20181114_Spiral石川さん

屋内ドローンは現場主義から生まれた。新技術を使うには「感」と「意識」の差がカギ

本記事は、Mark Flex Air 石川さん(@Reassy_TI ‏)のamiライブ配信の書き起こしです。

株式会社Spiral 代表取締役CEO 石川 知寛さん

amiファシリテーター町田(以下、町田)
本日の起業家は、屋内に特化したドローンソリューションを提供している石川さんです。

よろしくお願いします。

Spiral 石川さん(以下、石川)
よろしくお願いします。

町田
まず最初に、Mark Flex Airは「誰の」「どんな」課題を解決するソリューションなのか、お話いただいてもよろしいでしょうか?

石川
「誰の」「どんな」課題。出発から難しい!(笑)

まずは「誰の」からいきましょう。「屋内でドローンを使いたいんだけど、今ある技術は、自分たち現場の人には難しい」と思っている人たちですね。

その人たちはきっと「自分たちの倉庫で棚卸がしたい、点検がしたい、撮影がしたい」というニーズを持っている。

でも、それを自社でやろうとしたとき、今の技術もユーザーインタフェースも非常に複雑で、「技術は素晴らしいけど使えない」という課題があります。それを解決したいと考えています。

町田
ドローンに興味を持ったきっかけや、いつからドローンに興味を持たれたのかについて伺ってよろしいでしょうか?

石川
もともとはドローンではなく、宇宙空間を含めた飛行ロボットの開発をやりたいと思っていました。航空機メーカーに勤めていた父親の影響もあるので、生まれたときから興味があったかもしれません。

ドローンについては、大学を卒業する前に、飛行ロボット、今でいうドローンにフォーカスをあてたベンチャーをやっていたので、そのときから飛行ロボットとロボ全般に興味を持ち始めましたね。

町田
お父さんが航空機メーカーに勤めていたことで、幼少期に飛行物に関わる機会もあったんですか?

石川
ありましたね。飛行機のプラモデルをつくって、それをベランダから投げて、「あれ、飛ばねえな」と思っていました。プラモデルなら、当たり前ですけど。(笑)

父親が行っている会社の航空ショーに行って、大きな飛行機に乗せてもらって、「おお、すげえ」って思ったりというのはありました。

空への憧れはあったんだと思います。

※本文中の写真は、amiライブ画面のキャプチャーです

町田
ただ、「飛行機」ではなく、さらに上の「宇宙」にいったのはどういう理由だったんですか?

石川
よくある反抗期、高校生ぐらいのときですね。父親からわーわー言われてて、「何とか黙らせたいな」と考えたとき、父親は航空機に携わっているけど、「それって成層圏の下じゃん」と。

そこで成層圏の上に行くしかないなと思って、当時は宇宙を目指していました。今も目指してはいるんですけどね。

町田
今は屋内ですが、徐々に高度を上げていくと。

石川
はい、徐々に徐々に。

町田
最近ではドローンという言葉が日常的に使われる機会が増えてきたと思うんですけど、現場の人には使いにくいという話もありました。

次に、ドローンの課題はまだ多くあるのか、お聞きしたいです。

石川
屋外と屋内では決定的に違うので、われわれがやっている屋内の課題についてだけ話をします。GPSが使えないということが一番の大きな課題ですね。

GPSはすごく革新的な技術だと思っていますが、屋内ではそれが使えない。いろんな技術で補完し合っているんですけど、GPSに代わる「屋内版GPS」のような技術はできていないと世の中には思われているし、自分もその技術を考えている。

GPSに代替するものを皆さん一生懸命探している。探している人たちは研究者が多いんですが、研究者の方たちはストレートに言うと、「現場を知らない」わけですよ。

工場のおっちゃんが何を考えているかなんて知らないんですよね。工場のおっちゃんはほとんど競馬か麻雀かパチンコかぐらいのことしか考えていない。僕の経験上ね。だけど、研究者の人たちはそういうことを分かっていないので、

彼らは「自分たちがいいものをつくればいける」と思っている。

でも、本当はそうじゃない、というところに課題感があります。

ドローンを屋内で飛ばす理由

町田
屋外ではなく、敢えて屋内というところに切り込んだ理由は何ですか?

石川
大きく2つあります。

1つは、2016年に会社を始めようとしたときに全世界を探しましたが、屋内のドローンをやっているところがなかったんですよ。それで「これいけるんじゃないの?」って思いました。

もう1つは、10年前、実験で屋外のドローンを飛ばしていて、お客さんの目の前で、30mぐらいの高さからヒューって落下してしまったこと。

町田
自分でつくっていったドローンですか?

