20190328_ツクモ金子さん2回目-01

「気づかれないことが美しい」無意識でフードロスを解決するビジネスモデルの秘密

本記事は、ツクモ金子さん(@Gorilla930120)のamiライブ配信の書き起こしです。

起業家紹介

株式会社ツクモ 代表取締役 金子 隆耶

「優しい」お菓子の可能性

amiファシリテーター 町田(以下、町田)
今日は、ツクモの金子さんにお越しいただきました。よろしくお願いします。

前回の配信では、フードロスは「もったいない」という気持ちで解決を目指すのではなく、違う社会問題と紐づけた方が解決しやすいというお話をしていただきました。

そこで今回は、もう少しプロダクトにフォーカスをしていきたいと思います。

ツクモ 金子さん(以下、金子)
よろしくお願いします。ちょっと大きいですが、これがスナックルになります。

導入していただくと、僕が電車に乗って一式を届けさせて頂きます。

町田
金子さん自身が運ばれるんですね。(笑)

金子
そうですね。(笑)

スナックルはこのようにお菓子が並んだ状態で提供しています。

お菓子もいろいろな種類を並べており、チップス系やドライフルーツ、チョコレート、女性の方に人気があるクッキーもあったりします。

町田
この並べられているものは普通のお菓子が置いてあるのですか?

金子
お菓子を食べることに罪悪感がある方、糖質を気にしている人やグルテンにアレルギーを持っている方でも、食べられるようなお菓子で「HEALTHY WORK, SMILE SNACKING」のコンセプト通り、健康を気にしている人でも罪悪感なく食べることができるお菓子を、事前に僕らが食べて「美味しいな」と感じたものを置いています。

町田
レジがないですが、どうやって買えばいいのですか?

金子
今はどの商品もLINE Payで決済できるようになっています。商品の説明と値段、決済用のQRコードが載った商品ブックがあるので、それをカメラで読み込んで決済することで購入できます。

町田
オフィスコンビニと同じように、現金を使わずに買えるということですね。

金子
キャッシュレスで買えます。

今は決済方法はLINE Payだけがですが、5月からは楽天ペイ、メルペイ、PayPay、Apple Pay、Google Pay、各種クレジットカードなど、基本的にほとんどの人がキャッシュレスでお菓子を買えるようになる予定です。

フードロスとの付き合い方

町田
ここまでサービスの説明をしていただいて、スナックルは「オフィスで健康に良いお菓子を気軽に買えるサービス」というところまでは分かりました。

ただこれだけでは、金子さんのミッションである「フードロスの解決」との繋がりが全く見えてこないです。

金子
そうですよね。言葉だけではも分かりにくいと思うので、今回は図を使って説明しようと思います。

町田
まず、4つの登場人物がいるんですね。これだけだと関係性が分からないのですが、どういう流れになるのですか?

金子
この食品販売会社さんは、オーガニックやヘルシーなお菓子を扱っているメーカーさんになります。ここに僕らが直接営業にいき、商品を卸していただきます。

そこで購入したお菓子を弊社でさっきお見せしたように置き菓子サービスとしてパッケージした後、それを導入企業さんにお届けし、社員の方が購入する。これが大まかな流れとなっています。

町田
導入企業さんと社員の方々は、どのようないいことがあるのですか?

金子
導入企業さんは、「プレゼンティズムコストの削減」を目的に導入していただいております。

プレゼンティズムコストとは、会社に出勤したけど、花粉症や肩こり、ストレスから体調が悪くなり、その結果業務能率が下がったときに、会社の業績が受ける影響を数値化したものです。これを「スナックルを導入すれば下げられます」という提案をしています。

プレゼンティズムコストの対として「アブセンティズムコスト」がありますが、アブセンティズムコストは、社員が会社を休むことで業績が受ける影響を数値化したものです。そのアブセンティズムコストよりもプレゼンティズムコストが4倍高いというデータが出ています。

つまり、出勤している人の業務効率を改善する意味はとても大きくなってきています。

町田
たしか、Googleも社員の血糖値をKPIに置いて、パフォーマンス向上に取り組んでいますよね。

金子
そうなんですね。DeNAさんにも、チーフヘルシーオフィサー(CHO)という部署が設けられていまます。

また、健康志向という点でいうと、もっと幅広い方に注目されているのかなと思います。

というのも、スナックルではドライフルーツを300円で売っていて、僕からしたら「他のお菓子と比べたら高いし、売れるのかな」と思っていたのですが、みなさん意外と買うんですよね。

それだけ身体にいいもの摂りたいという健康志向の人が増えてきているのかなと思います。

なのでスナックルは、そのニーズを置き菓子で満たそうとしています。

無意識にフードロスを解決する秘密

町田
導入企業さんと社員の方のメリットは理解できました。ここからどのようにフードロスへつながるのでしょうか?

