20190402_金子さん1回目-01

人は感情だけでは動かない。食の本質を「観て」感じた健康×フードロスの勝算

本記事は、ツクモ金子さん(@Gorilla930120)のamiライブ配信の書き起こしです。

ライブアーカイブ

起業家紹介

株式会社ツクモ 代表取締役 金子 隆耶

仕事のパフォーマンスを上げるお菓子

amiファシリテーター 町田(以下、町田)
今日はsnaccuru(スナックル)というサービスをされている金子さんにお越しいただきました。よろしくお願いいたします。

簡単にサービスについてご説明頂いてもよろしいでしょうか?

ツクモ 金子さん(以下、金子)
よろしくお願いします。

snaccuruは、簡単に言うと置き菓子サービス「オフィスグリコ」さんのオーガニック&ヘルシー版です。

今までオフィスで食べていたお菓子を、白砂糖やグルテン、添加物などが入っていないオーガニックでヘルシーなお菓子に変えていただくことを目指しています。

生産性やパフォーマンスが発揮しやすい環境をつくることで、会社が目指している健康経営を食べ物を通して応援していきたいと思っています。

町田
具体的には、どのようなお菓子や食べ物が置いてあるんですか?

金子
男性だと大豆チップスが人気です。脂質に比べてたんぱく質が多く含まれているので、仕事帰りにジムでトレーニングをする人たちが、行く前にお菓子買ってトレーニング後に食べたりすることが多いです。

女性には、白砂糖を使わずに国産のてんさい糖を使っていたり、トランス脂肪酸がゼロのヘルシーなクッキーなどが人気です。

食べ物とは関係ないですが、置き菓子といってもおしゃれなオフィスの景観を崩さないような形で、おしゃれで優しいイメージを出すようにもしています。

既存のオフィスグリコを1.0としたら、弊社のsnaccuruはオフィスグリコ2.0のイメージです。

町田
今日は、サービスを始めたきっかけをお伺いしたいと思っています。

今までのインタビュー記事に、大学の頃から農業の経験をしていたというお話があったのですが、農業や食に関して大学に入る前から興味があったのですか?

物事の本質を「観る」

金子
大学に入るまでは正直、農業にまったく興味はありませんでした。

たまたま大学2年生の時、「1年間かけてお米づくりをし、生産、加工、販売の6次産業化までを考えましょう」という農業のインターンシップ情報を掲示板で見ました。

その当時、マネジメント創造学部という経済系の学部で勉強していたので、ちょっとやってみようかなという感覚で申し込んだのが農業との出会いです。

町田
やってみようと思った理由は何だったのですか?

金子
友達がいたからです。僕自身インターンを始める前も農業に対して「きつい・汚い・給料低い」という3Kのイメージを持っていたのですが、インターンで体験したら実際その通りで、朝早いし、体力的にしんどいし、全然稼げないんだろうなと感じました。

ただそんな中でも僕が農業に惹かれていったのは、農業をやっている人が素敵だと思ったからです。

岡本さんという方に農業を教えていただいたのですが、その人の物事に対する考え方に惹かれました。僕が教えてもらったものの中で一番好きな考え方に「観る」というものがあります。

町田
「見る」ですか?

金子
視覚的な「見る」ではなくて、観察の「観る」で物事を観なさいよと言われました。

「物事がなぜそうなっているのかしっかり観ろよ」という考え方で、歴史や文化を教えてくれる部分に憧れました。

農業やっている人は、産業構造のボトムにあるのでいろいろなしわ寄せがくるんですよね。その中で自分なりの意見をちゃんと持っている人がいるってすごいことだなと思いました。

SDGsにはじまり、環境問題は重要視されているなかで、その問題の根本部分にいる人が、物事の背景を考えたり物事をフラットに考えられることが必要になってくると思ったので、自分もその部分から変えていきたいと思ったのが農業に入っていったきっかけです。

町田
農業や食というコトがベースになり興味をもったというよりは、ヒトがきっかけだったんですね。

具体的に、岡本さんの「観る」という視点で印象に残っている行動や出来事ってありますか?

