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「ダンスの挫折から気付けた」失敗から学んだコミュニティの熱の作り方

本記事は、asobica 今田さん(@kouya5724)のamiライブ配信の書き起こしです。

ライブアーカイブ

株式会社Asobica 代表取締役 今田 孝哉

amiファシリテーター 松岡(以下、松岡)
本日は、feverの今田孝哉さんに来ていただきました。よろしくお願いします。

最初に、feverというサービスがどのようなものかをお話いただけますか?

asobica 今田さん(以下、今田)
よろしくお願いします。

事業としてはコミュニティの支援をやってまして、熱量のある小さなコミュニティが継続的に活動できるような仕組みをプラットフォームとして提供しています。

支援の対象は2つあって、1つは個人が作るコミュティ。オンラインサロンや趣味のコミュニティが継続的に活動していける様な仕組みを作っています。

もう1つは、企業が「ユーザーと一緒にサービスを作っていくためのコミュニティをつくりたい」ときに、簡単に構築・運営できるようなサービスを提供しています。

対象は2つありますが、一貫して熱量のあるコミュニティが継続的に活動できるように支援するサービスを提供しています。

Appleコミュニティから学べること

松岡
toB向けサービスのイメージは、Appleの知恵袋のような感じですよね。

今田
まさに、そのようなイメージです。

あの仕組みは秀逸で、サービスの形式は知恵袋ですが、活動すればするほど認定アンバサダーといったように回答者のステータスが上がるんですよね。その結果、回答者がとれる行動が増えたり、特典に変えることができるポイントがもらえたりといった、インセンティブがうまく設計されています。

しかし、参加者が活発に行動できるインセンティブ設計を企業が1から考えるのは、手間がかかるしハードルも高いので、それを簡単にするために利用して頂くことを考えています。

松岡
継続して自社サービスを使ってもらったり、新しいサービスを導入してもらうために重要な要素だと以前から言われていますが、いざ自社内で1から作るのはかなり労力が必要ですよね。

今田
そうですね。最近サブスクリプションモデル(サブスク)が市場に広がってきたことで、顧客のエンゲージメント(企業とユーザーの「つながりの強さ」を表す)の向上が重要になってきています。

要は、サブスクモデルでは、コスト回収がだいたい12カ月~長くて24カ月程かかったりするので、たとえば、2年間は顧客の満足度を維持するのが大事になってくるんです。

満足度維持のための施策が重要になってくる中で、その一つの解決策としてコミュニティづくり、いわゆる企業の顧客ファンづくりを支援しています。

松岡
toCのサービスはどのような特徴を持っているのですか?

今田
いわゆるコミュニティというと、アーティストがやっているようなファンクラブを想像される方もいらっしゃると思うのですが、それはオーナーが一方的にコンテンツを提供して、ユーザーがそれを見て楽しむみたいなかたちが一般的ですよね。

弊社はどちらかと言うと、1対N型のファンクラブではなくて、ユーザー同士でつながりながらみんなでコミュニティを作っていくようなN対N型のコミュニティを支援しています。

なので、双方向性というところが1つポイントになっています。

松岡
そのコミュニティを活性化させていくポイントが、コインという機能ですか?

今田
コインはあくまで1つの機能ですが、コインも双方向性を作る部分につながっています。

具体的にコインの使い方はいくつかあるのですが、特徴としてはメッセージと同時にコインをユーザー同士で送り合える点です。

たとえば、イベント運営手伝ってくれてありがとうといった感謝の気持ちをコインと共に送ることができるので、これまで可視化されていなかったコミュニティ内の感謝が可視化され、メンバー同士の助け合いが活性化していきます。

松岡
インセンティブ設計自体は様々な方法があると思うのですが、なぜコインに着目をされたのですか?

今田
僕らは熱量をコミュニティの外部にできる限り漏らさずに中で溜めたいと思っています。

熱量も循環するかたちにしたいと考えたときに、通貨の影響は大きいと思っています。楽天さんも、楽天ポイントを発行して、そのポイントを様々なサービスで使えるようにすることで、楽天ユーザーを中に留められているんじゃないでしょうか。

そういうイメージで、ポイントや通貨のようなものをコミュニティ内で発行することで熱量を内部で保ち続ける仕組みができるんじゃないか、というのが最初の発想ですね。

松岡
クローズドな環境をいかにつくり出すかに着目されたということですね。

きっかけはカスタマーサクセス

松岡
そもそも、なぜ今田さんはコミュニティサービスの事業を始めようと思ったのですか?