石川
はい。木っ端みじんになって原因もあまり分からず、「まあ、たぶん環境のせいやろうね」みたいな感じだったんです。

屋外って自分たちが予期せぬことが起こりやすいし、人間にはどうしようもない環境の影響がある。一方それが少ないのは屋内かなと思って、屋内に特化しました。

町田
屋外は、変数が多過ぎるということですか?

石川
技術的に難しいのは圧倒的に屋内なんですよ。でも、屋外の環境を人間はコントロールできない。たとえば、台風を止められますか。雨に「止まれ」って言っても止まらないじゃないですか。

それと同じで、上空1m~2mだったら風は読めるんですけど、50m、60mになったらどういう風が吹くか分からないですし、それに対する制御は大変じゃないですか。

それより、屋内で位置制御を頑張ったほうが可能性があると思っています。

町田
amiに様々な起業家の方に登場いただいていますが、ハードウェアをつくる事業は大変なことも多いと思っています。

ハードウェアをつくっていて、「IT系のサービスいいな」と思ったりはしないんですか?

ハードウェアの難しさ

石川
毎日思っています!

パラパラマンガみたいなイメージで、ボタンをぽちっと押したらドローンがぴゅーって浮き上がってきて3Dになって、もう1回ボタンぽちっと押したらぴゅーって飛んで欲しい。それぐらいのPDCAの早さが欲しい。

今の技術では、現実的ではないのは分かっているんだけど、そういう技術があれば、もうちょっと楽になって、スムーズにいくのにな、とよく思っています。

構想して図面に落として加工して、できたものが30m上から落下するということを何回も経験してくると、難しいなと思いますね。

町田
そういう難しさは理解されていない部分もあるんでしょうか?

石川
ハードウェアの難しさは、ある程度理解はされてはいると思うんですけど、僕自身がITがよく分かってないのと一緒で、その方たちもハードウェアをつくったことなかったら分からないと思うんですね。

配線にすごい時間がかかることや、はんだ付けだけでも大変だということも、やったことがない人には正直分からないと思います。

それでも、一般的に「ハードウェアは難しい」ということは浸透してきたと思いますけどね。

町田
コメントを拾っていきたいと思います。よしたかさんからの、「屋内のGPSが使えないというのは規制でということですか」という質問です。

石川
いえ、規制じゃないですね。機能的なものです。

町田
もなきさんから「屋内だと、ドローンを飛ばすとぶつかりそうで危ないという先入観があります」とコメントです。

石川
将来的には、ロボットと人が共存できる世界が来るんじゃないかと思っています。

ですが今はコメントの通り、まずは人がいないところ、たとえば「夜間で人が絶対入らない」「人感センサーがあって人がいない」という前提、ルールで飛ばす必要があると思っています。

町田
事実としてまだ危険な部分というのはあるんですね。

石川
ロボットと人の共存についていうと、産業用ロボットは今、流行り出したところですが、ドローンはまだまだと感じていますね。

町田
引き続き質問があったらぜひ伺いたいです。

石川さんは今海外に行かれているという情報がありますが、ハードウェアを売ることについて、日本と海外で大きな違いを感じることはありますか?

「危機感」と「危機意識」の大きな違い

石川
ハードウェアというより、「自動化」や「ドローンで人を代替する」ことを考えたときに、自動化という意味では、海外は「危機意識」を持っている。日本は「危機感」しかない。

この「感」と「意識」の違いってすごく大事だなと思っています。

たとえば何か問題が起こったとき、自分で問題を解決するものを買ってくるか、自分でつくろうと思うことが「意識」だと思うんですよ。

一方「感」は、「何か問題起こっているな、うーん、何とかなんねえかな」みたいな感じ。

日本の人たちは、「何とかなんねえかな」と感覚で考えている。

海外の人たちはどうするか。具体的な例でいうと、自分でドローンを買ってきて工場の中で飛ばしてみてぶつけまくって、うーん、難しいですねというような感じですね。

町田
そういった感覚と意識の差みたいなものは日本と海外で違いがけっこうあるんですか。

石川
そうですね。たとえば私が聞いたのは、「インドなんて課題がこれだけあるよ、これだけある課題の中からドローンでできることをあなたたちが選べばいいんだよ」という話。

日本は、「ドローンでできることは何かないかな」って課題を探すじゃないですか。逆なんだと言われて、なるほどねと思いました。

インドだけじゃなく、ほかの国も課題を多く持っていることが分かるので、その中から、「これはドローンでできそうだ」「これはロボットだな」「これはAIだな」というユーザーフォーカス的なアプローチがしやすいと思って、それを目的に海外行っています。

町田
ということは、たとえば海外だと「とりあえず使ってみようか」みたいな意識で使っていただけるんでしょうか?

