20181005_JOINS猪尾さん

「地方に必要なのは、お金の前に人」居場所を感じる、地方×大都市の人材シェアリング

本記事は、JOINS猪尾さん(@YoshitakaInoo)のamiライブ配信の書き起こしです。

JOINS株式会社 代表取締役 猪尾 愛隆さん

amiファシリテータ藤野(以下、藤野)
本日はJOINSの猪尾さんに来ていただきました。皆さん拍手をよろしくお願いします。猪尾さん、簡単に自己紹介お願いいたします。

猪尾さん(以下、猪尾)
JOINS株式会社の猪尾と申します。去年創業したばっかりのスタートアップです。

今は人材シェアリングのサービスとして、地方の中小企業の仕事を副業として、大都市にいらっしゃる方にご紹介・マッチングするサービスをやっています。

藤野
JOINS、地方と大都市の人材シェアリングサービスということで、なぜこのサービスを始めたんですか。

複数の居場所の必要性

猪尾
自分の中での大きな原体験があるんです。

僕は最初、1社目は広告代理店の博報堂に行って、そのあとにクラウドファンディングのミュージックセキュリティーズっていう会社で10年ぐらい、スタートアップの役員として、事業の立ち上げと運営をやってました。

自分自身はすごい思いを持ってやってましたし、やりがいを持ってやってたんですけど、自分の今の給料を維持できるのはもうこの居場所しかないんじゃないかとか、自分がやりがいを感じられるのはもうこの仕事しかないんじゃないかみたいな、失うことの恐れを自分の中で感じるときがあったんです。

その時の状態は、今でも思い出したくもないし、その頃にはもう戻りたくないなって思うんですけど、その状態の時に妻がすごく一生懸命企画してくれてた海外旅行、初めて家族で行く旅行をドタキャンしちゃったことがあったんですね。

自分が今休むなんて言ったらすげえ怒られるんじゃないかとか、みんなから引かれるんじゃないかとか、勝手にそう思ってしまったからで。

今から思うとすごい情けない自分なんだけど、でもその原因は周りの誰のせいでもなく、勝手に選択肢がないと錯覚して自分の本当の感情を押し殺して今の居場所を守るために判断していた自分だと後から気づきました。

自分の人生を生きていなかったんだなと。

もし、その時に、ほかの世界にも自分が役に立つ場所があったり、自分がほんとにいいな、やりたいなって思える共感できる場所があったり、そういうことをパラレルに感じることができる機会があったら、もっと思い切って挑戦できるし、自分を出せるんじゃないかと。

そういう1人でも多くの人が自分の人生を生きて、本来の力を解き放つようなことがしたいと思ったんです。

だから今頑張っていることもやりながら、パラレルに違う場所でそういうことを感じることができるサービスをつくりたいなと思ったのが原体験です。

藤野
そのときに居場所がもう他にないかもしれないって思ったのはどうしてだったんですか。

猪尾
1つは10年近くいたのもあって、視野が狭くなってたのもあるかもしれないです。もう1つは、当時35~36歳だったんですけど、勝手に「35過ぎるともう転職先もない」と思っていました。

別に辞めたいと思ってたわけじゃないし、スタートアップの事業を伸ばそうと思ってたものの、これが駄目だったらもうほかはないんじゃないかなみたいな、そういう錯覚があったんじゃないかなと思ってます。

藤野
「怖くなる気持ち分かります」っていうコメントもいただいてます。

猪尾
ほんとですね。

藤野
うんちゃんさんから、「JOINSがないときの大きな課題感って何かありますか」ってコメントが来ています。

猪尾
JOINSがないときの大きな課題感? JOINSのサービスがなかったら?

藤野
なかったらってことだと思います。

猪尾
そうですね。自分が役立つ、役に立てることってほんとはいろんな側面からいろいろあると思うんですけど、それが1側面しか感じられないと、そこに依存しちゃう関係ってありますよね。

だから逆にいえば僕は、JOINSのサービスを通じて常にいろんな角度から自分が役立つ場所とか自分が共感する場所を探すことで、意図的に俺はこの場所にいるんだって、自律してこの場所にいれると思えるようになれるサービスにしたいなと思ってるんです。

JOINSがあることで、経済的にも精神的なことも含めて自律しやすい状況になると。自分の経験上そうだったんで、そういう状況を変えるサービスにしたいなと思ってます。

藤野
JOINSを創業する前はどういうことをやられてたんですか。

共感のある"少しの時間"を集める

猪尾
それがもう1個の原体験でもあるんですけど、クラウドファンディングの事業を2005年からやっていました。

当時はクラウドファンディングという言葉もあんまりなかったんですが。

300年続く酒蔵とか農業とか林業とか、日本の地域には地域の歴史・文化・自然などを事業を通じて代々継承してきた会社がたくさんあります。

そういう事業に触れて、日本の大切なものがちゃんと次の世代にも発展しながら残していく企業のお手伝いをしたいなと。

そういう事業ってそんなにスケールするわけでもないし、事業がバーンって伸びるわけでもないんで、短期的にはお金が儲かりにくいんですね。

そうすると一度にたくさんのお金をそこに投じることはしにくいんで、少しずつのお金をインターネットを通じて共感した人からたくさん集めることをやりたいと思って、クラウドファンディング事業をやってたんです。

それをずっとやってた中で途中から感じるようになったのは、いくらお金があっても、社長さんのビジョンがあっても、それを実行するチームとか人がいないがばっかりに、クラウドファンディングでお金集めができなかったりとかっていうことが増えてきたんです。

