20190318_IB井藤さん

「国がやらないなら自分がやる」学生時代に思いついた保険構想で勝負するワケ

本記事は、IB 井藤さんのamiライブ配信の書き起こしです。

ライブアーカイブ

起業家紹介

株式会社IB 代表取締役 井藤 健太

保険の一番スマートなカタチ

amiファシリテーター 町田(以下、町田)
本日は保険簿の井藤さんにお越しいただきました。よろしくお願いいたします。

簡単にサービスについてご説明頂いてもよろしいでしょうか?

IB 井藤さん(以下、井藤)
よろしくお願いします。

弊社IBは昨年の10月に創業し、保険簿というサービスを通じて「保険の請求をしなくても保険が支払われる」仕組みを作ることを目指しています。

町田さんに1つ質問させて頂いてもよろしいでしょうか。

町田
(笑)逆質問ですね!

井藤
町田さん自身、医療保険や火災保険、クレジットカードの付帯保険、共済などいろいろな保険に入っていると思います。町田さんのご家族も同様にいろいろな保険に入っていると思うんですね。

ここで仮に、地震で離れて暮らす家族の家が倒壊し、意識不明の重体にご両親がなってしまい、保険の請求を代わりをするのが町田さんしかいない状況になったとします。そうなった時にすべての保険について請求できますか?

町田
そう考えると、両親が何の保険に入っているのか全然分からないです。

井藤
今まで多くの人に同じ質問を聞いてきましたが、できると答えた方は1人もいませんでした。

本来だったら請求できるはずの保険を請求できなかったために、治療をあきらめて亡くなった話も聞きます。

保険を使うために今まで数百万、数千万円と払ってきたのにもかかわらず、いざというときに使えないのは非常に腹立たしいですよね。なので、請求漏れをなくしたいと思っています。

じゃあ、どうやったら一番スムーズに保険の請求漏れをなくせるかを考えると、そもそも保険を請求しなくても、保険金が支払われる仕組みをつくるのが一番スマートだと思い、今の事業をやっています。

保険を変える3つの必要な情報

町田
保険の請求漏れはどの程度起こっているのでしょうか。

井藤
保険には、請求漏れと支払い漏れがあります。請求があったにも関わらず保険会社が支払わなかった件数が支払い漏れです。一方で、請求漏れはそもそも請求すらしていないので数字の取りようがありません。

何となく請求漏れって多いんじゃないかという問題意識があっても、具体的な数字がないので大きな問題になっていないのが現状です。

町田
請求しなくても保険が支払われるとおしゃっていましたが、もう少し詳しく仕組みについて伺わせていただけますか?

井藤
まず、請求をしなくても保険金が支払われるために、必要な情報が3つあります。

1つ目が、どこの保険会社で証券番号何番の保険に入っているかという、ユーザーの保険情報です。

2つ目が、その証券番号に紐づく保険がどういったときに支払われるかという契約内容の情報です。

3つ目が加入者が亡くなってしまったとか、火事に遭ってしまったという事故の発生情報です。

今、弊社が一番最初に取り組んでいるのが、保険の代理店さん向けに営業の効率化やアフターフォローに役立つようなツールを開発しています。代理店さんが保険加入者の証券情報を弊社の代わりに集めてくれるような仕組みを作っています。

同時に保険加入者の方向けに、保険簿という加入保険情報の情報管理共有アプリケーションも作っています。それを使うことで、家族とも保険情報を共有しやすくなります。

町田
保険簿を使えば、今まで紙などでばらばらに管理していた保険情報を、1つのアプリケーションでまとめて見ることができるということですか?

井藤
そうですね。

たとえば、保険加入者さんのご両親が事故に遭って動けないときも、保険簿を見れば「親はこういう保険に入っているからここに連絡すればいいんだ」とすぐ分かるというわけです。

これが弊社がやろうと思っていることの第1段階です。

そして最終的には、「ユーザーさんが一切請求の手続きをしなくても保険の支払いが済む世界」を最終的に実現していきたいです。

原点は卒業論文

町田
もともとどういうきっかけで保険領域に関わり始めたのですか?