今田
きっかけは前職でカスタマーサクセス領域でサービスを立ち上げたタイミングなのですが、その際に、サブスクの市場が伸びてくる中で、ユーザーの満足度維持をするためには1対Nのカスタマーサクセスがめちゃめちゃ重要になると思っていました。

ただ、事業を続ける中で思ったのが、ユーザーが増えれば増えるほど、1人当たりにかけられるコストが減るので満足度を維持し続けるのは難しく、この1対Nのカスタマーサクセスにはどこか限界があるんじゃないかと。

そんな中で、N対Nといったユーザー同士が、コミュニケーション取り合ったり、助け合うといった形のコミュニティをベースに顧客の満足度を高めていく形が重要になってくるんだろうなというのを感じて、注目し始めたのがきっかけです。とにかくサブスク市場が大きくなるのは間違いないので、相対的にコミュニティの重要性も高まると。

そこでまずは自分でコミュニティを1回立ち上げてみようということで、オンラインコミュニティを立ち上げてみると、意外と運営が難しいことが分かりました。

その時はFacebookグループを使ってコミュニティを運営していましたが、なかなかやりたいことができないし、双方向性のコミュニケーションも取りづらいので、最適化されたツールがないかと調べたところ、国内では意外となかったので、それなら自分がつくろうということで始めたのがきっかけです。

時間が余ると人は繋がりを求める

松岡
コミュニティというと、たとえば学校のクラスの1グループだったりとか、地域だったら、地域の自治班みたいなものを想像しやすいなと思うんですけども。

こういうコミュニティ自体は昔からあって、半強制的に顔を合わせる機会があったことによって持続してきたと思うんですね。

そんな中で今、コミュニティというワード自体がバズワードになっていると思いますが、なぜこんなに、コミュニティというワードがバズってきたと思っていらっしゃいますか?

今田
その理由はいくつかあると思うんですが、一番はあらゆるものがコモディティ化してきているという点です。

インターネットの浸透によって、誰から買っても、何を買っても、コンテンツの質がほぼ変わらなくなってきています。

たとえば、動画を作るとなった場合、今までだと、一部の技術を持った人しか動画を編集・制作できませんでしたが、今は簡単に動画を編集できるソフトが無限にあるじゃないですか。

そうすると、ある程度の動画であれば誰でも簡単に作れるようになる。つまり、サービスにおけるクオリティの差がどんどんなくなりますよね。

では、クオリティの差がない中で、どういう判断軸で人はモノやサービスを購入する意思決定をするか考えたときに、「この人から買いたい」という共感や「身近な人から買いたい」という信用が軸になって取引が行われると思っています。「質」の差ではなく「人」の差で消費の意思決定が決まるということです。

つまり、小さなコミュニティの中で信頼されたメンバー同士の価値交換やコミュニケーションがより一層中心になってくるだろうなと思ったんですね。

松岡
コミュニティに割く時間は今後増えてくるということですか?

今田
どんどん増えてくると思っています。

AIがどんどん発展していくと、働く時間が減っていくので、例えば働く時間が今の2分の1になったときに、その余った半分の時間の使い方として、コンテンツは既に世の中にありふれていて飽きているので、結局は人とのつながりに使うんじゃないかと思っています。

つまり、人とのつながりを求めてコミュニティに参加する人がより一層増えていくと思います。

松岡
仕事が効率化されて生産性が上がってくるとフリーな時間ができてくると、コミュニティの存在意義が重要になってくると。

そうすると、料理教室、運動、ジムといった人と繋がることのできるコミュニティに参加できない人たちも、おそらく一定数いるかと思います。

そういうコミュニティに参加できない方は孤独を抱えてしまう問題に対して、feverを使って解決していきたいということですか?

今田
そうですね。これから孤独を感じる人は増えてくると思うんですけど、最初それをどうやって解決したらいいか考えたときに、まず自分でコミュニティをつくろうと思いました。

とはいっても、1つだけコミュニティをつくっても一定数の人しか救えないので、無数にコミュニティをつくったほうが孤独問題を解決するには早いんじゃないかというふうに思ったんですね。

だったら、その無数のコミュニティをつくれるように、コミュニティ自体を支えるインフラをつくってしまえばいいんじゃないかと思ったのがfeverを作ったきっかけです。

松岡
自分の好きものといった誰しも1つはある興味関心についての、コミュニティが存在すれば、そこに入りエンゲージメントを高めることによって、日々の生活が豊かになるということですね。

ダンス部で感じた「孤独」と「無力」が原体験

松岡
1つ疑問なのが、なぜ今田さん自身が「コミュニティに所属することが孤独の解決法である」という思考に至る原体験の部分です。小さいときからリーダー的な存在だったんですか?

