20190129ami_BestBeerJapanピーターさん

シェアリングエコノミーは「ビール樽」にも。クラフトビールをもっと安くする秘策

本記事は、Best Beer Japan ピーター ローゼンバーグさん(@PeterRothenberg)のamiライブ配信の書き起こしです。

Best Beer Japan株式会社 CEO ピーター ローゼンバーグさん

BestBeerJapan ピーターさん(以下、ピーター)
(ボイスパーカッション)こんにちは!

amiファシリテーター松岡(以下、松岡)
ボイスパーカッションからおしゃれに始まったんですけども、今日はボイスパーカッションについてではなく、起業家としてのピーターさんについて、より深い話を聞ければなと思っています。

ピーター
何でも聞いてください!

松岡
早速ですが今、「Best Beer Japan」で何をやられているかをお話いただいてもよろしいですか?

ピーター
「ビールで人生にフレーバーを」ということで、「ITで21世紀のビール」をつくっています。

松岡
今日も「ビール好き?」というTシャツを着ていますね。

ビール好きな人は日本人に多いと思うんですけど、日本人が飲んでいるビールは実はそんなに種類がないそうですね。

ピーター
種類から考えますと、大手メーカーがつくっているビールは全部同じ種類ですね。アサヒ、キリン、サントリーなどが出しているビールは、全部ピルスナー種なんです。

松岡
実はほかにもたくさんビールがあるよ!ということなんですね。

ピーター
100種類以上のビールがありますね。ワインをイメージして考えたほうが分かりやすいかなと思います。

ブドウであればシャルドネとかシラーズとかの種類があるので、ワインも幅広い味をつくれますが、ビールも同じように、麦やホップを変えると、味がけっこう変わります。

ビールは今、基本的に1つの種類だけが飲まれていますが、その体系を広げていきたいと思っています。

松岡
コメントがきています。「前回のが楽しすぎてまた来ました」といううんちゃんさんのコメントです。

ピーター
ありがとうございます。楽しいだけではなく、ちゃんと今回、勉強になるような内容にしましょう。

松岡
コメントを見ると、ビールが好きな方多いですね。「IPAが好きです」というコメントもきてますね。

ピーター
日本のクラフトビールの中ではIPAが一番飲まれていますね。

今までのピルスナー種の苦味に慣れている人が多いので、「ビールはこういう苦み」というイメージが強いと思いますから、まずIPAを楽しんでビールの多様さを感じてもらうのがいいと思います。

まだ98種類以上残っているので、ぜひIPAの次の味も一緒に楽しんでいきましょう。

松岡
すごいですね! 98種類のビールがあるんですね。

ピーターさんが今、取り組んでいることは、「ビールの物流」の改革ですよね。

ピーター
まずはインフラからスタートしていますね。クラフトビール市場は毎年10.5%伸びているんですけど、なかなかインフラが整っていないのが現状です。

もっとこの市場を早く成長させるために、そしてもっといろんな人がクラフトビールを楽しむためには、まずインフラがないとなかなか進まないと思っています。

そこでまず、自分たちがそういうインフラをつくりたいと思いました。

クラフトビールがなぜ高いか前回も話したんですけど、1つの理由は、大量生産ができていないこと。2つ目の理由は、運送費が高いことです。

そしてもう3つ目の理由が酒税なんですね。

松岡
たしかに、税金の問題というのは大きいですよね。

ピーター
酒税の法律が最近緩和されて、2020年、2023年、2026年の三段階で酒税が下がってくるんですけど、酒税はほかの税金と違って、利益が出ていなくても払わないといけない税金なんです。

今でも日本の酒税の法律は、日本酒向けになっているので、そこが緩和されないとなかなか難しい部分があります。

たとえば、「1億円までの売上だったらこれぐらいの酒税」という段階的な税金に緩和されたら、もっとクラフトビール市場も成長していくと思うんですよね。

その後はたとえば、「5億円の売上になったらもう1回酒税を高くする」みたいな仕組みにすれば税収も増えていくと思うので、酒税の仕組み次第で成長も変わってくると思います。

