20181219ami_ツクルバ中村

良いコミュニティにある「ノイズ」とは?ツクルバ創業者が語る、コミュニティ論

本記事は、ツクルバ中村さん(@maa20XX)のamiライブ配信の書き起こしです。

株式会社ツクルバ 代表取締役CCO 中村 真広さん

amiファシリテーター佐久間(以下、佐久間)
今日もco-ba jinnanからお届けします。co-baといえばツクルバさん。

今日は先輩起業家シリーズとして、ツクルバの中村さんに来ていただきました。

ツクルバ中村さん(以下、中村)
はい、ありがとうございます!

佐久間
中村さんにツクルバのこと、そして中村さんご自身のことを聞いていきたいなと思います。よろしくお願いします。

中村
よろしくお願いします。ライブ配信が初めてなのでちょっとドキドキしています。

コメントでリアクションをもらえるというのがうれしいですね。

佐久間
実はamiは、この「co-ba jinnan」で、ライブ配信をやらせていただいています。

中村
ありがとうございます。

佐久間
ツクルバさんのサービスとしては、「cowcamo」がおそらく一番有名ですよね。

中村
今、一番大きいサービスですね。

佐久間
最初にツクルバのことを簡単にご説明いただいてもいいですか?

中村
ツクルバの紹介を簡単にすると、働く系の事業として「co-ba」や、「HEYSHA」というサービスをやっていてます。住む系の事業としては、「cowcamo」をやっています。

最近では「KOU」というコミュニティコインのサービスを新規事業として立ち上げもしていますね。

実空間ではありませんが、広義の意味で「人が生活する場」をつくるということで、住まいと流通のプラットフォームとして「cowcamo」も1つの「場」だと思っています。

佐久間
中村さんとお話させていただくと、いい意味で肩の力が抜けているというか、スタートアップらしくないなと感じます。

「資本主義のゲームの中で勝ち抜いてやる」みたいな話ではなく、「根本的な人のニーズや世の流れに沿ったサービスをつくっていきたい」という思いを強く感じるんですね。

中村さんのこれまでのインタビュー記事を読みましたが、最初はカフェをつくって起業したんですよね。なんでカフェで起業されたんでしょう?

中村
当時、僕と相方の村上も、ほかにもあと2人の仲間がいたんですが、僕と村上は副業というか、少し関わっていただけだったんですね。

僕はデザイン系の勉強をずっとしていたので、周りにはデザイナーになりたい仲間がいっぱいいるんですよ。ただ、若い頃だったのでクライアントがいない。

一方、相方の村上はダンスや音楽系の知り合いが多くて、さらに他の友達は陸上とかのスポーツ、アスリート系のコミュニティにいて。

そうなってくると、「そのコミュニティ同士を混ぜたらすごい面白いんじゃないの?」という話になり、混ぜる場としてカフェをつくりました。

佐久間
補足すると、村上さんはツクルバの共同創業者、共同代表で、新卒で入社された会社の同期でもありましたよね?

長いお付き合いですよね。

中村
長い付き合いですね。戦友ですね!

佐久間
「コミュニティ」にはいろんな定義があって難しいですが、さきほどあった「混ざる」ということがキーワードだと思うんです。

中村さんもアメリカの西海岸、いろんな場所をまわったそうですが、たとえば私も、ロサンゼルスのバーでグラフィティーデザインをしている人と、アニメーションデザインをしている人と出会い、二人がコラボして私の会社のTシャツつくってくれたことがあります。そういうコラボがどんどん生まれていくじゃないですか。

そういったところがコミュニティの魅力なんでしょうか?

中村
そうだと思いますね。今日もここの配信をしている外側でもランチ会やっていて、ポットラックさんが起業家さん向けにランチを無料で配布しています。

佐久間
無料!?(笑)

中村
そうなんですよ。俺も腹減ったからさっき食べたいなと思ってました。(笑)

佐久間
いろんなことが起きるのは、最高ですよね。さっきは自転車も乗ってましたよね!

中村
そうですね!(笑)

co-ba jinnanの入居者の人に、そういうエクササイズの授業をやっている人がいて、輸入した自転車を置いているそうなんですよね。

「これ何なの?」「今、何やってるの?」みたいなことが巻き起こっている場所が、僕はすごい好きなんです。

魅力的なコミュニティの特徴

佐久間
「混ざって予測不可能なことが起きて、なんか楽しい!」みたいなことが、コミュニティの魅力ですか?

