20190308_KO_RO大澤さん

「自分が思う理想の味を求めて」コーヒーのエコシステムをつくる起業家の野望

本記事は、コアンドロ 大澤さん(@KOANDRO_)のamiライブ配信の書き起こしです。

ライブアーカイブ

起業家紹介

KOANDRO株式会社 CEO 大澤広輔さん

「美味しさ」を可視化する

ami 松岡(以下、松岡)
本日はKOANDROの大澤さんに2回目のご登場をいただきました。よろしくお願いします。

今されている事業について簡単にご説明頂いてもよろしいでしょうか?

KOANDRO 大澤さん(以下、大澤)
よろしくお願いします、KOANDRO株式会社の大澤と申します。

私たちは、家庭で飲むコーヒーのクオリティをテクノロジーの力を使って向上させるチャレンジをしています。

松岡
前回の配信では、もともとソニーでカメラの事業に関わっていて、転職した先のコーヒー機器メーカーで飲んだコーヒーの美味しさに衝撃を受けてコーヒーで起業という道を選ばれたお話をお伺いました。

私はコーヒーに詳しくないので、今日はコーヒーが大好きな弊社CTOの小玉と配信します。

小玉さん、簡単な自己紹介をお願いします。

ami CTO 小玉(以下、小玉)
ami CTOの小玉です。コーヒーが好きすぎて弊社でコーヒー部をつくりました。

コーヒー部はメンバーが30人くらい在籍していて、金曜日に集まってコーヒーを飲んだりしています。

松岡
コーヒー好きなお2人のディープなコーヒートークが聞けるんじゃないかと思っています。

まず、大澤さんが開発しているβ版のアプリについてご説明頂きたいと思います。

大澤
これは、ドリップアドバイザーというアプリの一番最初のデータをインプットする画面になります。

松岡
まずTDSの濃さとはなんですか?

大澤
本来は専用の機械を使って測るコーヒーの濃さを表す指標ですが、このアプリでは簡易的に目視で測定できるようにカラースケールを付けているので、それを参考にして値を入力してもらいます。今回は1.25を押してください。

同様に、コーヒー豆の量、お湯の温度、コーヒーをドリップし始めてから終わるまでの抽出時間を入力していきます。

松岡
入力し終わったら「分析する」ボタンを押せばいいんですか?

大澤
そうですね。そうすると、グローバルでコーヒーの美味しさを測るのに使われている「コーヒーブリューイングチャート」という指標に従って、グラフの中にご自分で淹れたコーヒーの値がプロットされます。今回の入力した値ですと、理想に近い赤いゾーンとなっています。

更に下を見ていくと、淹れたコーヒーを一般的なものと比較したときの特徴と差異がでてきます。

次の画面に進むと、今回淹れたコーヒーに対して「美味しかったか、濃かったか、酸味どうだったか」といった自分の評価を入力する画面が出てきます。

松岡
では、今回はデモなので適当な値を入力して提出します。

大澤
提出すると自己評価の結果をもとに、自分が思う理想のコーヒーを次回淹れるためのコーヒードリップのアドバイスが表示されます

たとえば、「自分好みにするなら、コーヒー豆の量をこのぐらい減らしましょう」とか、「お湯の温度を90度に上げてみましょう」というようなアドバイスが出てくることで、より自分の好みのコーヒーに近付けるドリップ条件を知ることができるわけです。

今回はデータを手入力で入れていただきましたが、今後は専用のデバイスを使って自動ですべてのデータをセンシングし、飲んだ後の味の評価だけしていただくプロセスにアップデートしようとしています。

松岡
これを使えば、いままで豆入れてお湯入れてホットで飲むか、下に氷を入れてアイスにするかくらいしか選択肢がなかった人でも、自分の好みの味に合わせてドリップができるようになるんですね。

大澤
そうです。せっかくいいコーヒー豆を買っても、温度やお湯の量のコントロール方法を知らないばかりに、理想的な美味しさのコーヒーを飲めないのはもったいないと思います。

でも、これがあれば簡単に自分にとって美味しいコーヒーを飲めるようになるのが、この製品のよさだと思っています。

松岡
毎回の淹れた結果のログが残っているんですね。

大澤
コーヒーを淹れるだけで、自分のコーヒードリップのデータが蓄積されていくのが、もう1つの良さです。

淹れたコーヒーに対する味の評価を毎日するだけで、自分が好みのコーヒーを淹れるための条件が自然と明確になっていきます。

松岡
そのデータから「自分は苦いほうが好きだったんだな」、「酸味が強いほうが好きだったんだな」という自分の好みも可視化されていくんですね。

大澤
単に濃いのが好きと言っていても、提供者側からするとどれくらいが濃いのか分からないので、それを数値で出すことでギャップなく提供できるようになってきます。

松岡
今のお話を踏まえてコーヒー偏愛の小玉さんはいかが感じましたか?

