初めての資金調達は小学3年生。課題解決のアンテナを立て続けて見えた事業の形

本記事は、ecbo工藤さん(@conansite)のamiライブ配信の書き起こしです。

ecbo株式会社 代表取締役社長 工藤 慎一さん

amiファシリテーター町田(以下、町田)
今日は工藤さんにお越しいただきました。

ecbo工藤さん(以下、工藤)
よろしくお願いします。

町田
では最初に、展開しているサービスが、どんな課題を解決するものか説明していただけますか?

工藤
ecbo株式会社の工藤です。今、ecboという会社は、コインロッカー代わりにスーツケースを、街中のカフェであったり郵便局に荷物の一時預かりができるシェアリングサービス「ecbo cloak(エクボクローク)」を開発、運営しております。

ちなみに私の名前は、「工藤慎一」なので、みんなに「コナン」と呼ばれています。(笑)

町田
みんなが「コナンさん」と言うので、最初「コナン」という名前なのかなと思っていたら、違うという(笑)。名前の部分でもキャッチーですね。

今日はサービスのお話と、もう1つ、なぜサービスを始められたのかというようなところも含めて、お話を伺いたいと思っています。

では、実際にどういう経験今までしてきたのかということをお聞きしたいと思います。ビジネスはもともと興味があった分野なんですか?

工藤
僕のバックグラウンドをざっくり話しますと、自分が生まれたのはマカオです。7歳まではマカオ、香港、広州に住んでいました。

商売一家じゃないですけど、両親とも経営者という家庭で育ったこともあって、「商売やビジネスをする」というのが、自分の中で当たり前の選択肢としてあったんですよね。

うちの家庭は「何か商売をしてお金をもうける、つくる」ということをよしとする家庭でもあったので、商売にある種喜びを感じたというのも、1つのきっかけとしてあります。

町田
ということは、自分で物をつくるとか、自分でビジネスとしてやってみることへの抵抗感は低かったんですか?

初めての資金調達は小学3年生

工藤
そうです。ビジネスは日本だと若干、いやらしいものみたいに思われる部分もあるんですけど、「ビジネスとは世の中に価値を提供するものだ」とずっと家族に教えられてきました。

ビジネスって何のためにあるかというと、「世の中の課題を解決するためにある」のではないかと、僕は感じています。

ある課題に対して、今までにない価値を提供して、それに共感してくれる人がお金払ってくれるというのは、すごくいい循環が起こっている社会だと思っているんですよね。

町田
今までビジネスに触れてきたと思うんですけど、最初のビジネスを自分が体験したのはいつで、どういうことをしたのか教えてください。

工藤
最初は小学校の3年生のときですね。(笑)

当時の僕はすごくカードゲームにはまっていたんですけど、日本で1枚10円のカードが、中国とか香港のカードショップでは1枚100円で売られていたんですよ。

そこに目を付けたけどちょっと資金がなかったので、「お父さん、こういう理由で1万円ほど資金調達をしたいです」といって、人生で初めて資金調達をしました。(笑)

町田
小学生が。(笑)

工藤
自分もカードゲームたくさんやっていたので、カード自体の価値も分かっていたんですよね。そうするとどのカードが売れるかというのが分かっていたので、うまく1万円でいろんなカードを買って、中国で売りさばいたら、そのときの売り上げは14万円で…。

町田
利益がでた。

工藤
そう。14万円分。お父さんに1万円を返して13万円の利益が出て、そのときにすごく家族であったり親戚に褒められましたね。

一番うれしかったのは、売った相手からの反応ですね。売った相手のカードショップの人が、「このカードは本当に香港だと絶対手に入らないし、君が動いてくれたから、このカードをわれわれは手に入れられたし、そのカードを欲している人たちもたくさんいるから、みんながうれしい」みたいに言ってくれたんですね。

そのときは僕は単純に、「お小遣いを手に入れられた」という感覚だったんですけど、それ以上に、お金をもらった上に感謝された。これはすごくいい経験だと思って、そこからもっともっとビジネスをやっていこうと思いましたね。

町田
まさに先程言った「価値提供をする」ところにつながった。

それが最初の原体験だったんですか?

工藤
そうですね。そのあと、価値提供するとき、顕在的ではなく、潜在的なニーズに対して今までなかったものをぶつけると、相手は数倍喜ぶということに気付いたんですよね。

同じ価値提供するのであれば、今までにないものをつくって提供した方がいいと考えて、必死に、どんなものやサービスがいいのか考えていました。

町田
ちなみにビジネスアイデアとかって、日常的に思い浮かんだりするものなんですか?

工藤
「思い浮かぶ」というよりは、アイデアは課題解決のために生まれると思います。

ある課題に対してアンテナ立てて、ずっと見るということですね。

たとえば僕らのサービスで考えると、「スーツケースをゴロゴロしている、コインロッカー難民が毎日たくさんいる」これが課題の1つ。

あとは知り合いに飲食店をやっている友達がいるんですが、「これだけ素晴らしいお店なのに、わざわざお金を払って集客している」、それがもう1つの課題。

これをいかに解決するか。

コインロッカー難民は、本当に簡単に荷物を預けることができる。一方集客したい側は、お金を払うのではなく、お金をもらって集客できる。

うまく、逆転の発想もテクニック的に交えながら考えて、いろんな課題を組み合わせていった結果、今のサービスができました。普段からそういった課題に対しては、すごくアンテナを立てています。

町田
日常的に。

工藤
日常的に。思い付いたらすぐメモして、これをどうやってビジネスにするか、ずっと考えている感じですね。

町田
小学校の最初のビジネスの頃から数えると、20年ぐらい経っていますね。

工藤
そうですね。メモとして使っているEvernoteを開いたんですけど、どれぐらいのビジネスモデルやアイデアが貯まったんだろうと思ったら、400近くになっていました。(笑)

町田
400のビジネスアイデアがあるらしいです(笑)。ちなみにその400のアイデアについて、実際に今までいろいろ挑戦してきたと思うんですけども、その中で印象的だった失敗とかってありますか?

