20181218ami_encourage林rev

「心のケアはエモさドリブンだけじゃない」メンタルヘルス領域に挑む起業家の想い

本記事は、encourage林さん(@Hayashingo7)のamiライブ配信の書き起こしです。

株式会社ベータトリップ 代表取締役 林 晋吾さん

amiファシリテーター森(以下、森)
今日はよろしくお願いします。今林さんがどういうことをされているのか、簡単にご説明いただいてもよろしいでしょうか?

encourage林さん(以下、林)
私は、encourageという、うつ病を患った方のご家族向けのコミュニティサイトの運営をしています。

ご家族同士が、サイトの中で悩み相談をしたり情報交換をしたり、あとは、医師やカウンセラー、専門家のアドバイスを受けられるようなコミュニティサイトを運営しています。


1回目の配信では、「どうして起業したのか」という原体験を中心にお話いただいて、前回は「どういったことをencourageでやられているのか」を深掘りさせていただきました。

そこで今日は、「どういうチームでencourageをやっているのか」や、林さんが「経営者の立場となってみて初めて気付いたこと」などをお伺いしたいと思っています。


よろしくお願いします。


まず最初に、今、encourageは何人ぐらいでやられているんですか?


フルコミットしているのは、実は私だけです。

開発はスタートアップでエンジニアとディレクターされている2人の方に、プロジェクトベースで入っていただいています。

まずは彼らに基盤を作ってもらい、そのあとに機能の改善や追加をプロジェクトベースでやってもらっています。

他に、6名の医療や福祉業界の専門家の方にも、お手伝い頂いています。
この6名の方もご本業がありながらも、通常の勤務時間外にご協力いただいてるという感じですね。

また、ちょうどプロジェクトで自然言語のAIを用いたテキストマイニング(テキストデータの分析手法)のノウハウがある方たちとも一緒にやらせていただいています。


めちゃくちゃ面白いですね。


今後は、ユーザーさんからいただいた投稿とかプロフィールデータとかをテキストマイニングして、「頻度が高いキーワードと属性や課題に相関関係があるのか」といった分析をし、サービスに活かしていきたいなと思っています。


そうすると今は、encourageさんが目指している世界観に共感した方が集まっているということですね。


はい。そういった方にお願いしています。


フルコミットじゃないメンバーがいる中で、チームを作っていくにあたっての難しさは感じますか?


そうですね。「時間の制約がある中で、なにをどこまでをお願いするか」という、プロジェクトマネジメントは難しいですね。

あとは、それぞれの方の状況を、自分でリアルタイムに把握することに一番気をつけています。

とくに、直接会うよりも、オンライン上でやり取りする方が多いので、例えばお願いの仕方でも、「今は状況が変わっていて、以前と同じではないかもしれない」ということを考えるようにすごく気をつけています。

なので、オンライン上でミーティングするときに、最初に今の状況をお伺いしたりしています。

ほかにも、1カ月に1回程度、専門家の方々とは必ず直接お会いして、今の状況や、これからどういうことをやっていきたいとかを共有する場を持つようにしています。


そうすると、コミュニケーションのところをとくに気をつけているということですか?


そうですね。


常に一緒にいると、普段からお互いを見ているので、今の状況を言葉にしなくても何となく察して、行動することができますけれども、そうではないですもんね。

エンジニアさんもガッツリ入っていらっしゃるというのは意外に思いました。

今はデータも取りつつ、それを機械学習させてプロダクトに落としていくということもされている。


はい、これから落としていくという感じですね。


林さんは、もともとエンジニアリング周りとか、機械学習周りは専門ではないと思うのですが、どうしてそういうふうにやっていこうと思ったんですか?


いろいろな声をサイトに寄せていただくんですけど、サイト内だけで解決していくことが難しかったことが理由の1つです。

たとえば、問題の発生元が医療の現場であったり、患者さんの職場で起きていたりするので、そういう声をちゃんと届けていく仕組みをつくらないといけないなと。

あとは、主観でいろいろ物事を見てしまうと、印象が強い投稿や言葉を見て、「こういうコンテンツを用意しよう」となってしまうんですけど、客観的に「こういう年代のこういう方々というのはこういうキーワードがよく上がってくるよね」とかを見たくて。

「こういう文脈では、こういうキーワードが出てくる」ということが分かると、コンテンツとして何か情報発信をしていくときに、より必要とされる情報を届けられるんじゃないかと思っています。

まだこれからなんですけど、少しずつそういうアプローチを始めています。


そういった「こういう文脈でこの人たち、こういうキーワードを言う」という情報は、林さんご自身が気づかれたりするんですか?それとも、専門家の方が気づかれたりするんですか?


システムを使うとそういった情報は出てくるようになっています。

世代を分類すると「こういうキーワードがよく出てくるね」とか「傾向的にこういうキーワードはこういう文脈に出てくるよね」ということが可視化できるように、少しずつ整えているような状況ですね。


メンタルの分野って、わりと主観のデータが多いので、エモい分野になりがちと思うんですけれども、そこをちゃんと客観的なファクトを通してガッツリ取り組むと。


そうですね。これからしっかりとコンテンツをつくっていきたいなと思っています。


今、そういった機械学習の仕組みをつくっているのが2人のエンジニアさんですか?


サービスを開発して頂いているエンジニアのお二人とは別の方で、自然言語AIのエンジニアさんにつくって頂いています。


その人たちはどういうふうに見つけたんですか?