井藤
もともと保険業界に勤めていましたが、大学のときも保険の研究をしていました。

最初のきっかけは大学のゼミです。頑張って勉強しようと思い、入ったゼミが保険を取り扱っていたんですよね。

事業を始めたきっかけは2011年まで遡るのですが、私が学生だった当時、東日本大震災が起こり、被災地にボランティアに行きました。そこで流された家を見て「こんな状況ではいろいろな保険に入っていても、ほとんど請求ができていないんじゃないか」と疑問に思いました。

その体験をもとに書いた卒業論文の内容が、いまの保険簿構想です。

「自分がやらなければ死人が出る」

町田
なぜ、卒業してすぐにその構想を実現しようと思わなかったのですか?

井藤
当時はまだ、保険簿の構想を普及させる方法やマネタイズさせるアイデアがありませんでした。

しかしその後保険業界で働き、経験や情報収集をするうちに、普及させられる確信を持ったので起業に踏み切ったというかたちです。

町田
卒業する段階から、こういうステップを踏んでこの段階に達したらサービスをつくろうと決めていたのですか?

井藤
いや、全く思っていなかったです。保険を管理する仕組みがなかったり、請求ができないことで亡くなっている人もたくさんいますので、国が取り組むべき課題だと思っていました。また、学生だった2008年頃からマイナンバーの話も出てきていたので、国がやるだろうと思っていた部分も正直あります。

しかし結局国が取り組まず、去年も大阪北部の震災や四国・中国地方の豪雨などが立て続けに続き、これ以上請求漏れの問題を放っていると、また死人が増えると思い「自分がやるしかない」ということで起業しました。

目指すのは「自分のリスクをしっかりと向き合える人生」

町田
起業するにあたって、これなら保険簿を普及させられると確信したきっかけや出来事はありますか?

井藤
ここ数年で、お客さんのことを大事にしないと保険会社も保険代理店も、市場や金融庁から評価されないという時代に保険業界が変わってきています。

なので、保険簿構想の中にあるアフターフォローや請求に対する対策を前向きに捉える空気感ができてきたのは大きなきっかけでした。

また、ここ5年ほどは特に、保険を売るための仕組みや、商品に対する規制などの変化が立て続けに続いているのも大きいです。

町田
保険の請求漏れと聞いても、多くの人にとっては亡くなることにすぐ繋がることは少ないと思うのですが、保険簿が普及すると他にはどのような影響がありますか?

井藤
「何かあったときの備えをすることで安心した生活を送りたい」というのが保険に入る目的だと思うんですね。

ただ、何かがあった時に請求することが困難だと、安心するために入っているのに安心できませんよね。

そこで、保険簿を使って請求がしやすくなることで、保険の活用を前提とした生活設計をたてられますし、前向きに人生を過ごせるんじゃないかと思っています。

みなさんが「保険に入っているので、将来の備えはちゃんとできいます」とすっきり思えて、結果的に自分のリスクをしっかりと向かい合いながら人生を歩めるようなような社会になってほしいです。

逆に現状は、果たして30年後40年後ちゃんと使えるのか不安に思いながらも保険の契約手続きをし、内容もよく分からないけど見て見ぬふりを続けて、結局不安なまま生きていくことになってしまっていると思います。

町田
「最近、実際に保険の対応をしてすごく大変だった…」というコメントがきてますね。

井藤
実は私自身も、祖母が以前交通事故にあったので、たまたま入っている保険を見直していたところ、請求できるはずもので請求できていない保険が2件見つかりました。

合わせると1,000万円を超す保険金が支払われるような請求漏れでした。これだけ私のように注意していても起こるものなので、それだけ一般的に請求漏れはあり得る話だと思います。

町田
「家族や自分が病気だと、それだけで精一杯で保険の手続きは負担が大きそうだからうれしいサービス」だったり、「安心したくて入った保険だとしても、実際適用されるかどうか不安でした」というコメントもきているので、ペインが大きい潜在的な課題なのかもしれませんね。

井藤
こういったお声をいただけると、私としても勇気が出てきますし、エネルギーになるので非常にありがたいです。

町田
本日は時間が来てしまったので、続きは次回にお話していただければと思います。

ありがとうございました。

井藤
ありがとうございました。

文・写真:ami編集部


嬉しいグォー!これからも応援よろしくグォ!
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INITIAL

2019年11月15日amiはINITIALに生まれ変わりました。スタートアップの今と未来を徹底解説。資金調達をはじめとした定量面での分析情報、起業家や投資家への独自取材による充実のコンテンツをお届けします。https://initial.inc/

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