地方中小企業になんで人がいないかっていうと、色々理由はありますが直接的には大都市と地方で給料の格差があって、なかなかフルタイムで地方の企業に突っ込んで働ける人ってすごい限られてしまうことが原因の一つです。

それなら、クラウドファンディングと考え方は一緒で、やろうとしていることに共感し、役立つことができる人達に転職してもらってフルタイムの時間を使ってもらうのではなく、週1日などの副業の少しの時間を集めることで、その事業を成長するお手伝いができないかなと。

300年続いてきて、さらにこれから300年続く酒蔵の事業を作っていくために。そういうことに力を集めたいなと思ったんです。

だから今、まず地方に必要なのは、お金の前に人なんじゃないかなと思うようになりました。

なので、お客さんは変わってないんですけど、届けるものをみんなの思いのあるお金から、みんなの思いのある少しの時間に変えた事業をつくりたいなと思ったのがもう1つの理由です。

藤野
ありがとうございます。たみこさんからのコメントで「起業するとき家族から反対されなかったですか」っていうご質問をいただいています。

猪尾
それも今回の僕の経験にもつながってるんですが、あえて転職活動してみたんですよね。それで、内定もいただけて。

自分の何が役に立てるのかも実際にお客さんである雇い主から感じることもできました。

そこでまさに選択肢を感じられたので、「駄目だったら最悪こうやって雇ってくれる場所があるから今は自分の起業にチャレンジしたい」と伝えて、それで家族に安心してもらえました。

そういう意味でも選択肢を増やすのは別に浮気するとかいろんなあちこち見るっていう意味じゃなくて、今何かに集中するためにも、他の居場所が感じられることのメリットはすごく自分も実感していますし、実際にそうやって家族に安心してもらいました。

藤野
ありがとうございます。地方と大都市の人材、JOINSは地方と大都市の人シェアリングサービスをやられてるんですけど、具体的などういうマッチングのシェアリングの例があるか話していただけますか?

猪尾
はい。実はまず僕自身も体験しなきゃいけないなと思って、僕も今実は週1日でやってるんです。お手伝いしてるのは、長野県の白馬でスキー場を運営している会社です。

そこには、冬はもちろん外国人の方もたくさんいらっしゃってるんですけど、夏のサービスがなくて人が少ないということがありまして。

今、グランピングの事業の立ち上げを手伝ってます。

そういうリゾートを運営する会社だったりとか、山荘を運営してる会社だったりとか、あと酒蔵だったりとか。週1日の業務で20万円近く報酬を得られる仕事も多くあります。

僕らがほんとにマッチングしたいなと思ってるのは、地域の資源とか歴史とか文化とか、そういうものを残そうとしてる会社さんたちです。社員でいうと20~30人かぐらいの会社が多いんですけど、そういう会社さんの仕事をどんどんご紹介してます。

藤野
JOINSで目指したい世界観っていうのを教えてください。

猪尾
最終的には2つあって、1つは場所からの自由。

例えば、最初は東京で大企業に入って5年ぐらいしたら地方の企業に行って事業部長をやったり、そのあとまた大企業に戻って、行ったり来たりもできるし、実際に東京にいながら地方の仕事も手伝えるような働き方が普通になる世界を実現したいのが1つです。

もう1つは自分の時間のポートフォリオの自由というか、大企業にいながらでも地方の仕事も少しやって、そっちが面白くなったら地方の仕事をもっと増やして東京の仕事を少し減らすとか、自分の時間配分も自由にできる、そういう働き方が実現できたらなと思ってます。

藤野
たみこさんから、「JOINSに依頼される仕事内容はどんなものが多いですか」っていうコメントです。

猪尾
これから増えてくるとは思うんですけど、ITツールの導入支援だったりとか、業務改善みたいなことだったりとか、あと人事の仕事なんかも結構多いです。

基本的には地方の中小企業では、インターネット周りの部分など、必要なのはわかっていてやりたいけれど、人手やちょっとしたノウハウが足りていなくてやれてないことがたくさんあるので、それを愚直に実行してだけでもすごく喜ばれたりします。

藤野
ありがとうございます。そろそろお時間になりますので、今回いただいたコメントで答えられなかったものは2回目の配信でお答えしたいと思いますので、よろしくお願いします。

本日はJOINSの猪尾さんにライブの機会をいただきました。皆さん、ありがとうございました。

猪尾
ありがとうございました。

【ファシリテーター藤野からのコメント】
JOINS猪尾さんは、「居場所を感じる場所をつくる」ことに情熱がある方です。前職のスタートアップ時代に地方の酒蔵をお手伝いしたり、様々なご経験をなさったから猪尾さんだからこそのサービスをつくっています。ライブ準備中も視聴者にはどう伝わるだろうということを真摯に考えていらっしゃり、ライブ中のコメントで拾えなかった「思い出深いマッチングは何ですか」という質問にも答えてくださいました。(回答はamiアプリのJOINSのページで見ることができます)ぜひ、「今の会社だけでなく、新たに地方で副業でチャレンジしたい」方はJOINSのサポーターになってみましょう!

amiとは?

amiは起業家とサポーターがつながるライブアプリです。起業家の方が起業にいたる原体験や実現したい世界などについてライブ配信を行い、ライブ参加者との直接のやり取りを通して共感が生まれ、起業家と、その挑戦を応援するサポーターのつながりをつくります。


嬉しいグォー!これからも応援よろしくグォ!
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2019年11月15日amiはINITIALに生まれ変わりました。スタートアップの今と未来を徹底解説。資金調達をはじめとした定量面での分析情報、起業家や投資家への独自取材による充実のコンテンツをお届けします。https://initial.inc/
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