20181030_LIXYS吉田さん

「介護はバイアスの海」人生100年時代に仕事と介護を両立する選択肢を

本記事は、LYXIS吉田さん@pcrytaamiライブ配信の書き起こしです。

株式会社リクシス CTO 吉田 拓さん

amiファシリテーター森(以下、森)
前回amiライブ配信してみて、いかがでしたか?

LYXIS吉田さん(以下、吉田)
友人とか家族とかに共有してたんですけど、いい反応でした。

amiファシリテーター森(以下、森)
本当ですか?よかった。そういう反応、私もうれしいです。

吉田
エモい気分になっちゃった。


エモい気分、うれしいですね。

そうしましたら、吉田さん、今日初めて見られる方もいらっしゃるので、サービスと自己紹介を簡単にまずお願いします。

吉田
株式会社LYXISの吉田といいます。

基本的に開発をメインで担当してるんですけども、今、LCATっていう仕事と介護の両立を支援するシステムをつくりあげています。

社内では介護の問題がどういうふうになっているか、実際にその介護に対してどういう施策を打っていくと介護離職が防げるかが分かり、仕事と介護の両立を支援するようなプロダクトを今つくっています。


前回、吉田さんがこのLCATをリリースに至るまでのお話をお聞きしまして、物理大好き少年がプロダクト開発に興味を持ち、そこから1回IT企業に行ってプロダクト開発をずっと続けていた。

そのあとに大学院に行こうと思って、ニートをちょっと経由してからの大学院と。

そこでデータ分析っていうところをして、Labotechに興味をもった。実際に大学院でのプロダクト開発の失敗で「ユーザーに寄り添えきれてない」と失敗すると実感したいう原体験をお持ちになりました。

そんな感じで今の会社の酒井さんと出会って、全然介護興味なかったんですけど、ジョインを決めたっていうことでしたね。

吉田
最初は全然、自分事化してなかったですね。


初めてそこに飛び込んでみて、今のLCATのαα版をつくった。

そして、自分の家族に提供して、自分の家族の生活が変わったのを目の当たりにして、初めて介護に興味を持ったといういい話で終わりました。

吉田
そう。(笑)僕と家族のいい話で終わっちゃったんです。


スタートするところで終わったみたいな感じだったので、今日はまず、どう変わったのかっていうところからお話いただきたいと思います。

データ分析と介護っていう一見、相反する世界観がどういうふうに作用していくのかをお話いただけたらなと思うので、よろしくお願いします。

吉田
お願いします。

介護に対する「バイアス」を払拭する


じゃあ、ご自分のご家族の生活のお話からお願いします。

吉田
家族の話ですね。

うちのプロダクトを使うと、今後どういう準備したらいいかっていうことが家族に(ユーザーに)見えるようになるんですけど、それを見た家族が実際に行動を始めました。

介護は本人、つまり「高齢者本人が何をやりたいか」っていう部分がすごい重要なんですけど、見逃しやすい。

とにかく体のケアをしてればいいんでしょみたいな。

介護でいうと、「めし、くそ、ふろ」っていうんですけど、それを満たしていればいいんでしょって、けっこう前提としてでみんなが思っちゃうんです。

でもそうじゃなくて、本人の話をちゃんと聞くことが介護の質や生活全般に繋がってくる。最初の1歩目が、「本人のことを知る」っていうことだと思ってるんです。

プロダクトを体験していく中で、「そういうことが重要になるね」って母親からLINEがきて、自分の祖父母がどういうところに住んでいたのかを知りました。

実は都内から群馬の片田舎に引っ越してきたあとに、実はこういうことやりたかったんだけどやれてなかったみたいな話も聞きました。

それをもとに、「もうちょっと元気でいるためにこういうことをしたい」ということと、今の趣味をつなげてやってみようとか、そういう話がちょっとずつ進んでいった。

他にも、具体的に介護の準備として、介護のプロと早めにつながったほうがいいねって言って、地元の介護のプロと早めに準備を開始したりとか。


そうですよね。介護ってひと言で言っちゃうけど、みんながみんな寝た切りってわけじゃない。

吉田
そうですね。「いつから介護が始まったと思いますか」とか、「どんな状態であれば介護が必要な人だと想像しますか」みたいに何人かに聞いていくんですけど、みんな寝たきりの人とかを想像してしまう。

これもけっこうすでにバイアスがかかっている。

「もう何もできないでしょ?」みたいなことをイメージしちゃうんで、そこをベースで考えてしまうっていうところはありますね。


そうなんです。今、「バイアス」っていう言葉があったんですけど、介護は本当にバイアスが多いですね。

吉田
マジで、バイアスの海みたいな感じなんです。


具体的にどういうものを感じました?

