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「20%の社員がリファラル採用の鍵」スピンアウトで起業した男が目指す採用の形

起業家紹介

株式会社MyRefer 代表取締役CEO 鈴木 貴史

amiファシリテーター 森(以下、森)
皆さん、こんにちは!今日はMyReferの鈴木さんにご登場いただきます。

MyRefer 鈴木さん(以下、鈴木)
よろしくお願いします!


先ほど、菅官房長官が発表した「令和」についてどう思われますか?

鈴木
そうですね、「Hey! Say! JUMP(ヘイセイジャンプ)」はどうなるんでしょうね。

「Rei! Wa! JUMP(レイワジャンプ)」になるんですかね?


たしかに。(笑)

そして安倍首相のライブと今被っているようです。

鈴木
これは僕のライブは見られないですね。(笑)


見てくださっている方、ありがとうございます。

まず鈴木さんがされているMyReferというサービスについて、ご説明いただけますでしょうか?

ビジネス領域を選んだのは腹落ち感があったから

鈴木
MyReferというサービスは、リファラル採用という新しく採用手法を活性させるためのクラウドサービスです。

リファラル採用は、従来のエージェントや転職サイトと比較したとき、それらのサービスでは採れないような転職の潜在層に対して、知人や友人を経由した声かけでアプローチをしコンバージョンをさせていく手法です。

MyReferはそれを活性化させるイメージです。


鈴木さんの事前インタビュー記事を出させていただきましたが、もともと起業したかったが、起業するためのステップとしてパーソルグループに新卒でご入社をされたと書かれていましたが、なぜパーソルグループを選んだのですか?

鈴木
今でこそパーソルグループはかなり大きな会社ですが、その元になっているインテリジェンス(パーソルグループの前身)という会社は、多くの起業家を輩出しており、総合的な営業力がつくのではないかと思い選びました。


もともと鈴木さんは、お寺のご出身という異色の経歴を持っていますよね。その時は「あれしちゃだめ、これしちゃだめ」という制約が多かったのですか?

鈴木
多かったですね。ルールに厳しく育てられましたし、いけないことをしてよく蔵に閉じ込められていました。(笑)


そういう環境が反骨精神を育てたのかなと思います。

そもそも最初は、アーティストになるか起業家になるかお悩みになっていたと書かれていたのですが、なぜ起業家を選ばれたのですか?

鈴木
アーティストだとコンテンツがヒットするまでに多くの時間がかかったり、コンテンツの優劣の判断基準が不透明なので、自分自身として腹落ち感がないなと思いビジネス領域で勝負することにしました。


アーティストになるために某ボーカルオーディションを受けていたんですよね?

鈴木
そうですね。(笑)けっこういいところまで行きました。

ただ、その時の外見は今なら友達に絶対なりたくないビジュアルでした。

転職の潜在層に見た可能性


そんな経歴がありつつも、パーソルに入った後は起業するために働きまくって、社内ベンチャーの立ち上げをやられていたんですよね?

鈴木
そうですね。もともとはリクルーティングコンサルタントという職種で、DODAという求人広告を使って採用支援をしていました。


その時、本質的なマッチングが起こっていないという課題に気づかれて、MyReferを社内で立ち上げたという話が、事前インタビューに書かれていました。そこで今日は、MyReferがどういったサービスなのかというのを詳しく見ていきたいと思います。

採用市場を大きく捉えると、自分が転職する際には外部の転職サービスを利用するか、行きたい会社さんに直接行くかという、間接か直接の2種類のチャネルに分かれます。

そして鈴木さんが注目しているのは、直接のチャネルであるリファラル採用と言われる領域という認識で合っていますか?

鈴木
合っています。


そうすると、パーソルにいた時に鈴木さんがされていた領域とは違うチャネルの開拓になりますよね?

「なぜその領域がいいんじゃないか?」と思ったのですか?

鈴木
パーソルは転職サイトやエージェント、イベントという多様な転職支援チャネルを持っていたので、それ以外で潜在的に転職の想いをもっている層(=転職の潜在層)にリーチする手段がないかをずっと考えていました。たとえば、リクナビやDODAといった転職サービスには、すでに顕在的に転職の想いを持っている層しか登録しません。

それに比べて転職の潜在層が転職をするときは、大学の同期と飲みに行くといったシチュエーションが多いと思います。


たしかに!つまり、全然転職する気はなかったけれど、友人と話す中で感化されて転職する層が、リファラル採用の対象になるということですか?

