20181219ami_ツクルバ中村teritoru日置

暮らしは空気で選ぶ時代がくる。不動産にユーザーファーストの流れをつくる、「試住」サービスとは

本記事は、teritoru日置さんとツクルバ中村(@maa20XX)さんの対談ライブ配信の書き起こしです。

左:teritoru株式会社 代表取締役CEO 日置 愛さん
右:株式会社ツクルバ 代表取締役CCO 中村 真広さん

ツクルバ 中村さん(以下、中村)
どうも、初めまして。中村です。
よろしくお願いします。

weeeks 日置(以下、日置)
初めまして。日置です。
よろしくお願いします。

中村
先ほど少し聞いたのですが、今日はweeeksの話かと思っていたら、「実はそうじゃない!今、四股を踏んでいる事業があるんだ」ということなので、そのお話を皆さんに話してもらえればと思います。

日置
これまでweeeksに取り組んできた理由として、「人が自発的に動くような仕組みを住環境から作る」というものがありました。その取り組みの1つとして住環境を誰もが気軽に変えられるような仕組み”weeeks”を展開してきました。

しかし、半年以上事業をやってみて、それを実現するための手段としてweeeksは最適じゃないのではと考えるようになりました。

なぜかと言うと、weeeksは「1週間だけ全く知らない人とルームシェア体験ができるサービス」ですが、よくも悪くも人に依存するサービスなので急成長するのがとても難しいからです。

急成長が難しいのであれば、”より多くの人が気軽に住環境を変えられる仕組み”として違うではないかと思い、もう1度練り直してできた事業が今ここにあります。

中村
おお、なるほど! では、早速新サービスについてご説明頂きます。

日置
新しいサービスは「キーボ」というサービスになっています。

weeeksの利用ユーザーには主に3つの利用目的を持った方々がいました。

1つ目が、引っ越し前に気になる場所に1週間だけweeeksを使って住んでみたという人、2つ目が純粋に新しい出会いを楽しみという人、3つ目は1週間で開催されるweeeksの企画を通してスキルアップしたい人というものです。

その中でも、とくに女性のユーザーの方は「引っ越し前に気になる場所に住んでみたい」という理由でweeeksを使ってくださる方が多かったです。

それなら、そこに絞って展開していく方が「誰の何のためのサービス」か分かりやすくていいのではないかと考え、絞ることにしたのが経緯です。

中村
サービスのスタートは来年の2月なんですよね?

日置
開始は2月ですが、すでに扱える物件も多くあります。

中村
物件としては今どれぐらいあるんですか?

日置
不動産会社さんと業務提携するので、数百はあります。

不動産会社さんからすると、人口が減っている中で入居者を集めるの大変じゃないですか。

空室状態の物件はたくさんあると思うのですが、例えばそこに家具を入れてモデルルームに変えてもらって、キーボに掲載するだけで新しい広告のかたちとして集客ができるようになっています。

中村
なるほど! 
ということは、賃貸マーケットの活性化にもなっている感じですね?

日置
業者さんからするとそうですね。

私たち居住するユーザーからすると、自由に住環境を変えることができるサービスです。

中村
中古のリノベーションマンションの流通プラットフォーム「cowcamo」というサービスをうちもやっているので、試住のジャンルは僕もすごい興味あります。

「cowcamo」の基本的な利用目的は売買です。ただ、まさに同じニーズがあって、数千万かけて、東京のどこかの街のどこかの中古マンションを買うとなると、「その街での暮らしはどんなものか?」とか、すごい気になる方がいらっしゃるんですよね。

もともと、そのエリアで賃貸で住んでいた人が、その街が好きだからその街で家を買うということもあると思いますが、なかなかそうじゃない人も多いです。点々とエリアに移りながら、子育てとかの関係で候補を絞っていく人とか。その時全然知らない街に突然、数千万の買い物するのってけっこうドキドキするじゃないですか。

そんなとき、その街に試住できる場所が何個かあって、ちょっと家族で1週間ぐらいそこに滞在して、「なるほどこういう街なんだ」って分かった上で買うとかってとてもいいと思います。お互いに一緒に何かできそうだなと思いました。

日置
本当におっしゃる通りで、私たち、これから暮らしって「空気」で選ぶようになると思っていて…、なんか緊張しますね。

中村
(笑)日置さん、もう出演3回目じゃないですか!

日置
いや、前回から、セットがすごい豪華になってて。(笑)

意外と恥ずかしいです。

中村
(笑)

日置
改めて続けると、これから暮らしは空気で選ぶようになると思っています。すべての消費活動って、基本的に時間をBETしているわけじゃないですか。

働くことはみなさん時間かけて悩んでいるのに、住環境ってこれまで薄い情報でしか選んでなかったのではないかと。

「駅近だとかいくらだ」とか、そういう限られた定量的に測れる情報でしか選べていないのは違うんじゃないかというのを、weeeksをやっている中で感じて。

中村
僕らも同じように「街を選んで住まいを選ぶ」ということを言っています。家の内装は変えられますが、街は変えられないんですよね。

なので街の空気感で住まいを選んでほしいなと思って、「cowcamo」もやっています。

ただ、街の空気感ってなかなか分からないじゃないですか。

日置
分からないですね。

中村
本当に街に詳しい東京マニアみたいな人だったら、「あなたが住みたい街はきっと三茶のどこどこだね」みたいな話とか言えるかもしれないけど、そうじゃないですよね。

日置
そうなんですよ。

weeeks生活をやっていると、「家を持たない人」みたいに思われることが多かったのですが、同じような方と知り合ったときに、「賃料が無駄だから家を持たずに点々とノマドしている」という方が多くて。