松岡
先ほど、冒頭に、実はクラフトビール、市場が伸びているというところで、私は、お酒の市場ってどんどん下がっていってるのかなと思っていたんですよ。

ピーター
日本のビール全体の市場についていうと、ここ10年間はビール離れと言われてます。一方クラフトビールは本当に急成長中で、毎年10.5%ぐらいは伸びています。

これはグローバルなトレンドになっていて、たとえば売上ベースだとアメリカ市場では23%程度をクラフトビールが占めるようになっています。

アメリカからの影響も強いし、これから酒税も緩和されるし、IPAを飲んでいただいている方々も多いし、クラフトビール市場は自然にこれから伸びていく。

しかしそこにインフラがないという課題があるので、インフラに着目したという話です。

松岡
趣味として、美味しいビールをワインのようにたしなむという文化自体がそんなに多くはなかったですよね。

ピーター
クラフトだったらいろんな種類があるから、「私はちょっとヴァイツェンの麦のビール」「私はちょっとフルーティなビール」「私はIPAです」みたいに、みんなビールで乾杯もできますね。

若い人たちがビールから離れている理由の1つに、飲み物のバラエティを楽しみたいから、いうことがあるんですね。でもクラフトビールなら、そういうバラエティを楽しむこともできる。

「飲んで飲んで飲んで…」みたいな文化もだんだんなくなって、この1杯の味を大事にしたいという文化に変わってきていると思うし。

だから、クラフトビールの値段が少し高くても飲むと思うんですけど、やっぱり今はまだ高いですよね。

松岡
やっぱりそうですよね。

ピーター
パイント(約500ml)サイズで考えると、日本だと800円から1,200円ぐらいになります。

松岡
だいたい1,000円を超えるイメージはありますよね。

ピーター
アメリカだと同じパイントサイズでも500~800円ぐらいです。だから、まだまだ価格を下がる余裕があると思います。

松岡
コメントで、「アメリカはクラフトビールのシェアが23%もあるんですね」ときていますね。

ピーター
売上から考えますとそのくらいありますね。

松岡
「有名どころのビールが苦手なので、いろんな種類が増えるとうれしいですね」といったコメントも来ています。

「なんで日本は高いんだろう?」とコメントが来ているんですが、これについてお話いただいてもよろしいですか?

ピーター
簡単にまとめますと、「大量生産できていない」「運送費が高い」「酒税があまりクラフトビールメーカーに優しくない」の3つが理由です。

大量生産については、タンクや設備をどう増やすかという話になりますが、運送費の話はもう少し複雑です。

実は、問屋さんはクラフトビールを預かってくれないんですね。なぜかというと賞味期限が短いし、ずっと冷蔵しないといけなくて管理が大変だからです。

1個ずつメーカーがビアバーとかに直接送らないといけないので、メルカリで買い物をするときみたいに、自分が箱に入れて送るような仕組みになってしまうんですよ。

樽1本送ってそれを回収するとすると、運送費が2,000~3,000円ぐらいかかります。

松岡
手間がかかることが多いので、やっぱり価格が高くなる。

ピーター
そうです。それでも市場が伸びていくのは、やっぱりニーズがあるし、楽しんでいる人たちが多いからですよね。自分はそれをサポートしたいですね。

松岡
それで、今はインフラのところから取り組まれていると。

ピーター
そうです。税金については、一緒に政府に話にいくとかはできると思いますけどね。

酒税の申請等の事務的な作業も、自分たちでツールをつくっているんですけど、インパクトがあるのはやっぱり運送に関するところ。

そうはいっても運送会社になりたい訳ではないので、今やっているのは、樽のシェアリングのサービスです。

松岡
樽のシェアリング、なるほど!

ピーター
樽のシェアリングで、必要なタイミングに必要な本数だけの樽を送ることができます。

今はメーカーが自分で樽を買っているんですが、樽は高価で、1万円ぐらいかかってしまいます。

松岡
高いですね!