金子
僕らは本来ならフードロスになるものを仕入れています。たとえば、パッケージの印字ミスや売れ残りでさばけなくなったものです。

普通はそういったやむを得ない理由で発生してしまうロスの部分は、掛け率5%ぐらいで売っていました。しかし、だいたい食べ物の原価は30、40%と言われているので、掛け率5%で売ると原価すら回収できていないんですよね。

ただそれでも倉庫代を考えると、ずっと持っておくよりすぐに出してしまって倉庫代を解消してしまったほうがいいと企業としては考えています。

ただ、僕らが扱っているオーガニックやヘルシー系の商品はお菓子の中でも、どちらかというとブランド価値が高いものです。それを掛け率5%で売ってしまうと、他のジャンキーなものと同じイメージがついてしまう危険性があり価値の希薄化につながります。なのでオーガニック・ヘルシー系のメーカーさんは、ロスとして出たものは廃棄したり、ファミリーセールで使うパターンが多かったです。

それらをsnaccuruでは、適正価格に近い金額で買い取っている形になります。

町田
つまり、食品会社さんが本来は原価回収すらできなかった商品を、ツクモさんのほうで買い取って売るというモデルなのですね。

金子
そうです。

町田
そういった背景から、サービス利用者はスナックルのお菓子を通常より安く買えるのですね。

金子
そうですね。僕たちが扱っている商品は成城石井さんやナチュラルローソンさんでだいたい単価が300円~500円くらいで販売されているお菓子になっています。

それらを僕らのサービスを通して買っていただくと、だいたい20~40%引きくらい買うことができます。実際、600円のドライフルーツを330円くらいで買えたりします。

町田
本来廃棄されるお菓子をスナックルが買って、代わりに売ることでフードロスの解決を目指すモデルなんですね。

「HEALTHY WORK, SMILE SNACKING.」がもつ意味

町田
おそらく末端でスナックルを通してお菓子を買っている社員の方は、フードロスの解決に貢献している認識はないと思うのですが、それは狙い通りなんですか?

金子
狙い通りですね。

導入していただいている企業の社員の方にヒアリングをすると、「福利厚生だから安いと思っていました」という声が多いです。だからこそ、お菓子を売る企業もブランドが傷つく可能性が低いので、通常より安い価格でも僕たちに卸してくれます。

つまり、通常の価格より安く売られていても「福利厚生で会社が導入してくれているから安いんだ」と購買者には感じてもらえますし、メーカーさんにとっても新しい層に商品の認知を広げられます

実際に、「スナックルで買った後、成城石井さんやナチュラルローソンさんで買うようになった」という声も聞くので、新しいマーケティング方法としても使えると思っています。

なので、僕らとしてもサービスを出すときにあまりフードロスと言わないようにしています。「フードロス、フードロス」と言い過ぎると、結局は「フードロスだから買ってください」に聞こえてしまうんですよね。

町田
バイアスが最初からかかってしまうということですね。

金子
「フードロスを解決するために導入してください!CSRにも使えます!」というのはナンセンスだと思っています。シンプルにサービス自体がよければ、フードロスであろうがそうじゃなかろうが、導入してくれるはずですよね。

だからこそ、僕らは「HEALTHY WORK, SMILE SNACKING.」をコンセプトに、「健康になるためにサービスを使っていたら、結果的にフードロスも解決していた」という流れになるのが美しいと思っています

なので、そういったかたちになるようにサービスもつくり込んでいます。

町田
まさに前回言っていた、「無意識のうちにフードロスの解決に貢献している」という部分ですね。

参入障壁は想いと手間

町田
スナックルで売られている商品の多くは、ナチュラルローソンさんなどで売られていますが、その人たちが参入してくることはないのでしょうか?