石川
そうですね。どの課題に対して使ってもらえるかの認識を間違えなければ、使ってはくれると感じていますね。

町田
国内ではまた違ってくるんでしょうか?

石川
昔、自分がいた会社だと、「98.2%の不良率でも駄目だ、残りの1.8%を何とかしろ」「お前ら必死で頑張れ」みたいな指示がありました。

もちろんそれは大事なことなんですけど、「本当にそれが必要ですか」ということはもう1度考えるべきなのかなとは思います。

町田
うえのるいーずさんから、「海外の人、すごいドローンとか使っているイメージ」というコメントがきていますが、実際に使われているんですか。

石川
屋内に関してはそうでもないですね。

屋外はけっこうありますね。サーフィンをドローンで映したり、釣りでドローンを使ったりという動画がYouTubeで流れているように、いろいろなケースがあると思います。

町田
うちださんから、「下町ロケットのような世界観」とコメントが。

石川
まさに。(笑)

下町ロケットが放送されていたときに、ちょうど大阪で会社をやっていたので、すごく取材が来て、「うちは下町かもしれないけど別にロケットしてないし」ということがありました。けっこう前の話ですよ、懐かしいな。

町田
「危機感と危機意識の違い」というコメントをけっこうもらっています。

たとえば、就活のときも就職フェアみたいなのに行って満足する人と、就職をして何をしたいのか、という話ですよね。

石川
僕は理系だったので、研究やっていれば就職できるという常識が当時あったんです。

「とりあえず研究頑張れ、就活はするな」と言われていた。でも、文系の人たちは就活をしていますよね。

理系でもなかなか就職が決まらないのは、何がダメなのかずっと考えていると、「この人たちは”やっているふり”をしているだけなんだ」と気が付いた。そうじゃない人ももちろんいます。僕も周りがそうだったというだけの話。

町田
もなきさんから質問で、「屋内ドローンはどんな利用シーンが多いのでしょうか」。

石川
非常にいい質問なんですけど、難しい。

よく「物流倉庫の棚卸」が例として言われますが、それはありきたりなので説明はやめておきます。今やろうとしているのは、ショッピングモールの中の点検作業です。何かは言いません、敢えて。(笑)こうご期待!

あとは、東南アジアの工場の例でいうと、工場は広いのでいろんなところにセンサーをつけるんですけど、人間がセンサーの情報を拾いにいくというのは大変です。そこで、とりつけたセンサーを、ドローンが回ってセンサーを収集するという利用シーンがあります。

ほかにもトンネル点検は有名な話ですね。

町田
そういった活用の方法はたくさんある。その中でも「点検」は大きな活用方法になりますか。

石川
そうですね。ドローンができることは「飛んで、見る」ことだと思っているので、それが一番活かせる分野を考えると、点検・モニタリングになるのかなと思います。

将来的には搬送もできるようになると思いますが、まだまだなので。

町田
第2回では、プロダクトの使い方であるとか、どういう課題があるのか、ぜひお話していただきたいと思います。

コメントでも「ドローンはほかにもいろいろ使えそうだよ」ときてますね。

石川
教えて教えて!(笑)

町田
もなきさんから「東京駅でドローンでビール売ってほしい」。

石川
エンジニア側からはそういう意見って全く出てこないんですよ。

町田
そうなんですね。

石川
ぜひ教えてほしいですね。

町田
「こういう使い方があったらうれしい」とコメントをいただけるとうれしいです。

それでは、15分という短い間だったんですけども、ありがとうございました。

石川
ありがとうございました。

amiとは?

amiは起業家とサポーターがつながるライブアプリです。起業家の方が起業にいたる原体験や実現したい世界などについてライブ配信を行い、ライブ参加者との直接のやり取りを通して共感が生まれ、起業家と、その挑戦を応援するサポーターのつながりをつくります。amiでは、平日の12時から起業家の方が毎日ライブ配信しています。


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ami

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