吉田
いろんなバイアスあるなっていうふうには思うんですけど、「始まりがまず分からない」っていうところと、「質がある」っていうことを見逃しちゃうことですね。

本当は介護って生活全体について考えるものなのに、さっき言ったように「めし、くそ、ふろ」だけやればいいんでしょって、対処療法みたいになってしまうのはすごく多いですね。

これは構造的な問題だと思っていて、自分たちって家族のことはn=1(サンプルが1件だけ)しか知らない。

たとえば、僕が、「ご家族って今どんな感じなんですか」って言ったとする。


「え?」みたいになる。

吉田
「え?」みたいになるでしょ。

「親御さんの元彼は?」「知らない」みたいな感じになるじゃないですか。

そういう話って、サンプルとしては1件だけど、本当の自分の生活を鑑みるとそういうのってめっちゃ影響してるじゃないですか。

なのに、「高齢者」になった途端にそれが無視されてしまう。

構造的って言ったのは、核家族化がどんどん進んでいってるって背景で、ほかの家族の深いところを知る機会っていうのはどんどんなくなっている。

こういうバイアスによって、介護の問題って今までの想像とか、マスメディアにあるような情報とか、さきほどの部分的な介護のイメージとか、そういうところに結びついてしまっているっていうのがありますね。


うっちーさんからのコメントで、「介護、大変ってイメージってありますよね」

n=1の話しか知らないっていうのもそうなんですけど、何となくタブーとされている感じがありますよね

吉田
そうですね。言っちゃいけない感じ。


あと、大変なんだけど、どう大変かよく分かんなくて、漠然としてる。

吉田
漠然としてますね。

漠然と不安があって、自分が高齢者ではないから分からないみたいなところもあいまって、不安だけがどんどん大きくなってしまうことが発生してますね。

情報の提供とデータ分析による「より良い生活」へのアプローチ


たしかに。うんちゃんさんから今、「介護疲れって知識不足による自分のメンタル疲れからくるのもある」って、まさにそうでしょうね、分かんないから。

吉田
あります。介護の負担って、「身体的な負担」、「精神的な負担」、「経済的な負担」っていう、3つの負担をよく言うんです。

それに紐づく3つの要素としては、今、うんちゃんさんにあげてもらってるような「介護の知識」。

あとは親御さんをどう理解しているかっていう「情報の共有」。

そして「介護に使えるリソース」。ここはけっこう広い意味で人脈とか介護のプロとか、もちろんお金とかそういうのも関わるんですけど、この3つの要素が関わってきますね。


たしかに。それを解決しようとしてるのがLCATなんですかね。

吉田
LCATが、もちろん生活全部の介護と関わるので、どこからいくかってところはあるんですけど。

僕らはまず1歩目としては家族の今の介護をするであろうビジネスパーソン、40代くらいの、今後親御さんが後期高齢者になったりして、介護が始まる前にどんな準備ができるかの情報を提供する。

バイアスも含めて、こういうことしてったらいいよねっていう情報を提供できるようになるプロダクトをつくって、提供を始めてますね。


まずは情報の提供っていうところになるんですかね。

吉田
そうですね。まずはさっきのバイアスの部分に気づく。

しっかりみんな知識を持って使いこなせば、家族のほうで話してちゃんと解決できる問題なので、介護インフラとしてその問題の1歩目としての情報を提供する。


それがデータ分析にどうつながっていくんですか。

吉田
すごい大きな言い方をすると、生活全体のQOL(注:精神面含めた豊かさと自己実現を含めた概念のこと)は今は無視されている。

それって本人だけじゃなくて介護する家族を含めた世帯のQOLは、今、最低限満たせばいいよねっていう状態になってしまってるんですけど、そこにも質があるんだと。

「その質は何が関わっているんだ」っていうことをデータでも統計的にも示していくことで、介護っていう問題にエモさだけでぶつかっていくんじゃなくて、データと一緒にそこの問題を解決することを今後やってみたいです。


