20190204ami_おかん沢木さん

企業が従業員にできるお節介とは。健康に働く人を増やす、「株式会社おかん」の目指す社会

本記事は、おかん沢木さん(@keita1014)のamiライブ配信の書き起こしです。

株式会社おかん 代表取締役 CEO 沢木 恵太さん

amiファシリテーター 松岡(以下、松岡)
本日はオフィスおかんで有名なおかんの沢木恵太さんに来ていおただきました。よろしくお願いします。

おかん 沢木さん(以下、沢木)
よろしくお願いします。

松岡
早速コメントにも「おかんの名前の由来が気になる」と来ておりますが、企業名・サービス名ともにユニークですよね。

沢木
そうですね。

松岡
サービスの概要をざっくりお話していただいてもよろしいですか?

沢木
私たちは今、「オフィスおかん」というサービスを法人向けにご提供しております。

会社に勤めている皆さんが、健康的、かつ、安全な食事をいつでも摂っていただけるような環境をつくるために、設置型でお惣菜をご提供するサービスです。

現在、累計で1,500社導入をいただいておりますが、企業側は、従業員のエンゲージメントを高めたいとか、パフォーマンスを上げたいといった期待をお持ちです。

具体的に言えば、コミュニケーションを活性化させたいとか、健康経営を推進したいとか、育児との両立を支援したいとか、そんな意図を持ってご導入をいただいています。

松岡
パッと聞くとお惣菜屋さんのスタートアップという印象を持つんですが、「働くヒトのライフスタイルを豊かにする」がおかんさんのビジョンですよね。なぜ最初に「食」というところに着目されたんでしょうか?

沢木
人が仕事を辞めるとき、「健康」「育児」「介護」と仕事を両立できないから辞める、というケースが意外とあるんです。

松岡
ありますよね。

沢木
やりがいはあっても、仕事との両立が難しさが理由で辞めざるを得ないということが増えているんじゃないかなと思います。

高齢化も進んでいますし、共働きの方も増えていますし、生活習慣病の方も増えているという背景もありますが、そもそも私自身がその原体験を持っているんですね。

新卒で入った会社では月400時間とか働いていました。仕事に対するやりがいも感じていましたし、すごく好きだったのですが、健康状態が悪くなって「このままは続けられないかもしれない」という危機感を持ったんですね。

私の場合は、食生活の悪化が健康状態の悪化の原因だったので、食にフォーカスした事業をしていますが、根底にあるのは「働き続けられなくなってしまう人」をなくしたいという思いです。

今、日本は人口が減っていて働ける人も減っていますので、この問題を解決しないと企業側も辛いですよね。最近、倒産理由で人材不足というのが増えてきていますしね。

松岡
たしかに今は人手が足りていないですよね。

沢木
そうなんですよ。東京商工リサーチ様の統計でもそういったデータが出ています。

そうした課題の解決は、国あるいは企業としても取り組まなきゃいけないところなので、1つのソリューションとして、オフィスおかんを運営させていただいています。

食事は皆さんにとってイメージしやすいですし、実利も分かりやすいだろうということでオフィスおかんから始めていますね。

松岡
オフィスおかんは、多くの企業さんに導入されているので、ご覧の方々の会社にも実は入っているかもしれません。

沢木
周りでも増えてきましたね。

松岡
オフィスおかんは、フード業界にサブスクリプションモデルを導入した企業というところでも非常に注目を浴びていらっしゃいます。

企業側が初期費用を払って自販機のように導入して終わりというサービスが今まで多かったんですが、オフィスおかんさんは全然違いますよね。

沢木
そうですね。事業を実現していく上ではビジネスモデルがすごく重要だなと思っています。

一般的な食品小売業だと、在庫を抱えなきゃいけないとか、毎月の売上の変動が激しいとか、薄利になりやすいといった課題が出やすいんですね。

そこで僕たちは、企業さまを会員として、毎月のサブスクリプション課金をさせていただいています。

ミニマムが月額5万円台からなのですが、それによってお客様の数が先に見えますし、つくるべき商品の数も先に読むことができます。

毎月固定の課金がありますので、売上のボラティリティがない分、商品開発だったりマーケティングに投資することができます。

そういったビジネスモデルをつくっているので、われわれは食の会社ですがSaaSのビジネスと同じようなKPIを追ってるんですよ。

MRR(月間経常収益)を常に見ていますし、ARR(年間経常収益)やチャーンレート(解約率)も見ていますし、CAC(1顧客あたりの平均獲得コスト)とLTV(顧客生涯価値)のバランスもそうですね。

松岡
まさにSaaSですね。

沢木
まるでフードっぽくないような会話を社内ではしています。

それによって、われわれの事業はすごくやりやすくなりましたし、その分お客さまに提供できる価値に集中できると思っていますね。

松岡
たとえば、サバの味噌煮には脂質やカロリーがどのくらい含まれているのかといった情報が全て提供されていますよね。今、食べているものでどれだけ栄養が取れているのかもみんなが意識することができるようなサービスですね。

配送や製造はどうなっているんですか?

沢木
全国7カ所に総菜商品を製造していただくパートナー企業さんがいらっしゃいます。われわれの社内にも管理栄養士がおりますが、共同で商品開発をして製造いただいています。

物流、配送も外部のパートナーさんと組んで、そのシステムの構築やディレクションはわれわれが担っているので、ファブレス・水平分業というモデルになります。

工場で製造し、一緒に企画してダイレクトにお客様に届け、そして、カスタマイズすることに取り組んでいますね。

松岡
マーケティングの要素が多く含まれたDtoCのプラットフォームとして、おかんというものがあり、視点によって二面性があるというところが、おかんさんの面白いところかなと思います。

今、たくさんコメントが来ておりまして、「オフィスおかん食べながらこれを見ています」「スパニッシュオムレツは、もはやおやつとして食べています」というコメントもきてますね。

沢木
ありがとうございます!めちゃくちゃうれしいです!