小玉
とても共感します。

コーヒー豆を買ってきても、自分が好きな味を出すためのレシピをつくるところまでがけっこう大変なんですね。なので、思い通りの味を生み出すまでの過程を記録したり、ほかの人とシェアできるとコーヒーを淹れるのがさらに面白くなると思います。

「カフェであり博物館でもある」の衝撃

松岡
大澤さんがやっていらっしゃるコーヒー革命の一端を見せていただきましたが、もう少しコーヒー偏愛をお聞きしたいと思います。

最近大澤さんが、一番衝撃を受けたコーヒーにまつわる出来事はなんですか?

大澤
中目黒にできたスターバックスの新しい店舗に、2時間待ちでしたが行ってきました。

ただ、そこでの体験が本当に素晴らしかったので、ぜひ皆さんに行っていただきたいです。

テナント自体は建築家の隈研吾さんが設計されたのですが、カフェやバーといったコーヒーを飲んだり楽しんだりする機能に加え、コーヒーの焙煎工場も中にあります。

焙煎してその豆を商品としてパッケージングするまでをその場でやっていて、それら1個ずつにちゃんと説明が書いてあるんですよね。

店だけどコーヒーの博物館の要素もあり、「飲む」「つくる」「見る」「知る」という一連の流れを1つのテナントで成立させているのは世界でもそうないように感じます。

松岡
今までのスタバのように、コーヒーを飲みに行くだけの場所ではなくなったということですか?

大澤
エンタメ感があるということですね。コーヒーをそんなに知らない人でも、行けばコーヒーの焙煎されるところから飲むまでの一連のサイクルを体験できるのは感動的です。

コーヒーのエコシステムが必要になってくる

松岡
小玉さんがコーヒーに対して思っていることや、よくなればいいと思うところはありますか?

小玉
よくなればという意味でコーヒーのファンドがあればいいなと思います。

豆に対する支払いが消費者が豆を購入してからしか払われないので、コーヒー農家にとっては後払いになってしまい生活に困ってしまうという問題があります。

それを解決するために、消費者が先払いでコーヒー農家にお金を支払って、豆を購入する文化を知ったときに面白いなと思いました。

製販者と消費者でコーヒーのフェアトレードをする考え方はいい取り組みだと思いました。

大澤
サスペンデッドコーヒーって知っています?

小玉
名前は聞いたことがありますがどんなコーヒーですか?

大澤
サスペンデッドコーヒーは「いろんな人にコーヒーを飲んでもらおう」というコンセプトです。

カフェのレジ横に缶が置いてあり飲みに来た人がお金を寄付すると、コーヒーは飲みたいけどお金は持っていない人たちに、寄付した人の代わりにお店がコーヒーを提供してあげる仕組みです。

さっきのコーヒーファンドの話もそうですが、コーヒーという体験を循環させる取り組みはたくさんありますよね。

松岡
大澤さんのプロダクトでも、コーヒーの循環に関するアクションを考えられていたりされるんですか?

大澤
そこまではまだ考えていません。(笑)

ただやっていくうちに紐付いてくるんじゃないかと思います。コーヒーはエコシステムの中で成立していると思うんです。

生産から1杯のカップになるまでとても大きなサプライチェーンだと思うので、様々な生産者と消費者がつながって、うまく循環する仕組みが必ず必要になってきます。

コーヒー体験の本質

松岡
「コーヒーが好きな人は、コーヒーを淹れる過程も好きなんですか?」という質問がきていますがいかがですか?

