20181010_Holmes笹原さん

面倒な契約書業務は解決。弁護士だからこそ、当事者目線のHolmesが出来た

本記事は、Holmes笹原さん(@kenta_holmes)のamiライブ配信の書き起こしです。

株式会社Holmes 代表取締役 笹原健太さん

amiファシリテーター佐久間(以下、佐久間)
今回はリグシー、契約書管理サービスのHolmes(ホームズ)を提供している笹原さんにきていただきました。

SaaS(注:Software as a Serviceの略。クラウドで提供されるソフトウェアのこと)のリアルがイベントのテーマなんですが、起業のリアルについても語っていただきたいと思っています。よろしくお願いします。

Holmesっていうサービスをご存じない方もいらっしゃると思うので、まず簡単に説明してもらっていいですか。

笹原さん(以下、笹原)
はい。クラウド契約書サービスのHolmesというサービスを展開しています。

Holmesというのは、契約書のデジタルワークスペースというふうに呼んでいます。つまり作業場ですね。クラウド上で契約書の作業場をつくる、そういうサービスになっています。

具体的には電子契約もできるんですけれども、電子契約だけではなくて、契約書業務の1から10まですべて行うこともできます。

既存の紙の契約書のオペレーションとも接続することができるので、契約書業務をさらに効率化して、しかもオペレーションを変えることなく実現できるサービスになっています。

佐久間
シンプルな質問なんですけど、契約書にハンコとかサインをしなくて大丈夫なんですか。

笹原
大丈夫ですね。「意思の合致」さえ証明できればOKなので。

佐久間
専門用語が出ましたね。

笹原
はい。(笑)

(写真左がリグシー笹原CEO、右がami代表佐久間)

佐久間
今、電子契約サービスって世界的にも広まっていますが、電子契約に留まらず、契約書全体のフローをSaaSサービスとしてバックアップしていくというサービスを立ち上げられていますよね。

起業してどのぐらい経ちますか。

笹原
そうですね。会社設立が去年(2017年)の3月末なので、今1年半ぐらいになりますかね。

佐久間
一番つらかったことって何ですか。

笹原
一番つらかったのは、そうですね。

壁はもちろんあって、毎日毎日壁にぶつかってはいるものの、つらいって思ったことはあんまりないですね。

佐久間
最高ですね。起業はつらくないと。(笑)

笹原
はい。(笑)

佐久間
順番が前後したんですけど、笹原さんはもともと弁護士でしたよね。解決したい問題を見つけて起業するまでの話を簡単にお伺いしたいです。

笹原
もともと弁護士をしていまして、多くの紛争や裁判というものに関わってきたんですけれども、紛争や裁判って勝ったとしても、クライアントの方が真に幸せそうじゃないなということをずっと弁護士時代に感じていました。

じゃあ、紛争や裁判ってないほうがいいんじゃないかと思いながら弁護士をやってたんですね。

取引関係の裁判とか紛争ってほとんどが契約書が原因になっていると思っていたので、もっと契約書を適正化すれば紛争・裁判がなくなっていくんじゃないかと思っていました。

ただ、弁護士として、個人ないしは個人の集まりとして、契約書業務を適正化しましょうとか、紛争・裁判を防ぎましょうっていっても多くの人に影響力を与えることはできないと思いました。

そこでテクノロジーやサービスで契約書業務を適正化して、紛争・裁判をなくしていきたいと思い起業しました。

プロダクト開発は外注に?