金子
今もそこまで変わっていないのですが、僕はやることが雑なところがあります。「こういうふうにやってみて?」と言われても適当にやってしまうんですよね。

そのとき岡本さんに「行動するとき1個1個をちゃんと観ているか」と言われました。稲を刈るのも草を抜くのも、草刈り機使うのも、どういう動きをしているかを考えろと言うんですよね。

たとえば、草刈り機は効率の差が生まれやすくて、2、3時間やっているとうまい人と下手な人で成果に大きな差が生まれます。一定でペースや大きさで草刈り機を振っていると、刈った草が一列にきれいに並びますが、下手な人がやるとガタガタになってしまって回収するのがとても面倒くさくなってしまいます。

そういった日常的なささいなことからも学べることは多いと気付かされました。

フードロスの問題はサプライチェーン

町田
農業に興味がでたあと、なにが理由でフードロスにつながったのですか?

金子
昨今のように、ものすごい数のメディアが乱立して正確な情報を入手するのが難しいと、意思決定をする際に実際に体験することが重要だと思っています。

なので、1人でも多くの人に自分が感じた問題点を踏まえた上で農業の課題に対して行動してもらうためには、実際に体験してもらうのが一番だと思い、学生が農業する環境を作ることにしました。

1年間ぐらいしか農業はやっていませんでしたが、実際に農業を体験できる農業の学生団体をつくるために、畑を探して7~8個の市役所に行っても見つからなかったといったトラブルはありましたが、最終的には歩いて探してようやく畑を見つけました。

その畑は全然使われていない耕作放棄地でしたが、草やゴミ、石を整理し、耕したら野菜を作れる環境になったので、喜び勇んで野菜を作ったんですよね。ただ作ったはいいものの売り先を全然考えていなかったので、つくった野菜を手押し車2杯分ぐらい廃棄することになってしまいました。

そのときに、教えてもらっていた農家さんに「これだけ大量に野菜捨てることになってしまいました」と言ったら、その人から「農業なんて大量につくって大量に捨てるような気持ちでやらないと、そもそも儲からないよ」と言われたのに衝撃を受けたのが、フードロスに興味をもったきっかけです。

もちろんその人は野菜をちゃんと全部売っているんですよね。じゃあ、なぜそういう発言をしたのか?が気になり調べました。

農業は農協に納品する量が決まっているので、納品量が超えてしまうと生産調整や出荷調整で捨てられたり、流通の中でも規格があるので鮮度や色が悪いと捨てられてしまうんですよね。

つまり、食べ物に問題があるのではなく、規格やルールといったサプライチェーン側の事情でロスが生じている場合が多いわけです。それなら、規格などを無視して直販すれば解決できるんじゃないかと考え、大学生のときは野菜の直販に取り組んでいました。

恵方巻問題が示唆すること

町田
snaccuruのモデルで今はやっているということは、直販を続けるには課題が多かったということですか?

金子
直販で救えるロスの量ってそんなに多くないんですね。もちろん、snaccuruもそんなに大量のものを救えるかと言うかとそうではありませんが、直販よりは回るビジネスモデルだと思っています。

よくフードロスに対してNPOでの活動がありますが、持続的な問題解決になっていないことが多々見られます。(後述しますが、活動を否定するわけではなくそれぞれの目的が違う場合もありますし、成功している活動も多くあります。)

やはり解決を目指すのであれば、継続的に続けられるように、お金も稼ぎつつ問題も解決できる形が必要だと考えています。

町田
以前のインタビューでも「フードロスを「もったいないからやめよう」という考え方だけで根本的から変えるのは難しい」とおっしゃっていましたが、具体的にどういう問題点がありますか?