中村
そういった「ノイジーな場」が僕はすごい好きです。

ただし、「いいノイズ」と「悪いノイズ」があると思っています。

佐久間
「いい権力」のことも以前お話していましたが、それと似た話ですかね。

中村
「ノイズがあるからいい」という話ではなく、「みんなが同じ方向を向いている中でのノイズ」は共感できるノイズだと思うんです。

佐久間
いいノイズ!パワーワードが出ましたね。

中村
パワーワードです!(笑)

一方、悪いノイズもあるんですよ。たとえば、この配信場所は渋谷じゃないですか。

渋谷のファストフード店で仕事をしているとすると、「このノイズいいわ」とはならずに、「ちょっと音楽聴こうかな」と思うじゃないですか。

佐久間
よいノイズが起きる場をつくっていくみたいな感じなんですか?

中村
コミュニティで、みんなが志向している方向性が近いと、お互いが自らのサービスを高めようとしているように感じることができる。

ミーティングの声もどこか迫力があって、「俺も頑張ろう」って思えるんですよね。

だから、それは「いいノイズ」だと思うんです。

佐久間
なるほど。アメリカにはポートランドのAce Hotelとか、有名な場があるじゃないですか。日本にもそういうのあるんですか?

中村
ありますね。みんなが「この界隈だったらここに集まってるよね」という場は、それぞれのジャンルであると思いますね。

佐久間
「よいイメージの集まる場」を日本にたくさんつくっていくことを目指していると。

中村
そういうことですね。そしてそれは、実空間だけの話ではありません。

cowcamoは、「自分の大切な住まいを次の人にバトンパスしたいと思っている人」と「丁寧につくった自分の不動産物件を誰かにちゃんと引き継いでもらいたいと思っている不動産会社の人」が出会えるプラットフォームにすることを考えているように、実空間だけの話にとどまらないんですね。

佐久間
今、きよさんから、「ノイズって聞くとマイナスってイメージを連想しがちでしたが目からうろこです」というコメントがありました。

中村
ありがとうございます!

あえて、ちょっと悪そうなワードと組み合わせて「グッドノイズ」というと、「ノイズだけどグッドなの?」みたいに興味が生まれますよね。

佐久間
なるほど。策士ですね!(笑)

今の話でおそらく、中村さんの資本主義っぽくないところが伝わったんじゃないかと思います。

ただ、そんな中村さんが、2015年くらいにVCから資金調達して、資本主義のゲームの中に入っていくことを決断されたと思うんですけど、そのときは何を考えて決断をしたんですか?

スタートアップとしての「ツクルバ」への変化

中村
まさにこのamiというサービスの宣言文の中にも、「起業家はアーティストだ」というメッセージがあるじゃないですか。僕はあれにめちゃくちゃ共感していて。

佐久間
超うれしいです!

中村
ゼロイチの起業する人はビジネスマンというより、アーティスト的な側面がないとそもそも始められないということですよね。

僕も創業者の1人だから分かるんですが、自分の内側からブワーって生まれてくる得体の知れないゴツゴツしたものを最初に出すじゃないですか。

でもゼロイチのフェーズは何も整理されてないし、「これがサービスといえるの?」みたいに思ってしまう。

佐久間
「もがくだけ!」みたいな感じですよね。

中村
もがくだけ!(笑)

そこにはデザインの力が必要だと思うんですけど、吐き出したあとに少しずつ固めていって、整理していく。

そうして、ゼロイチから、1→10ぐらいまでになっていったときに、ようやくビジネスの力が必要になってくると思うんですよね。

僕らは2015年に資金調達をしたんですが、そのタイミングで立ち上げた新規事業がcowcamoでした。

cowcamoをつくるにあたってはエンジニアもいるし、それまでになかったような営業チームもつくらなきゃいけない。そうなってくると一気に人材を獲得して、サービスの枠組みをつくった上で跳ねさせないといけない。

いわゆる中小企業的にずっと活動をしていたのが、「スタートアップとしてのツクルバ」に脱皮をしていったんです。

そう考えると、ちゃんと資金を調達しなきゃいけないね、という話になったのが2015年でした。

佐久間
cowcamoが、まさにそれを象徴するビジネスだったということなんですね。

中村
そうですね。

そんな中で、それまでやっていたco-baや、コミュニティの場づくりの価値というのが、資本主義の中で表現しにくかったということが自分を悶々とさせていた。

というのは、「コミュニティ、盛り上がってるんですよね」といっても、実際に売上として見えてくるのは、「月額利用料 × 利用人数」なわけじゃないですか。

だから、コミュニティの盛り上がりにも価値があると思っていたけど、それを説明しにくいというもどかしさから、もうちょっと説明可能にしたいと考えたんです。それが最近つくっている「KOU」につながっています。