鈴木
そうですね。

パーソナライズされたメッセージが社員を動かす


リファラル採用をしようとしている会社が抱えている課題はなんですか?

鈴木
人事部と社員にとって始めるハードルが高い点です。

リファラル採用をするには、社員や経営陣を巻き込んで採用をしたり、定期的に新たな空きポストが出たら社内に告知するといった、負荷が大きい業務を他の社員に対しても頼む必要があります。そのため、人事部にとってハードルが高くなってしまいます。

また社員からしても、友人に声がけをするなかで、紹介推薦状を人事に渡したり、人事に友人の連絡先を渡す責任が発生するなどの負荷が発生します。


そういった課題をMyReferではどのように解消したのでしょうか?

鈴木
MyReferは上に挙げたような人事や社員の負荷を軽減して、持続可能なリファラル採用の実現をコンセプトとして掲げています。

人事側では、どの社員がどれぐらい自社に興味あるかという定量的なデータがないからこそ他の社員を巻き込めなかったという背景があります。


つまり、リファラル採用に積極的な社員を見つけることからがスタートだと思いますが、どうしたらその人が採用に対して熱量が高い人かが分かるのですか?

鈴木
MyRefer上では、「自社の求人をどれぐらい開封し、リンククリックをし、何人紹介したか」といった社員のリアクション数値を独自の変数を掛け合わせて出しています。

また、自社のニュースや人事から提供するコンテンツに対する社員の反応もリアクション数値として出しています。


全社員でやるというよりは、社内の熱量が高い社員が誰かを探し、その人の熱量をより高くする仕組みというイメージですか?

鈴木
前提としては全社員採用のコンセプトのもと、全員が当事者意識を持って自社採用に参加するという機能を提供しておりますが、より効果的にリファラル採用を促進するためには全員に同じメッセージを発信するのではなく、興味のある人、興味の薄い人に合わせて個別パーソナライズされたメッセージを出すことが重要です。その中でエンゲージメントの高い人にはより活動を促すようなコミュニケーションを取るイメージですね。


そこがキーポイントだとパーソルさんで働かれている中で気づいたのですか?

鈴木
そうですね。リファラルで動機付けされて積極的に動く社員層はどこの会社もだいたい2割ぐらいで、7割ぐらいがパッシブな層、そして1割ぐらいがネガティブな層と考えたとき、どうやってその2割をユーザー化していくかは重要なポイントです。

リファラル採用におけるジャーニーを引く


MyReferをつくったことで、その2割の人たちは実際に採用に対して活性化したのですか?

鈴木
だいたい紹介率が6倍ぐらいになりました。また、残りの7割のパッシブな層もアクティブ層にどんどん入ってきています。


成果としてはおおむね予想通りでしたか?

鈴木
そうですね。ただ一方で、もっと参加するのかなとも思っていました。

もともとの仮説として、人間はインセンティブだけでは動かないだろうなと思っていましたが、一方でしっかりと制度設計をし社内に通達すれば、ロイヤリティが高い会社ならば社員の4割ぐらいは参加すると思っていました。

ただ実際に、パーソルの中で検証してみるとやはり予想より低い値となりました。社員が採用を自分事化することは、日本の文化においてとても難しいことだと再確認しました。


たしかに多くの場合、人事だけが採用をすると思われていますよね。

鈴木
なので、僕らは社員がより採用を自分事化するためのゲーミフィケーション機能や、サービスだけではなく、「いかにして社内に浸透させるか」というコンサルティングの部分や、社員向けの説明会といったアナログな部分も同時並行でやっています。


熱量の高い社員をつくるにあたって、どの企業さんも問題に感じている共通ポイントはありますか?

鈴木
称賛と成功体験の伝播の部分だと思います。自分が紹介した人が入社すると、3カ月後にインセンティブ報酬として10万円がもらえると言われても遠くて自分事化できないといった問題がよくあります。


たしかに。

鈴木
なので、紹介したタイミングでしっかりと称賛し、採用が決定したらその事例をインタビューして社内に展開するなど、リファラル採用におけるジャーニーをきちんと引いて社内に広めていくのが重要だと思います。


タイムリーに称賛して、どんどん循環させる仕組みづくりがポイントになんですね。

鈴木
はい。社内マーケティングに近いと思います。

ちなみにMyReferでは、社員が紹介したタイミングで即時にソーシャルギフトを発行して動機付けし、称賛を循環させる仕組みも提供しております。


「知人を紹介したくてもどんなポジションが空いているか、情報がよく分からない」という質問が来ていますが、MyReferさんはどのようにこの問題を解消されているのですか?