金子
分かりやすい点だと、恵方巻の廃棄問題が当てはまると思います。

3~4年の間、ずっとTwitterやFacebookなどのSNSやメディアで「もったいない」と取り上げられて、一般の人にも認知は広まっています。でも解決しているかというと、廃棄量が少しは減ったらしいですが、根本的な問題解決にはなっていませんよね。

つまり、「もったいない」という感情では人は動かなんじゃないかということです。日本人のバックグラウンドや特性を考えると、インセンティブがないとお金を払いません。

それを象徴する行動として、寄付があります。アメリカ社会における寄付額は日本の約40倍多いです。

一方で、日本で伸びているふるさと納税も、もともとは財政的に厳しい地方や自分が生まれ育った土地を応援するのが目的でしたが、結局伸びているのは魅力的なリターンを設定している地方です。

そういった事実を踏まえて、日本における本質的な問題ってどこなの?ということを考えないとフードロスも解決できないと思います。

その解決策として、フードロスを他の社会問題と紐づけたサービスをつくることで、「サービスが伸びれば結果的にフードロスも解決します」というビジネスモデルをいくつもつくっていくことが大事なんじゃないかなと思っています。

だからこそ、僕らは今snaccuruというサービスをやっています。snaccuruは、健康経営と今後顕在化してくる人材不足の問題をフードロスと紐づけています。社員の健康と1人1人の生産性を上げるという問題を解決することで、結果的にフードロスも解決するモデルです。

またsnaccuruでは、健康にいいけど賞味期限が近いなどフードロスになってしまうお菓子を通常の2割~4割引きぐらいで売っています。

購入する側からすると、成城石井さんやナチュラルローソンさんよりも安く購入できるので嬉しいし、僕らとしても売り上げが立つし、メーカーさんとしても今まで廃棄していたのものが売れるので、全員にとっていい循環ができているなと思っています。

町田
確かに「もったいない」で解決していない問題は多いように感じます。

金子
別にそれを否定するつもりもなくて、「もったいない」という切り口で問題提起することで、問題として多くの人に認識もらうといった点では短期的には必要だと思います。ただ、継続するのかという点で考えると、別の方法も必要だと思います。

ビジネスモデルをいくつ作れるか

町田
質問で、「同じようなサービスのsnaq.me (スナックミー)との違いは?」という質問がきています。

金子
snaq.meさんとはそもそも取り扱っている商品が違います。あわよくば、snaq.meさんの商品をお取り扱いさせていただきたいと思っています。

また、僕らはフードロスの問題を本質的には解決したいという思想でサービスを作っている点も違っていると思います。

町田
「そもそも、なぜオーガニックのものをオフィスに届けようと思ったのか?」という質問もきています。

金子
オーガニックをやりたかったというよりは、健康にいいものを届けたいと考えた結果オーガニックになったという経緯です。

僕もずっとオフィスグリコを食べていましたが、シンプルに食べ過ぎちゃうと太っちゃうという問題がありました。だけどお菓子は食べたいと思ったので、それならヘルシーなものを売ろうと思ったのがきっかけです。

実際にお菓子を食べている人にヒアリングしても、食べ物に対して健康志向の考え方が高くなってきていることが分かりました。

なので、ちょっと味が濃いものを食べたい時にはオフィスグリコを利用していただいて、健康的なものを食べたいときはsnaccuruを食べてくださいという「併用」を提案させていただいています。

町田
3つ目に「フードロスに対して、snaccuru以外のアプローチは考えているんですか?」という質問がきています。

金子
僕たちの会社としては、いくつフードロスの問題を解決できるビジネスモデルを作れるのかということを目標としておいています。

もちろん、まずはsnaccuruをしっかり軌道に乗せた後は、他のサービスも作っていければいいなとは思っています。

なので、snaccuru以外のサービスをいくつもつくっていきたいと思っています。実際、別のサービスも少しずつ動いてきていて、4、5月ぐらいからは出せるようにはなるかなと思っています。

町田
次回はぜひ、実際に売っている商品を見てみたいです。

金子
もちろんです!商品が入っている木箱とお菓子を持ってきて、決済方法までお見せしたいと思います。

町田
楽しみです。

第1回の配信をしてみてどうでしたか?

金子
あっという間で、まだまだしゃべりたいことがいっぱいあるので、続きは次回話そうと思います。今日いただいたコメントを見た上で、サービスの解説もしたいです。

あとは単純に「僕たちのサービスをどう思っているのか?」という意見も知りたいと思っているので、いろいろな声を聞ければと思います。

町田
本日はありがとうございました。

金子
ありがとうございました。

文・写真:ami編集部

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ami

起業家と未来の仲間をつなげる「ami」の公式noteです。 https://ami.live

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