佐久間
KOUについてもお伺いしたいのですが、「なぜオフラインから離れたのか」、という点を特に聞きたいなと思っています。

これまではオフラインにフォーカスしてやってこられていますよね。

オフラインは「熱」もつくりやすいし、そもそもオフラインの場がないコミュニティってほぼ成立しない。そういう意味では、KOUは新たなステージの、今までのツクルバの連続性の中にはないチャレンジだという印象があります。

「KOU」が目指す世界

中村
感覚的にはオフラインから離れてないと思うんですよ。

コミュニティは、オフラインにもオンラインにも僕は両方存在しうるかなと思っていて、どこかしらで、それぞれ行ったり来たりもできるものだと思っているんですよね。

それこそ、co-baもコミュニティの場ですし、cowcamoでは中古のリノベーション住宅を流通させるわけですけども、築30年のマンションに住むということは、昔から住んでいる人たちのマンションコミュニティに入っていくわけですよね。

自分はプライベートでも今、マンションの理事をやっています。

佐久間
さすがです!

中村
楽しいですよ、やっぱり。マンションコミュニティは最少の社会だと思います。

それまでオンラインの中で領域をつくっていったわけなんですけども、オフライン側のコミュニティ、実空間の中のコミュニティを、テクノロジーでもうちょっとサポートできるんじゃないかなと考えています。

佐久間
おそらく、KOUのことをまだご存知でない方もいらっしゃると思うので、簡単に説明してもらえますか?

中村
KOUは昔ながらの、たとえば江戸時代の「お伊勢講」とかの、「講」から来ています。

もともと日本古来のコミュニティの概念は「講」だと僕は思っているんですよね。それをもう1回現代的にアップデートしようということが、KOUのネーミングに込めたメッセージです。

仲間とコミュニティをつくって、その中で流通するお金を勝手に自分で設計できて、それで自分の仲間たちとコインを送り合うというイメージですね。

子ども銀行券みたいなものを、小さいころバザーとかで使っていたじゃないですか。あれが、大人もできるという感覚ですね。

佐久間
実際のお金と結びついているのかと思ったんですけど、そうではないんですよね?

中村
全く結びついてないです。ただ、結びつかなくても成立すると思っているんですよね。

ベースになっている考えは、「地域通貨の実践」です。

「手帳型モデル」といわれるようなタイプの地域通貨は、2人でのやり取りの中で、お互いの手帳に取引履歴を書いてお互いサインし合うとそれでOKというものなんです。

だから、技術やモノが、お金を介さずに循環していく、贈与経済みたいなものだと思うので、「交換経済の皮を被った贈与経済」と言っています。

佐久間
私もちょっと使ってみましたが、「自由なおもちゃ」の印象をうけました。

「とりあえずつくってみました。使い方は自由です」という感じなので、みなさんにもまずぜひ使ってみてほしいですね。

リリースして今、2か月ぐらいですかね?

中村
そうですね。

佐久間
リリースしてから、手応えを感じたことは何かありますか?

中村
あります!

渋谷の朝活コミュニティで、「朝渋」という、200人弱ぐらいの参加者がいるコミュニティがあるんですが。

佐久間
いま盛り上がっているやつですね。

中村
そう、盛り上がっているやつです。そのコミュニティの人たちが使ってくれているんですよね。しかも、ホットに。

コミュニティには色々な部活があるみたいなのですが、そのなかで、「企画のアイデアを出してくれてありがとう」という風に、感謝を巡り合わすんですよね。

全体会も月に1回あって、そこで「感謝のトランザクション」を生み出した人、トップ5に独自のプレゼントを渡していくというように使われているそうです。

コミュニティの中のホットな人たちを可視化できるので、そういう人をMVP的にオーナーの人は称賛できるということですね。

佐久間
まさにコミュニティの本質の「フロー」的な要素ですね。混ざることで、グッドノイズが生まれていく。

KOUがグッドノイズを出すことに貢献していくと、最高ですね。

中村
ストックじゃなくてフローなんですよね。お金をいくら持っているかじゃなくて、お金をいくら回したか。

お金は天下の回りものってよく言うじゃないですか。(笑)あれを本当に地でいってるサービスですね。

佐久間
まさにそうですね。

まだまだお話ししたいところですが、時間が来てしまいました。このあとはteritoruの日置さんと対談していただきます。


嬉しいグォー!これからも応援よろしくグォ!
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2019年11月15日amiはINITIALに生まれ変わりました。スタートアップの今と未来を徹底解説。資金調達をはじめとした定量面での分析情報、起業家や投資家への独自取材による充実のコンテンツをお届けします。https://initial.inc/
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