鈴木
うちのサービスは、アプリとWebの両方でアクセスできますが、アクセスすると自社で募集している空きポストが一覧で全部出てきます。

そして、それをLINEやFacebookでワンクリックで送るだけで採用活動ができます。


とても楽ですね。それだったら、今までやっていなかった層もやりそうですね。

スピンオフはなるべく早く市場をつくるための手段


そうしましたら少し話を変えますが、MyReferさんはサービスをより成長を加速させるために、起業するのではなく、事業だけ会社から独立させるスピンオフベンチャーと言われる少し特殊な形式で起業されていますよね。

なぜこのかたちをとられたのですか?

鈴木
スピンオフをする前に、外で他のビジネスをやることをいろいろ検討していました。

たとえば、僕は寺生まれなので寺クラウドというサービスを考えたりもしていました。寺の煩雑な業務をすべてクラウドで効率化するというビジネスです。

お寺は面倒くさい業務が意外と多いですし、競合調査をするとブルーオーシャンでした。結論としては、それで実現できる世界をつくっても、ワクワクしないことに気付きました。(笑)

つまり、どういう課題を解決するかというマーケットインの話と、どういう世界をつくりたいかというプロダクトアウトの部分がリンクしていなかったので、エネルギーが沸いてきませんでした。

寺クラウドでいうのであれば、『人類の死生観を変える』くらいの高いビジョンを設定してその世界観がプロダクトが解決する負とリンクしていないとエネルギーが出ないだろうなと思いました。

そういったことを考えていたところ、MyReferは自分自身で腹落ちしていた世界観でした。なので、これを続けられるのであれば、それが一番ベストだなと思いスピンオフしました。

スピンオフという手法をとった理由は、なるべく早く市場をつくりたかったので、自分で創業して0→1で始めて2年ぐらいかけるのは意味がないと思ったのが大きいです。


自分の中で腹落ちしていたとあるんですけど、どのタイミングでMyReferと自分の実現したい未来がつながったのですか?

鈴木
僕がパーソルに入社した2012年ぐらいからクラウドソーシングの市場が広がり、法人から個人へのパワーのシフトが起きていたので、人材業界でも「個人が自分の信頼している友人を紹介する」クラウドリクルーティングのような市場になっていくだろうとふわっとは思っていました。

そこからさらに明確に解決したいペインを見つけられたのは、やはり現場でやっていたからだと思います。


その結果、自分の実現したい世界と事業がつながって、熱量が高くなったということですね。

「スピンオフをする事例はけっこうある」


もう1つお伺いしたいのですが、事業ごと出て行くときはどのようなステップで行われたのでしょうか。

鈴木
インタビュー記事にも経緯を書いていただきましたが、スピンオフする際にはパーソルホールディングスの経営陣の方に「より事業を加速させるのであればサポートをしてもよいから、ディールのスキームを自分で詰めて想いとともに持ってこい」と言われました。

ただそうはいっても、スピンオフにもいろいろなやり方があります。子会社を設立して徐々にスピンオフするパターン、いきなり飛び出すパターンなどなど。

いろいろ情報収集をしていると、なかなか表には出てきませんが社内ベンチャーがプロダクトを持ったままスピンオフをする事例がけっこうあることが分かりました。


そうなんですね!

どうやって調べたんですか?人づてですか?

鈴木
人づてでファイナンスに詳しいM&Aのコンサルティングをやっている方に聞いたりして、情報を収集していきました。

鈴木
私たちの場合は、資金調達と同時にスピンオフをするイメージでしたので、VCへのアクセスとパーソルの役員経営陣へのアクセスを両方同時にやる必要があったり調整が難しい部分もありましたが、事業を最短で伸ばすうえで理想的な形でサポートいただけることになりました。


まだまだ聞きたいところなのですが、お時間がきてしまいました。

今日は初めてのライブ配信をしてみていかがでしたか?

鈴木
元号の発表にすべて取られた感はありますが、無事に配信できてよかったです。


次回はCOOの方と一緒にご出演されるんですよね?

鈴木
そうですね、スピンオフと同時にうちにジョインした細田という人間と一緒に出演させて頂きます。


本日はありがとうございました。

鈴木
ありがとうございました。

文・写真:ami編集部

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ami

起業家と未来の仲間をつなげる「ami」の公式noteです。 https://ami.live

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