今のサービスの開発をしてもらっている方々は、アクセラレータープログラム(スタートアップの支援プログラム)で一緒になって仲良くなって、そこからのお付き合いですね。

もう1人のAIの方は、けっこう前にコワーキングスペースでたまたま顔を合わせて、食事する機会があって。

その後、たまたま自然言語のテキストマイニングすることが、ひょっとすると自分のサービスにすごく有効なアプローチになるんじゃないかなと思ったときに、その方が頭に浮かんで連絡をしたというかたちですね。


もともとは接点があった方々にアクセスしたら、思ったよりウマが合ったということですね。

今までチームは大きな問題もなくきているんですか。


自分が認識していないだけかもしれないんですけど、今のところは。(笑)


なるほどなるほど。

1人でやっていたときと、複数人でやっていたときで、できることとかやれることもずいぶん変わってくると思うんですけども。

経営者という立場で複数人とやられてみて、良いことでも悪いことでもいいのですが「これ、思っていたのと違ったな」ということってありますか。


ちゃんと今の状況を説明しないと、相手には自分が思っている以上にいろんなことが伝わらないんだなということですね。

どこまで分かってもらっているのかとか、伝わっているのかという、伝え方には気をつけなきゃいけないと思います。

あとは、自分が気をつけているのは、丁寧に今の状況をお話することです。
関わってもらっている人にはあまり背伸びをしたことを言わないで、基本的に今の状況をちゃんとそのまま話して、できるかできないかを一緒に考えてもらうようにしています。


過去にそれが原因でミスコミュニケーションが発生したことがあったんですか?


そうですね。クリティカルな問題になったことはないんですけど、ちょっとずつやっていくうちに自分の思いだけが先行しちゃって、相手の状況は変わっているのに、それまでと同じような話の仕方をしていたりとか。

相手に情報が足りていないのに、情報がある前提でいろいろな話を進めてしまって、徐々にちゃんと相手に正確に伝わっていないんだなと感じることがあったので、そこは気をつけたいなと思っています。


そういうふうに林さんが意識を変えたことで、何となく感じていた認識のズレみたいなものは解消されましたか?


よくなっているのかなという思いもある一方で、以前よりも少しずついろんなことが進んでいくスピードが速くなっているので、まだ自分自身が追い付いていないところはもあるのかなと思っています。


そうなんですよね。相手のことを考えて相手に適した言葉をかけるって、実践しようとすると難しいですよね。しかも、人が増えれば増えるほど。

今は、林さんがお1人でやられていますが、どんどんこれから人数が増えてくると、さらに難しくなりそうですよね。

ちなみに、今は人材を増やす計画はあるんですか?


目下この1~2カ月はあまりないです。

ただ、使い方へのお問合せがあったりするので、サイト内外でユーザーさんとのコミュニケーションを取ったり、コミュニティのマネジメントを一緒にやってくれるような方がこの1年の間に見つかればいいなと思っています。


どちらかというと今、林さんがコミットしているところに関して一緒にやってくれるような方が欲しいと?


そうです。


結構こういう分野って、「専門性が必要なんじゃないかな?」というふうにみんな構えちゃうんじゃないかなと思うんですけど、どういう人が来たらいいなってありますか?


実は僕もどういう人が適しているかって、まだ明確には分かってないんですけど、人のことを想像しながらコミュニケーションを取ることが得意な人というか、そういうことが苦にならなない人がいいのかなと思っています。

「相手は何が分からないのか?」というのを想像しながら、レスポンスを返す機会も多いので、そういうコミュニケーションを普段から取られている方はすごくいいなと思います。


共感力の高い人ですね。


そうですね。この状況で、「たぶん、こういうことが分かんないんだろうな」というのを想像したり、共感できるということが大事かなと思っています。


あと、このencourageさんが取込む課題を一緒に解決していきたいというのも重要。


そうですね。


林さんがencourageをやる上で、ビジョンとかミッションとか、これは大切にしたいなっていうことはありますか?


今、大事にしているのは「患者さんのご家族ご自身の課題をまず見る」というところです。ゴールとしては「家族が安心して患者さんと生活できる」ということがすごく大事だなと思っています。

その上で現時点では、まずご家族の不安だったり、悩みというのを緩和していったり、解消していくというところを大切にしています。

もう1歩進まなければいけないのは、家族の声をちゃんと社会に届けて、新しい仕組みをつくるとか、課題にアプローチしていく仕組みを作っていくというところだと思っています。


最初は、「自分がこれをやらなきゃ駄目なのかな」という小さな使命感から始めたことだと思うんですけど、今、その使命感というのは高まっていますか?


いろんな人にご協力いただくようになると、より実現可能性を自分の中でも感じるというところと、ご協力いただいている以上、もっとやらなきゃいけないなというのがあります。

やらなきゃいけないというより、やりたいなという想いの方が強くなっているかもしれないですね。


実際に始めてみて、自分が思っていたよりもこの課題って大きいんだなというのはありますか?


課題の大きさや、複雑で難しい問題だなということをすごく感じています。


すごい! そうなんですよ。自分の内面に向き合う問題って、本当に個の自由が尊重されればされるほど難しいし、必要になってくる。

「自分の内面と外部環境の課題の両方に取り組む」という、すごく大きい課題に取り組んでいらっしゃるなと思うので、応援しています!

先ほどありましたように、今、encourageさんでは、コミュニティができる方をゆくゆく募集していきたいということなので、ぜひ、このお話を聞いて共感された方は、Facebookに連絡をいただければと思います。

過去の記事はこちら


嬉しいグォー!これからも応援よろしくグォ!
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2019年11月15日amiはINITIALに生まれ変わりました。スタートアップの今と未来を徹底解説。資金調達をはじめとした定量面での分析情報、起業家や投資家への独自取材による充実のコンテンツをお届けします。https://initial.inc/
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