ピーター
小さいメーカーでも、500本ぐらいの樽、つまり500万円ないとスタートができないんです。その500万円を樽に使ってしまうと、タンクを増やすといった設備投資とかができなくなってしまいます。

樽は直接成長につながらない、ものを運ぶものです。実際、お客さまが樽を見ることはほとんどないですよね?

松岡
たしかに見たことないですね。

ピーター
だいたい冷蔵庫の中にありますね。樽はあくまでBtoBのもの、ビールを運ぶものです。

ブランディングに関係ないなら、みんなで同じ樽を使えばいいんじゃないですかということですね。海外でよくあることなんですけど、日本にはそれがまだなくて。

そこで自分たちは必要なタイミング、必要な本数の樽を提供します。

「ビールの仕込みが終わりました」「樽を100本ください」「樽を100本送ります」「ビールを入れます」「自分のビアバーに送ります」という感じですね。そしてその樽は最後、私たちが回収します。

私たちが樽を回収するから運送費が半分になるし、その樽が戻ってこないというストレスもありません。樽の回転も、レストランの回転と同じように大事ですからね。

樽が戻ってこないとビールを入れることができないから売上もあがらないし、それはビアバーが運送費が高いから溜まってから返したいという背景があるからですね。

なかなか早く返してくれなくて、2カ月や3カ月かかってしまうことも多い。

松岡
そんなスパンになっちゃうんですね。

ピーター
「樽が、樽が! この夏、IPAがスーパー人気なのに! 樽がないから入れられない!」という本当に大変なことがありまして。

それで、必要なタイミングに必要な本数だけを提供しますよという樽のシェアリングをやり始めました。

松岡
すごいですね。「樽をここまで熱く語るとは!」というコメントもたくさん来ています。

今は物流やインフラから入っていますが、今後はビールの生産にも取り組まれるんでしょうか?

ピーター
自分たちもメーカーになりたいですね。

松岡
ピーターさんがつくりたい未来があると思うんですけど、どういう未来を実現していきたいですか?

ピーター
自分たちのミッションは、「ビールで人生にフレーバーを」です。

ライフスタイルブランドを本当につくりたくて、ビールを使って面白い人生をつくっていきたいんです。

100種類以上のビールがあるんだから、新しい国に行ったときみたいに、「あ、こんな生き方もあるんだ」という体験を感じてもらいたい。

オーストラリアに行った友達の話なんですが、図書館に入ったら、みんな床で寝転びながら本を読んでいたそうなんですね。日本だったらあり得ないじゃないですか。

松岡
あり得ないですね。図書館で横になって寝ている。

ピーター
寝転んで本を読んでいる。最高じゃないですか!「これもいいんだ」「こんな生き方もあるんだ」と考えられますよね。

皆さんも初めてクラフトビールを飲んだときのことをよく覚えていると思いますけど、「これもビールなんだ!」というような、飲んだ人の世界観が広がるような体験を提供していきたいですね。

松岡
メーカーになっていきたいというお話もありましたね。

ピーター
最終的にはそうですが、まずインフラがないと自分たちも伸びていかないので、インフラのところから挑戦していきたいと思います。

松岡
「どんなビールをつくりたいんですか?」というコメントが来ているので、どういうビールをつくりたいかを最後にお聞きしたいと思います。

ピーター
自分たちは流通とかもやっているので、どういうビールが流行っているかがわかる、マーケティングデータは取れます。

松岡
なるほど。データが取れるんですね!

ピーター
市場に人気が出そうなビールをまずつくっていこうと思っていますが、自分たちでつくるのは3、4年ぐらい先になると思います。

3~4年後には全然違う味も出てきていると思うし、データを見ながら自分たちも美味しくつくれるビールからスタートしようと思っています。

松岡
ピーターさんの構想は「人生にフレーバーを」ということで、かなり長いスパンのものになりそうですね。

ピーター
メーカーの戦略は長いので、20年先まで見ています。

松岡
20年戦略というところで、これからもピーターさんを応援していきたいと思います。

ぜひ、ピーターさんが新しくビールを発売した際には、皆さんにも飲んでいただきたいなと思います!

ピーター
「ビールで人生にフレーバーを」。また今度乾杯しましょう!

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