大澤
淹れる過程も、もちろんコーヒー体験です。

松岡
淹れる過程もコーヒー体験なんですか?(笑)

大澤
これは人によって違いがあると思いますが、コーヒーをドリップするために最初にお湯をかけたときに香ってくるブレイクと言われる香りが、最初のコーヒーの香りです。次に飲んでいるときの香り、そして飲み終わった後のアフターの香り、この3つのプロセスを全部楽しむのがコーヒー体験だと考えています。

なので、淹れる作業というのは非常に重要なコーヒー体験の要素です

小玉
コーヒー豆は、発酵食品なので袋を開けた瞬間からとてもいい香りがするんですよね。たとえば、香りをちょっと嗅いだだけでもどういう製造方法なのかが分かるぐらい違いがあります。

まず開けて「おお、すごいいい香りだな」と楽しみ、そのあと豆を挽いて粉砕したときの香りを楽しみ、といった一連のコーヒー体験のルーチンを行うことが楽しみです。

松岡
伝統工芸士さんのような発言が出てきています。(笑)

小玉さんが大澤さんに質問したいことはありますか?

小玉
家庭とお店のコーヒーの味のギャップを埋めるという話でいうと、ドリップ以外のコーヒープレス(コーヒーの淹れ方)もギャップが生じる原因の1つかと思うのですが、それでもドリップにこだわる理由はなんですか?

大澤
2つ理由があって、1つ目は私がもともとドリッパーのメーカー出身なので、ドリップにアイデンティティ的なものがあるという、理屈とは少し別の部分で理由があります。

2つ目は、マーケットに入りやすいということです。

日本コーヒー協会のデータですと、家庭で飲むコーヒーをコーヒー豆から淹れる場合、55%くらいの家庭で飲まれているコーヒーがドリップのコーヒーです。そこでまずドリップから取り組んでマーケットに入っていこうという発想です。

クレバーコーヒードリッパーを知っていますか?

小玉
分かりません。

大澤
味を知るという点では、究極はお湯に浸して時間を測るのがあるべき姿かなと思っています。

松岡
ちょっと待ってください。浸しておくとは何ですか?(笑)

小玉
カッピングといって、コーヒー豆の味をテストするために、挽いた豆にお湯を入れて一定時間浸して味をみるという方法があります。

松岡
紅茶を淹れるようなイメージですか?

大澤
そうです!

浸すことでお湯とコーヒー豆が触れている時間をカチッと把握してコントロールできるので、狙った味を出すという点で考えると浸すほうが正確です。

一方ドリップは、お湯を注ぐことで動いている流体を考えなくてはいけないので、きちんとそれを理解して目的の味をつくるのがとても難しいです。

「本人が美味しいと思った淹れ方が正」

松岡
そもそも紅茶は溜めたお湯の中で出すにもかかわらず、なぜコーヒーだけ上から抽出して落とすというかたちが浸透したのですか?

大澤
最強にいい質問ですね!

小玉
簡単に答えられないです。めちゃめちゃ長くなるパターン。(笑)

いろいろな答えがあると思いますが、紅茶とは異なり豆を入れた状態でお湯を入れると、豆の中からガスがでます。それを防ぐために撹拌したり、ガスが全て出切るまでドリップで待つといった理由から、淹れ方が紅茶とは違うんじゃないかと思います。

あとは、ずっと浸しておくと苦みといった余計な味が出る可能性があるのも理由の1つです。

大澤
ドリップするときのガスの話もですし、ドリップをしたときに出てくる泡の中に苦みやエグみを閉じ込めるという考えもあったりします。

ただこの理論の部分もレシピを書く人によって異なってくるので、僕自身まだ検証をしきれていません。

松岡
コーヒーの淹れ方として、ドリッパーと漬けておくのどちらが適切かはまだ答えが出ていない深い問題なんですね。

小玉
究極は好みの問題なので、本人が美味しいと思った淹れ方が正だと思います。

松岡
ありがとうございます。

残念ながらお時間が来てしまいましたが、本日はいかがでしたか?

大澤
起業家の中でもコーヒーはエンタメの領域だと思っています。

即座に社会的な課題を解決して、みなさんの何かが改善されるものではないかもしれません。ただそういうことに関しては、こうやってしっかり掘って議論ができる場所は非常にありがたいですし楽しいです。

コーヒーへの想いを伝えることができた配信だったかなと思います。

小玉
まだまだ話し足りないので、また配信したいです。(笑)

松岡
本日はありがとうございます。

大澤
ありがとうございました。

小玉
ありがとうございました。

(この後1時間にわたり、大澤さんと小玉のコーヒートークは続きました(笑))

文・写真:ami編集部


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ami

起業家と未来の仲間をつなげる「ami」の公式noteです。 https://ami.live

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