20181212ami_encourage林rev

うつ病患者の家族に「情報」と「居場所」を提供するコミュニティ。ハードルの低さが参加のカギ

本記事は、encourage林さん(@Hayashingo7)のamiライブ配信の書き起こしです。

株式会社ベータトリップ 代表取締役 林 晋吾さん

amiファシリテーター松岡(以下、松岡)
うつ病患者さんの家族のコミュニティサービス、encourageを運営している林さんに来ていただきました。

encourage林さん(以下、林)
よろしくお願いします。

松岡
2回目のご登場になりますが、最初にざっくりサービスのご紹介をお願いします。


encourageというコミュニティサービスでは、うつ病の患者のご家族同士がオンライン上で匿名で悩み相談をし合ったり、医師やカウンセラー、薬剤師の方からアドバイスを得ることができます。

松岡
改めて、なぜうつ病患者さんではなくて家族のコミュニティというものをフォーカスしたのかお話いただけますか?

「家族」に着目した理由


もともと、私自身が患者当事者としての経験がありました。

病気を発症して、治療して社会に復帰して定着するまでの期間、同居している場合、家族とは関わり合う時間が長いんですね。

ですが、家族自身がサポートするために必要な情報だったり、それを得る環境が整っていないことに気づきました。

実際にご家族の方の話を聞いていると、悩みを打ち明ける場所が不足していたり、受け入れてもらえる場所がないことで家族自身が孤立し、問題が複雑化して難しくなっていると感じ、家族自身に着目したサービスをつくろうと考えました。

松岡
たしかに、うつ病ではなくとも、あらゆる疾患について家族であったり医療機関と二人三脚、三人四脚といったところで治療に向かうのが、理想的な姿だなと思うんです。

妊婦さんやがん患者さんの家族コミュニティがようやく注目されてきてはいるんですけど、うつ病患者さんのご家族にはあまり日が当たらないですよね。


そうですね。まず、そもそも声をあげづらかったり、なかなか自身の立場を表明しづらいというのはもちろんあると思いますし、もう1つは、そういう声を届ける先がないのかなと思っています。

たとえば、クリニックにいくと主治医の先生と受付の人しかいない状況で、家族としての悩みを主治医の先生に話しても、診察の時間って患者さん向けに問診をするのが中心になるので、家族の悩みを聞いて対応するというリソースが不足しています。

もう1つは、「視点」が重要かなと思っていて、家族自身の課題そのものに着目をしたり、家族自身が課題に直面した当事者だというふうに捉えて、悩みを聞くとか、情報を提供するという視点は不足しているなと思っています。

松岡
なかなかオープンにしづらい雰囲気がある中で、当事者であるうつ病患者さんと家族と病院と、視野が狭まってしまうことが大きいかなと思っています。

コメントでうえのるいーずさんから、「私も経験したことありますが、家族側としてけっこうつらかったです。イライラしてしまって自己嫌悪に陥りました」ときています。

おそらくこの「自己嫌悪」は、「ちゃんと支えられているのか」という自分への不安であったり、「本当に前に進んでいるのか分からない」といった不安によるものなのかなと思うんですけど、実際にどうなんですか?


いろんな情報が不足していたりする中で、ご家族としてうまく対応したいと思って、患者さんのために何かしたいと思ってやったけど、結果的にそれがうまくいかなかったとか、その結果を家族自身が背負い込んじゃって、無力感を感じてしまうことが多いのかなと思っています。

一方で、家族だけがそれを抱えるというのはあまりにも負担が大きいと、サービスの中でユーザーさん同士のやり取りを見ていて感じます。

松岡
家族だけじゃなくて周りの人に直接相談できる環境であるのが、理想だと思うんですけど、それがなかなか難しいからこそこのコミュニティが活きるということでしょうか?

encourageというコミュニティの特徴


そうですね。オンラインでやっているところというのは、まさに利点があると思っています。

1つ目は、匿名性の部分です。まず最初に気軽にやり取りをしようとしたときに、匿名でオンライン上でできるので、リアルな場所にいってつながるというよりもハードルは低いかなと思います。

そこの繋がりができれば、もう少し深いやり取りをオフラインでやることに繋がるかなと思いますね。

2つ目は、利便性の部分です。今、encourageのユーザーさんの50%ぐらいが患者さんの妻という立場です。つまり、ご主人がうつになってという方が全体の50%ぐらいです。

そうすると、たとえば、30代40代で、お子さんがいらっしゃるとか、ご自身もお仕事していると、役割が多くて圧倒的に時間がないので、対面の支援や対面の集まりのところに物理的に動けないというのはあると思います。
オンラインだと時間や場所の制約が少なく、利用はしやすいかと思います。