佐久間
笹原さんはnoteで起業の前後の話を書かれているんですけど、その中で私がすごい気になったのが、Holmesっていうプロダクトをつくるときに最初、外注でスタートしたと。

起業したい方でも、エンジニアの仲間がつくれなくて今できない、みたいなケースってすごい多いと思うんですけど、そういう状態にもかかわらず外注でスタートして今すごい成長されている。

その辺りのリアルをぜひお聞きしたいです。

笹原
確かに最初にエンジニアを探す、仲間になってもらうっていうのが、ある種一番つらいのかもしれないですね。

私が、Holmesをやりたいなと思ったときがだいたい32~33歳ぐらいで、やはり学生起業みたいなものと違って、「みんなで一緒にやろうぜ」っていう感じでは全然なくて。

僕自身も弁護士法人を持っていて、エンジニアっていっても知り合いそんなにいないですし。

知り合いでいたとしても、一緒にやっていくところまではいかない中で、もう本当に1年ぐらいエンジニア探しです。

そんなに真剣に探してたわけじゃないんですけれども(笑)。

意外と本業のほうというか、今ある仕事のほうに引きずられちゃうのが人間なので、1年間ぐらいはずっと探せなかったですね。

そういうときに縁あって、外注できる方と出会って、毎月いくら払うというようなかたちでHolmesを開発してもらいましたね。

佐久間
外部の人の協力を仰いでプロダクトをつくるって、すごくコミュニケーションが大変だと思うんですね。プロダクトってアートじゃないですか。

ロジックだけの部分って少ないので、直接毎日顔会わせてコミュニケーションするっていうのがすごい大切だと思うんですけど、大丈夫でした?

笹原
そうですね。そこの部分はなかなか大変な部分はあったと思うんですけれども、しっかり月に1~2回位は顔を合わせて、電話も毎日していました。月額での外注なので、そこはフルに活用してお願いしてました。かなり迷惑だったと思います。(笑)

佐久間
一番の誤算って何ですか。最初、想定してなかったけどこういうことが起きたことなど。

笹原
まだ電子契約っていうものがほとんどなかったときにプロダクトを開発し始めて、僕は電子契約よりも契約書の作成のほうが人って面倒くさいんじゃないのかなってずっと思っていました。

なので当初は作成から締結まで一貫できるっていうサービスだったんですね。

これはいける!と思ってずっと開発してて、いざローンチのときに全然いけなかった。(笑)全然売れないんですよね。(笑)

佐久間
自分の想いが込められたサービスをつくれば、明確に社会の負を解決するんだから、ローンチさえすれば広がるんじゃないかと思っていた。

笹原
おっしゃる通りです。

佐久間
そんなわけないですよね。(笑)

笹原
当時は980円だったんですよ。980円でセルフサーブ型(注:GmailやSlackのように、セールスの人を介するのではなく、ウェブ上で自動的に売れていく仕組み)の課金だったんですね。

もう、ローンチした瞬間に課金であふれるんじゃないかなって思ってたんです。(笑)

今思うと逆にありがたい話ですけど、1週間位で1、2件の申し込みでした。

佐久間
今、エンタープライズ(法人向けサービス)用に営業部隊をつくったりして、シフトされていると聞きました。

セルフサーブ型から、営業部隊つくって地道にやっていこうと思ったのは、どういう意思決定だったんですか。

笹原
やはりセルフサーブでは売れないっていうのが1つですね。本当にセルフサーブでは売れないので、フィールドセールス(注:顧客と直接会って営業するセールス。電話中心の営業を行うインサイドセールスと対比される)で売ってくしかないなっていうことです。

それからさっき売れなかったとは言ったんですけど、ありがたいことにローンチの直後から、大企業からかなり問い合わせをいただいてました。

そうすると大企業の人たちってまず1回来てくださいっていうかたちになるんですよね。

どんなに安くても、どんなにセルフサーブで使えるようなプロダクトであっても、企業の方は1回来てもらって説明を受けないと駄目なんだなっていうことが分かって、フィールドセールスはもう外せないなって思ったのが転換のきっかけでしたね。

SaaS業界の通説は参考程度に

佐久間
なるほど。ここからがSaaSのリアルというものにつながってくるかなと思うんですが。一般の企業向けに広めていく際に、いろんなSaaSの方法論が巷にあふれているじゃないですか。

The Model(注:Salesforce社が広めているBtoBの組織体制のこと)とか、いろんなSaaSメトリクス、こういう数値を重視してやるべきだみたいな。

それって役に立ちました?