今田
小学校のときとかは率先してリーダーをやるタイプではなかった気はしますが、自然と目の前にリーダーをやるチャンスがあれば、やることは多かったかなと思います。

なので、大学までのトータルの経験回数を考えるとリーダーをやる機会自体は多かったので、それは原体験として大きいかもしれないですね。

松岡
リーダーをされたり、コミュニティを自分でつくられていた中で、「これは大変だったな」とか、「この出来事は今の自分に影響を与えているな」といった印象的な出来事はありますか? 

今田
大学時代にダンス部を0から70人規模にした経験が、自分の原体験としてかなり大きいです。

僕が大学に入った一番の目的は、ダンスをやるためでした。(笑)

高校のときからダンスをやっていましたが、田舎だったのでスクールが1校もなければ、やっている人もほとんどいなかったので、3年間くらいほぼ1人でやっていました。

人がやっていないことをやるのが好きだったので、「ライバルもいなくてやりやすいじゃん」と思ってダンスを始めましたが、本当に誰もやっていなくて。

だんだん一人でやってることが寂しくなり、みんなでダンスをやることに憧れて大学に入りました。(笑)

そして入学して最初に僕が入ったダンス部は、ホームページには数十人〜数百人程度いるように見えるんですが、実際は先輩が2人しかいませんでした。

しかもその先輩が4年生だったので、僕が半年ぐらい継続して活動すると、もう卒業しちゃったので、気付いたらまた僕1人しかいなくなってしまって。

松岡
高校生の時、田舎で1人で頑張っていたときと変わらないという現象が起きたんですね。

今田
そうですね。1人なので自動的にリーダーをやらなきゃいけなくなり、「それならこのチャンスを生かして、デカいダンス部をつくってみよう」ということで半年ぐらい1人でやりましたが、それでも誰も入らなくて。

誰もやってくれないという状態が続いたことで、自分の中で孤独や無力さに気付きました。

「1人でやっているので、入ってください」と言っても誰も入らないので、そこからやり方を180度変えて、1日無料で教えるのでやりません?というレッスン方式に変えました。

松岡
インセンティブ設計をしたんですね!

今田
はい。そのレッスン方式に変えたところ2人入ってくれて、結果的には70人までいったんですね。

もともと僕は負けず嫌いで、1番になるのが好きで、そのためだけに生きてきたみたいな部分がありました。

ただ、ダンス部をつくる過程では自分が1番になることを全く忘れていて、入ってくれたメンバーに「ダンス部入ってよかった」と思ってもらいたいとか、そういう部分にものすごく熱中していて。

そういう自分を客観的に見たときに、「1番になることよりも、組織をつくっていってメンバーを増やし、大きくしていく過程のほうが自分は最も夢中になれる」と思えたので、今feverというサービスを運営するための組織を作っていたり、コミュニティを作っていたりします。

松岡
こんなに人集めに困っているスタートアップや企業がある中で、1人から70人に組織を拡大するというのは、いかにサークルとはいえ貴重な経験だと思います。

今田
しかも、田舎の学校だったので人もそこまでいなかったんですよ。

結果的にその地域では一番大きいダンスサークルになっていました。(笑)

松岡
メンバー集めもそうですが、参加メンバーにダンスの楽しさを教えることができた点も今の今田さんに影響を与えている要因の1つとしてはあるんですか?

今田
かなり大きいですね。

コミュニティも結局内側の熱量が高いとそれが外に伝播して「楽しそう、ちょっと入ってみたい」となるんですよね。

ダンス部の時も内側の熱量だけを意識していたら、結果的に沢山の人が集まっていた形です。

松岡
大学のサークルの頃から、コミュニティの参加者のエンゲージメントを高めるということをずっとやられていらっしゃったわけですね。

今田
当時はそんな意識はなかったですが、気付いたら昔からそういうことをやっていて、今に活きてるなと思ってます。

松岡
面白いと思います。

次回はその熱量をfeverというサービスがどうやって維持しているのかに迫っていきたいなと思います。

ありがとうございました。

今田
ありがとうございました。

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