それをLCATのご利用者さんが何かしら入力して、いろいろな介護ケースみたいなのをとって、変数を特定していく。

吉田
その通りですね。


面白いですね。

吉田
面白いです。みんなが今あまり見えてない生活の質に関わる、パラメータというか変数をちゃんと見えるようにして、理由も分かった上で施策を提供して質を上げていく。


いいですね。リサさんが今、コメントで「介護の給料も上げてほしい」って。

吉田
まさにそうです。


そういう問題も結局対処療法だからそうなっちゃってるんですよね。

吉田
そうですね。介護の保険の中だけで閉じてしまうとやっぱり財源が限られているのでどんどん狭まっていくんです。

でも、生活全般の問題と捉えるようになれば、こういう変数もあるから、介護保険の中ではないけど、「こういうサービスをご本人は使ったらいいんじゃないか」みたいなことが見えてくる。

それをサービス化していくと介護業界の方が、施策を提供して対応する対価をしっかりもらえるっていう、混合介護が進んだ状態をつくり出せる。

本当にちゃんと質にこだわりたいなっていうところがあります。

たとえばですけど、うちのおばあちゃんは古本がめっちゃ好きで、それをすごい楽しみに読む生活がすごい質に関わってたんですけど、昔の本すぎて近くの本屋さんにはない。

僕らはAmazonで買ったりできるじゃないですか。そういう情報を家族がちゃんと共有できてれば買って提供するみたいな話とか、うちで実際あったんですね。

そうすると、おばあちゃんが「昔こういう話があってね」とか、「本当はこういうふうに生活したいんだけどね」みたいな話が家族で進むきっかけになったりしましたね。

リサさんのコメントにあった「介護休暇」とかの話とかも、今あんまり使われてない部分がありますね。

長く休めば休むほど介護離職が進むっていうデータも出ていて、休むことを増やすっていうのがソリューションではなくて、「そもそも休まなくていいように準備をする」っていう部分でLCATを利用してほしいなって思ってます。


うんちゃんさんから、「LCATでは被介護者が感じたこともデータ取得するんですか」っていうコメントが。

吉田
そうですね。今でいうと介護される側の人のことですよね。そちら側にも今、うちとしてはちゃんと足を伸ばそうとしています。

要介護になるであろう、介護を受ける人と、その家族と、あとは実際に介護をしてくれる介護のプロ、この3者の情報をちゃんと取りながら進んで、しっかりプラットフォームとして、面で提供していくことが必要だなって思ってますね。


そうすると、LCATで情報提供してバイアスを取り除きつつ、現実のサンプルというか、みなさんの状況を集めて、そこをサイエンスできちっと可視化していく。

吉田
ちょっとずつその流れを見ていくことで介護の質をちゃんと担保するというか、みんながいい生活をあきらめなくていいような選択肢があるはずなんで、それが見えるようにしたい。

何もしないとバイアスでどんどん見えなくなる構造が今あるので、そのバイアスをブレイクしたいなって思います。


してほしい!

吉田
しますよ!


私たちも将来的に介護が必要な立場になる。

吉田
そう。みんなそうなるし、単に人生の1フェーズなので、家族みんなが関わってくる。仕事をするとかそういうこととかと同じなものだと思っています。


15分たってしまいました。話したりない!

吉田
もうちょっと話したい!


足りない部分はアプリのカンパニーページで「こういうことをやっていこうとしている」などを投稿していただけたら、みなさんにも伝わるだろうし、私もそういったインタビューの機会とかも設けたいと思うので、ぜひぜひお願いします。

最後、LCATをみなさんに使っていただけるように熱いメッセージで最後締めていただければと思います。

吉田
ライブを見てる層だと「あんまり関係ないかな」って思うこともあると思うんですけど、家族の問題なので、これを機にぜひちょっとずつ気にしてもらえたらいいかなって僕は思ってます。

それに、人生100年の時代においては、僕らみんなの世代がこういったサービスをやることで、すごいバリューが出ると思うので、ぜひ一緒にやれる人がいたらやりたいと思ってます。


ぜひみなさん、LCATを使いましょう。

吉田
ぜひ。企業に導入するサービスなんで、インサイドにも引いてもらえると助かります。


ユーザベースもお願いします。

吉田
お願いします。


LYXISの吉田さんでした。ありがとうございました。

吉田
ありがとうございます。

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嬉しいグォー!これからも応援よろしくグォ!
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