工藤
あまり「失敗した」とは考えないですね。「失敗した」と自分で思ったとしても、それ以外に考えるべきことがあるでしょう?

起業家に限ったことじゃないとは思うんですけど、悩む時間はないと思っています。失敗に対して反省する時間は1時間ぐらいにして、じゃあ次に、サービスをどうやって世の中に浸透させるべきかを考える。そちらに時間を使っている感じです。

だからあまり「失敗」とは思っていないんですが、これまでの一番大きな反省は、最初始めたサービス、「ecbo storage」というデリバリー付きのトランクルームサービスを、理想から始めてしまったことです。

最初起業するとき、すごくテンションが上がってしまい、自分のリソースも把握できないのに、リソース以上のことを達成しようとしてしまった。

四次元ポケットみたいなサービスをつくろうとしたんですけど、あまりに理想から行き過ぎて、オペレーションコストもかかるし、人手もものすごく必要になってしまった。そこをちゃんと客観視できなかったというのは、そのときの反省でしたね。

町田
その反省で、ecbo cloakを始めるときに役に立った部分はあるんですか?

工藤
役に立ちましたね。

起業してから1年半、理想を追い求めてやっていたものの、その間に現金の残高がゲームのHPみたいにどんどん減っていく。それでもビジネスは全然立ち上がらなった。

それでも、その経験のおかげで「じゃあ、次のサービスはいかにシンプルに、いかに少ないリソースで立ち上げて浸透させられるか」と考えられるようになりました。そういう意味ですごく頭を鍛えられた経験でしたね。

町田
なるほど。

シンプルに3つのことに集中

工藤
最初リソースが少ないときや、本当に大きな技術を開発するときは、3つのことしか集中できないんですよ。

たとえば僕らだと、「荷物を預けたい人」と、「荷物を預かってもいい店舗」と、「2つをマッチングするアプリケーション」、この3つまでしか集中できないんですよね。

さらにこれに1つ何か、UberEATS(ウーバーイーツ)みたいに「食べたいお店」と、「運ぶ人」、「食べたい人」、「アプリケーション」みたいな4者間マッチングになると、一気にビジネスのハードルが上がるんですよ。

デリバリーする人やお店も集めないといけないし、食べたい人のマーケティングに加え、アプリケーションもつくらないといけない。ただでさえ人が少ないのに、それぞれの分野に4人も配置するのはきついことじゃないですか。

できるだけビジネスをシンプルにするというのは、心掛けた方がいいと思います。最初はやっぱりテンションが上がります。「よし、やっと起業した。これで社長だ」みたいな感じなんですけど、それはもう1日で1回リセットしましょう。(笑)

シンプルにやらないと、絶対にお金がかかります。

町田
最初から3つが限界というのが分かっていたんですか?それとも、さっきの、失敗があったから、3つが限度だと思ったのでしょうか。

工藤
そうですね。失敗があったからこそ、その「3つが限度」ということに気付けたというか、行動していく中で、最大3つのことしかできないと思いましたね。

町田
今もそこは気を付けて、「シンプルに」、「3つまで」と考えているのでしょうか。

工藤
そうですね。多分これからもそうだと思います。いい話はどんどん来るんですけど、今のリソースで、今のフェーズでやるべきなのか、すごく考えますね。意思決定も、今持っているボールも、基本的には3つしか持たない。そう考えています。

町田
すごいですね。失敗を失敗と思わないというお話があったんですけど、きちんと学ぶことも、高速でやっていくのですか?

起業は世の中の課題解決のため

工藤
そうですね。正直学ぶしかないと思っています。べつに今、成功しているわけではないし、何も達成はできていないです。

自分が何者なのか、そしてどんなフェーズにいるのかは勘違いしちゃいけない。

起業家は、「世の中の課題を、持続可能なサービスをつくることで解決していく人」と僕は定義しているんですけど、そもそもの目的は、「世の中の課題解決」なんですよね。企業としてはこの目的を持ち続けないといけないと、強く思っています。

これが「地位」とか「お金」になってしまうと、一気にサービスが崩れますし、価値提供するものが変わってしまいます。長期スパンで考えても、ユーザーがついてこないと個人的には思います。

町田
そうですよね。コメントでも、「渋谷郵便局で24時間使える」と来ていますね。

工藤
ご利用いただき、ありがとうございます。

町田
ハロウィンの利用数は多かったですか?

工藤
ハロウィン多かったですね。電話が鳴りやまない。(笑)

町田
実際にサービスは今どこまで展開されているんでしょうか?

工藤
そうですね。47都道府県もうすぐ全てカバーする感じです。サービスも今どんどん拡大をしていって、正直人が足りていない状態です。(笑)

サービスの成長スピードに人が追い付いていないという、一番いい状態です。

これから僕らとしては、国内だけではなくて、2025年までにグローバルな500都市で、この「ecbo cloak」というサービスを広げていって、本当にボタン1つでどこでも荷物預かりができるような、そういった世界を目指しています。

町田
残念ながら15分たってしまったんですけど、第2回の配信では、サービスの内容についてもお話ししていただきたいと思います。


嬉しいグォー!これからも応援よろしくグォ!
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ami

起業家と未来の仲間をつなげる「ami」の公式noteです。 https://ami.live

amiライブ note

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