松岡
ここまでは食についてお話をさせていただいたんですが、つい先日、新しい領域へのチャレンジを始められたということで、そこについてもお話いただけますか?

沢木
先月末に、「ハイジ」という新しいサービスのβ版を出させていただきました。

サービス紹介の前に説明しておきたいのですが、ある学者さんは、人が仕事を辞める、働き続けられない理由は大きく2つに分類できる、と提唱しているんですね。

1つは、俗にいう理念共感とか仕事のやりがいと呼ばれるもの、「モチベーター」です。

そしてもう1つが「ハイジーンファクター」と呼ばれるものです。

健康との両立ができなかったとか、育児との両立ができなかったとか、同僚との関係性が悪くなってしまった、といったことで辞める場合を指します。

厚労省の統計を見てみると、意外とこの「ハイジーンファクター」側の離職理由というのが多いんですよね。

松岡
言われてみればそうなんだろうなという感じですけど、意識はしていなかったですね。

沢木
われわれのようなスタートアップの場合だと、「モチベーター」側が強かったりするんですが、全国を見てみると「ハイジーンファクター」側の方が課題になりやすいです。

何がそれを起こしているのか、そして課題の解決にどれぐらいの投資をすれば費用対効果が見込めるのか、そういったジャッジはすごく難しいんですよね。

それでもここに取り組んでいかないと、企業側も倒産してしまうという話も現実問題としてあります。

かなりそのニーズが高まっているなというところで、「オフィスおかん」というソリューションだけではなく、その上流工程を調査分析するというところも実現したくて、「ハイジ」というサーベイサービスを今回つくりました。

松岡
おかんさんのホームページに行っていただくと分かるんですが、ワーク・フード・バランス協会にも沢木さんは取り組まれていらっしゃいます。

今までフードのところがメインだったところに対して、モチベーションを調査するというのはまた違うアプローチですね。

沢木
われわれは完全にハイジーンファクターと呼ばれるところにフォーカスをして、離職の推測をするとか、その課題を潰していくことに集中していきたいですね。

逆に、動機付けとかモチベーションといった分野で他のサービスと競合したいわけではなく、おそらくセットでやっていただく必要があるんじゃないかと思っています。

業界や規模によってはどちらのファクターを解決することが重要性が高いのかというのは変わってきますので、重要性によってサービスを選んでいただけるといいんじゃないかなと思っていますね。

松岡
実際にサービスリリースされてみて、どういう業界からの反応が多いでしょうか?

沢木
やはり反響を意外といただけていて、IT系ベンチャー様からは新しいものにチャレンジされたいという感じで反応をいただいています。

それ以外にもサービス業、店舗を持たれている企業様とか、あとは製造業、工場を持っている企業様とか、そういった企業様からの引き合いがけっこう多いですね。

松岡
それは、もともとオフィスおかんさんが入っている企業様が多かったりするんですか?

沢木
そうですね。オフィスおかんもIT系企業様の導入が一番多いのですが、2番目に多いのが医療福祉系、第3位がサービス業系で、最近だと運輸系も増えています。

そういった業界に共通しているのが、離職率が高かったり、有効求人倍率が高いといった課題を持っていることです。ハイジに関してもそういった課題感を持っている企業様からの反応が多いなと思いますね。

松岡
やはり衣食住に関連することなので、たくさんコメントが来ています。

「健康との両立、たしかに転職を考えている方からもたくさん出てくる話ですね」「漫画家さんの職場で、アシスタントさんになるのでメシスタントさんと呼ぶ話を聞きました。働くのにご飯大事」といったものがきています。

糖質問題や脂質問題が騒がれる中で、自分が食べているものがどうなるのかはすごく重要かなと思います。

そこで1つ質問が来ているんですが、「課金モデルを変えても、実際はユーザーがメリットを感じないと導入にはつながらないので、その辺りの壁をどうしたのかをお聞きしたいです」

サービスを導入いただくときの最初の壁についてご質問だと思うのですが、ここはいかがでしたか?

沢木
すごく難しくて、企業側が月額料金を払う大義名分というのを感じていただく必要があります。そこでは、社会的背景をしっかりとお伝えしていますね。

われわれの場合はかなり初期の頃からPRを重視をしていましたので、その中でなぜオフィスおかんが今、求められているのか、あるいは、それをやることによってどういうメリットがあるのかというのをずっと伝え続けているというところが大きいです。

サービスをスタートした5年前と比べると、やっぱり今のほうが皆さんの意識は高まっていて、お引き合いも増えています。

なので、皆さんの中でもやはり課題感とかニーズ、あるいは、気運が高まっているんだなというのをすごく感じますね。

松岡
おかんという名称は「オフィスおかん」に引っ張られがちになってしまうんですが、実は「おかん」とは、ご飯をつくってくれる人というだけの意味合いではないんですよね。

沢木
そうですね。企業側が従業員に対するお節介をやく、というイメージですね。そしてそこにどれだけわれわれがご支援できるか。

あるいは、その支援のためにわれわれがお節介をどれだけできるかというところから「おかん」というネーミングが来ていますので、そういった意味では、新しいハイジ含め、しっかりと会社の意味には通じているんじゃないかなと思っていますね。

松岡
おかんさんの事業展開を見ていくと、人によって見方が大きく変わってくる企業さんになってくるかなと思います。

おかんの沢木さんに事業のお話をお聞きしました。ありがとうございました!


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