ただ、私自身は「賃料が無駄だ」という言葉に何か違和感がありました。

何でだろうと考えたときに、その人たちも「賃料は無駄」と言うのに、カフェのお金とかはたくさん払ったりしていることに気付いて。

人は生きていくうえで、必ずお金を払わなきゃいけないわけですよ。

それにも関わらずなぜみんなは「賃料が無駄だ」と言うのか考えたら、”賃料を払うことによって得られる対価”が明確に提示されていないことが原因ではないかと。

たとえば、カフェに行けば、美味しいコーヒーがもらえる。その対価が明確に分かっているから、払う価値があるって思う。

一方で賃料は、大家さんが見えるわけでもないですし、仕事が忙しい人だと数時間寝るための場所なので、対価が分かりにくいと感じて無駄だと思うわけで。

中村
分かります。たぶん、それってこれまでドライな不動産の仕組みしかなかったからだなと僕は思っていて。もう少し体温を感じる別の仕組みがあると思うんですよ。

たとえば、住んでいる人たちの間でコミュニティがあって、暮らしていてすごく楽しいとき。そのコミュニティに属するためのコミュニティチケット代だと思ったら、月々10万払ってもそんなに高くないって思うかもしれない。

日置
そうなんですよ。それをうまく実現しているのが、「WeWork」だと思います。

「WeWork」さんって、普通のコワーキングスペースと比べて6倍の賃料でやっているじゃないですか。

数字と箱だけ見たら、「えっ!?」てなると思うんですけど、お金を払うことで「コミュニティへのチケット代を買っている」と思えば感じ方が大きく変わってくると思います。

利便性以外の理由で人が住居を選ぶようになったら、面白いんじゃないかなって思います。

中村
そう思います。そのためには、賃貸のオーナーさん、不動産業としてやっている人、もしくは大家業としてやっている人のマインドが変わる必要があるのかなと思っていて。

僕自身も建築とか不動産出身なんですよ。なので、そっち側の業界として新しいマインドセットが必要だなとなおさら思っています。

ただ、全然希望がないわけではなくて、そういう変化の芽も徐々に出始めています。

オーナーさんでも、超エッジの効いた大家さんってなると、パーマカルチャーのガーデンを庭につくってみんなで手入れしながら楽しく住みましょうとか、コミュニティ型のアパートの経営しましょうとかしている方も出てきてはいます。

他にも、DIY可能な賃貸物件を何個もつくって、そこで住民の人たちと物件のバリューアップみたいなものをやっていこうみたいなことをやっている人がいたり。

少しづつですが、変化の芽はあります。

日置
そもそも商売の方法って時代によって変わっていくじゃないですか。

にも関わらず、「ワンルームをただつくって売る」みたいな今の不動産の賃貸のかたちって戦後からあまり変わっていないと私は思っていて。でも、その限界が近年すごい現れてきているんじゃないかと思っています。

昨年だと、AirbnbやSpacemarketなどが出てきたので、住宅という箱の使い方に対するオーナーさんのマインドもけっこう変わってきたと思っていて。

なので、来年は不動産業界の賃貸や売買がもっと変わって面白くなるんじゃないでしょうか。

中村
そう思いますね。たぶん、これまでは不動産業界とか建設業界が主導してアパートをどんどんつくってきた時代だと思うのですが、人口が減って住む人がそもそも少なくなってきているじゃないですか。

そうなってくると、これまで全然困っていなかった大家さんも「あれ?入居者がいない?」となり、新しいアクションをせざるを得えません。

今の時代ってユーザーのほうが感覚が進化していて、さっき言ったように、「コミュニティに払っているんだったら納得するけど、賃料としては納得しきれない」みたいなことが起こってくるなと。

その結果、多分新しいムーブメントがユーザー側のニーズから生まれて、それをオーナーとか不動産業界が取り組んでいくという、いままでの潮流と逆になっていく感覚はありますね。

日置
わかります。ユーザーファーストの流れは、不動産業界以外でも起きていると思います。

すべてのビジネスは求める消費者がいた上で成り立つ話です。なので、そこをおざなりにしてしまっている業界は今後変わらざるを得なくなると思っています。

その代表的な業界が不動産業界ではないでしょうか。

中村
まさにそう思います! たぶん、今まで上流から下流と流れていたものが逆転して、ユーザーが価値を定義して、ユーザーがムーブメントを起こす。そこに対して業界が後から、「じゃあ、うちらもここを変えなきゃね」ってなっていくと考えています。

もちろん、住環境だけではないと思いますが、そういったブランドやサービスのつくり方がこれから主軸になっていくと思っているので、ぜひ「こういうの住まいとして新しいんじゃないの?」というムーブメントを「キーボ」からスタートして作ってもらえればと思います。

他にも、試住して、その上で数千万の住環境を手に入れるとか、そういう組み方も将来的にはできたらなと思っているので、「キーボ」とcowcamoのコラボレーションもしたいですね。

日置
まさに暮らしの疑似体験ですよね。

中村
そうですね。トライアルをした上で、本当に住みたい場所に出会ってもらえればいいなと、今日話しながら思いました。

日置
「不動産はこれから空気で選んでいく」という私の感覚に同意してくださって、とてもサービスをやる自信にもなりましたし、頑張っていこうと思います!

中村
僕もまさに同じ感覚です。

今日お話していて、自分の内側からでてくる生活者の目線でサービスをつくられているなと思いました。だからこそいろいろな人が共感し、ムーブメントになっていくんだと思うんですけど、そういう部分が僕の事業のつくり方とシンクロしたのでシンパシーを感じましたね。


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