お子さんがいれば母親であったり、妻であったり、職場での立場もあったりするので、多忙なゆえに対面だと利用しづらいかもしれないですね。

松岡
ひよさんから、「休んでしまうことを肯定してくれる、医者ではない存在がとても助けになる気がします」というコメントをいただいています。

たしかに、「自分を肯定してくれる存在ってお医者さんしかいないのか」とか、周りが敵に見えてしまうということもあるかもしれないですね。


それは、患者さんの立場として、休んでいる状態を肯定してくれるということですね。

松岡
そうですね。


発症したばかりの頃は自分自身をコントロールできないので、「まず体を休める期間」だと認識して、ゆっくり休んでもらうことが一番望ましいのかなと思います。

自分が患者としての立場も経験していたのでそれはよく理解できる一方で、そのご家族も、その先のことが不安になっていたり、どれぐらい休養しなきゃいけないのかが分からなかったりすると思います。

たとえば、3食は食べられないし、ずっと寝ているという状態が、最初の診断を受けてから1~2週間続いたとしても、情報がないが故に家族は「なんで起きてこないの?」「なんで食事食べないの?」と思ってしまったりしますよね。

それは自然なことだし、無理もないことだと思っているので、情報の問題と、もう1つは家族自身の負担を解決する仕組みが必要かなと思います。

松岡
おそらく病気だけではなく色々な悩みについて、同じことを考えている人を探すというのは、TwitterやInstagramでも起きている現象かなと思います。

のぶおさん、よしたかさんから、「どうやってencourageを見つけるんでしょう?」という質問が来ています。


何か有力なチャネルを持っているというよりは、インターネットの検索でサービスのランディングページに辿りついて頂く方が大半です。あとは、Webのメディアで取材をしていただいた記事が検索の上位に出てくるので、その記事をきっかけに登録をして頂く方が2~3割くらいですね。

松岡
潜在的なニーズが、インターネット上にあったということですか?


そうですね。もともとTwitterで、そういうご家族の立場で普段ご苦労されていることをツイートされている方たちがいらっしゃっいました。

ひょっとすると、匿名でありながらも個人の属性やどういう立場といった情報が少し入ってくると、やり取りが活発にできるかもしれないなと。

家族同士がコミュニティとしてやり取りできるインターフェースをつくれば、活発なやり取りがなされるんじゃないかと思ったのが最初のきっかけです。

松岡
うちださんから質問が来ています。

「コミュニティの中で感情のもつれや衝突が起きてしまうことはないのでしょうか。ギリギリの精神状態になった方がいたときに、オンラインのコミュニティを穏やかに保つのって大変なことなのではないかと想像します」


今のところ、ゼロではなくてやっぱり数件はありますね。

運営側として、最初に登録したときに利用のガイドラインのURLをメールで案内をしたり、「ちゃんとこういうことはルールとして守ってくださいね」「投稿するときこういうことに気をつけてくださいね」という発信を定期的にしています。

一方で、それをやり過ぎてしまうと、すごく厳格なコミュニティになって、気軽に書いてやり取りすることができなくなります。

コミュニティの中でどういうやり取りをして、どういうコミュニティをつくりあげたいか、というのをユーザーさん同士で共有してもらうということも大事だなと思っています。

日々のやり取りの中で、「このコミュニティでこういうやり取りをするんだね」というのが定着してくると、利用するときのスタンスがある程度見えてくるかなと思うので、バランスがすごく難しいんですけど、気をつけて普段やっています。

松岡
ひろたさんから「家族がうつ病かもという場合でも相談できますか」と質問が来ています。ありがとうございます。

たしかに、本人が「うつ病かもしれない」と思って病院にいくのはかなりハードルが高いと思います。

周りが異変に気づき始めても、どこに行ったらいいのか分からない時、このencourageというサービスが非常に役に立つのかなと思うんですが、いかがでしょうか。


そうですね。実際にそういった方にもご利用いただいています。

あとは、「ご本人にどうやって受診を勧めたらいいか」という情報についても、「過去に経験してこういうふうにしたら受診につながった」という情報があるかもしれませんし、専門家として過去に答えたこともあるので、お力になれるかなと思いますね。

松岡
林さんにはもう一度、今月来ていただきます。今回はサービスの深掘りをさせていただいたので、次回は、今後の林さんが掲げる未来みたいなものをお話させていただければなと思います。

過去の記事はこちら


嬉しいグォー!これからも応援よろしくグォ!
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ami

起業家と未来の仲間をつなげる「ami」の公式noteです。 https://ami.live

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