金子
このモデルは、すぐには儲かりずらいサービスなんですよね。(笑)
大手がやるとしても自分達でやるというよりは、既にやっている会社の買収を考えると思います。

「販路をつくって、ロジをつくり、売り先と契約して、サービスのブランディングも固める」といった手間を大手が自ら人を割いてやるより、それがすでにできる会社を買った方がたぶん安いんですよね。

町田
そうなんですね。

金子
そういった状況の中でもやりきるには、フードロスに対して思い入れがないと厳しいと思います。想いがない人が参入して、しんどい中でも営業かけたり、しゃべれるかと言ったら、僕はできないんじゃないかと思います。

むしろ、「やれるんだったらやってみてください」くらいに思っています。(笑)

そういった背景を踏まえると、たぶん大手さんはやらないんじゃないでしょうか。

フードロスはブランドになり得ない

町田
さきほど、印字ミスといった製造工程での問題でフードロスが出ているという話でしたが、その部分を減らせないのですか?

金子
もちろんできると思います。

フードロスが発生する理由の多くは、サプライチェーンの側の問題だと僕は思っています。今後サプライチェーン側がデータを集めていけば、圧倒的に改善されると思います。

それこそ最近、AIを使って発注を効率化するサービスが出た話を聞きました。

町田
ここまでの説明で、スナックルの秘密がみなさんに正しく伝わっていると嬉しいですね。

重要なのは「敢えて分かりにくい形にしている」ということですよね。

金子
そうですね。

オフィス用の食系サービスが最近増えているので、一番最初に出したリリースに関しては、きちんとユーザーに認知してもらう意味でも文言にフードロスを入れました。

ただそれはあくまでサービスをどう成長させるのかを考えた上での戦略の一環です。これからも、そういった世界観やブランドはつくり込まないとだめだと思っています。

町田
これから認知を増やすためには、プロダクトの質にもフォーカスするかと思いますが、具体的な質を高める戦略はありますか?

金子
商品群が今93品目ほどあるので、それを増やして各企業さんが欲しいお菓子にカスタマイズして提供していくことを考えています。

サービスの答えを探した先に見えてきた可能性

あとは、健康経営の担当者が何をしたらいいのか分かっていないことが、ヒアリングする中で分かってきました。「健康経営、働き方改革って言われるけど、結局、何したらいいの?」という方が本当に多いです。

スナックルが問い合わせをうける理由も「とりあえず「お菓子 ヘルシー」で調べたら、このサービスが出たのでお問い合わせた」というものが大変多いです。

なので、スナックルを導入してもらえばハードの部分だけでなく、それ以外のソフトの部分も担当者向けのセミナーといった形で対応していきたいと思っています。

それこそ、健康経営をするために役立つ他のサービスを紹介するセミナーは導入企業さん向けにやってはいきたいです。

僕らのサービス入れていろいろな情報が入ってくることで、ソフト面でもハード面でも企業として健全になり「HEALTHY WORK, SMILE SNACKING.」が実現できる状態をつくるのが、今後は大事だと思っています。

町田
最後にこれを聞きたかったのですが、導入した人にとって「導入した後に実際にプレゼンティズムコストって改善しているの?」という部分は気になると思うのですが、その点についてはどう考えていますか?

金子
スマホ決済を導入しているので、だいたいどういう人が買っているかは現金決済に比べて分かります。

なので今後は「買った人が実際どれくらい健康になったか、モチベーションが上がったか」を、モチベーション測定系のサービスと連携するか、オフィスおかんさんの「ハイジ」のように自分達でつくることで定量的に示せるようにしたいです。

導入していただいた企業さんの健康指数やプレゼンティズムコストが、どれだけ下がっているかをレポートとして出せる状態をつくっていきたいです。

町田
2回目の配信でしたがいかがでしたか?

金子
お菓子って食べてみないと良さとか分からないと思います。

なので、導入を検討されている企業さんには、サンプルを持って行くので食べいただきたいです。

オーガニックとかヘルシーとか言うと、「それ美味しいの?」と言われることがありますが、僕が食べて「美味しい」と思ったものを選んでいるので、僕の味覚がおかしくなければ美味しいものを提供できていると思います。

町田
僕も食べましたがめちゃくちゃ美味しいので、興味がある方がいらっしゃいましたらスナックルさんのLPから問い合わせいただければと思います。

金子
問い合わせいただければ、僕がさっきの木の箱を持って訪問させていただきます!

町田
また新しいリリースがありましたら、ぜひ配信していただきたいです。

今日はありがとうございました。

金子
ありがとうございました。


文・写真:ami編集部

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ami

起業家と未来の仲間をつなげる「ami」の公式noteです。 https://ami.live

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