかったら、1つというのは選択肢としてはあり得たんだろうなという感じですね。


でも、御社の場合だと、先ほどの冒頭でもあった通り、そもそもAI-CONシリーズのつくり方を考えると、教師データは弁護士が作ることになるので信頼感ありますよね。

むしろそこを確保できないことで開発できないという人が多いはずなので。

山本
そうだと思います。


ピッチイベントは大丈夫でした? 緊張した?

山本
最初のTechCrunchのときはソワソワしていたなという感じですけど、そこからなんか慣れました。


なるほど。TechCrunchの発表時間ってどのぐらいなんですか?

山本
3分ですね。


カップ麺並みの早さ。

山本
もう、3分だといいたいこともほとんど伝えられないし、サービスとして分かりやすくないので、上手く説明するのもきつかったです。


でも、そのTechCrunchを経たら何となく自信がついたんですね。

ちなみにこのAI-CONシリーズ、今だとスタートアップを対象にしているところなんですけど、普通の事業会社さんもニーズありそうな印象です。

山本
やっぱり大企業もけっこう使ってくれていますよ。


そうですよね。契約書に関する業務はビジネスをする上では必ず発生して、どこの法務の方も苦労しているということは多いと思うので、めちゃくちゃ広がっていきそうなサービスだなと思いますね。

そろそろお時間がきてしまいましたので、最後にAI-CONさん、イベントの告知をぜひ。

山本
「会社を守るためのリーガルテック活用と知財戦略セミナー」というもので、スタートアップでつまづきやすい法務の課題についてお話しします。

特許庁の人や、コロプラやFiNCで知財戦略をやっていた弁理士と一緒にトークセッションもやるので、これは来ても損はないと思います。


1月21日の18時ですね。場所はHoops Link Tokyo、渋谷になります。ぜひ時間がある方、いらしていただければと思います。

過去の記事はこちら


嬉しいグォー!これからも応援よろしくグォ!
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