笹原
役に立った面と、そこに囚われてしまう面の両方がありました。

僕はもともと弁護士をしていて、SaaSとか起業というものを全然知らなかったので、そういう知識っていうものはすごい役に立ちました。

一方、こういう成長やKPIの曲線を描いていないと、駄目なプロダクトなんだっていう決めつけがSaaS業界ってちょっとあると思います。

いわゆるT2D3(注:SaaSスタートアップの成長モデル。起業から5年間、3倍、3倍、2倍、2倍、2倍の成長を実現していくこと)でやっていかないと、そのプロダクトは駄目だよと言われてることが多いんです。

例えば、アメリカにこの4月に上場したドキュサイン(DocuSign)っていう電子契約のサービスがあるんですが、もう既に時価総額1兆円ぐらいかな。(注:2018年10月10日時点でDocuSignの時価総額は約7,000億円)

あそこは創業から10年間ぐらい、ほとんど成長してないんですね。

もう、T2D3どころか10年間ぐらいほとんど成長してない。でも1兆円で世界を取るようなプロダクトになっているという例もあるので、必ずしも囚われることはないのかなって言い聞かせてます。(笑)

佐久間
なるほど。組織のつくり方っていうところはどうですかね。

フィールドセールスっていう言葉がありましたけど、The Modelを模倣にすると、マーケターがいて、インサイドセールスがいて、フィールドセールスがいて、カスタマーサクセスがいるみたいなことが言われますよね。

そういう組織のつくり方で、SaaSのプラクティスとして参考になったもの、いや違うなと思ったものとかありますか。

笹原
参考になったのは、本当にSalesforceさんですね。うちはSalesforceさんをすごい使い倒してるんです。

Salesforceのプロダクト思想もそうですし、Salesforce Japanのセールス体制だったりマネジメント体制はものすごい参考にしていますね。

当然、The Modelも参考にしています。

佐久間
そのThe Modelの中で、これはすごい役立ったなっていう部分と、ちょっと違うなって思った部分はありますか。

笹原
そうですね。1番はやっぱりカスタマーサクセスっていう概念ですね。

契約の更新とか、アップセルというものは営業の担当者、つまりフィールドセールスが担うっていうのが一般的な発想だと思います。

ところが、The Modelによると、アップセル(注:顧客単価を上げること)や解約を防ぐということは、カスタマーサクセスという独自の部署が担う。

さらにそれはカスタマーサポートとはまた違う部隊だっていうところが一番勉強になったし、一番すごいなって思うところですね。

佐久間
逆はありますか?

笹原
逆は、そんなにないですね。やっぱり理にかなってるとすごい思います。

代表としての意思決定や苦悩

佐久間
(配信画面を見ながら)今、河合さん(株式会社Moly CEO:@sorai33)から質問が来ています。「セールスフォースさんが特にいろんなサービスをすごい連携していますが、HolmesもほかのtoB向けサービスと連携とか始まってるんですか」

笹原
そうですね。(先ほど出てきた)DocuSignさんとは今、連携をしていて、Holmes上でドキュサイン締結(完全ペーパーレス)っていうのがこの10月から使えるようになります。

もちろん、Salesforceさんだったり、Kintoneさんとか、そういうものは連携していきたいなと思う反面、何でもかんでも連携することが利便性を高めるかっていうと、また違うかなとも思っているので、その辺りはしっかり見極めたいなと思っています。

佐久間
そこの判断軸の仮説ってどんな感じですか。このサービスは連携するし、ここはしないみたいな。

笹原
結局、Salesforceさんとかって大量の文書管理にそんなに向いてないんですよね。契約書って過去のものも合わせると、だいたいどの企業さんも数千通から数万通はざらにあると思うんです。

それをSalesforceで管理するっていうと、皆さんもなかなかイメージ湧かないように、大量の文書を管理するようにSalesforce自体ができていない。

じゃあ、そこを融合させるためにどういうふうにすればいいのかなっていうのは今、考えてますね。

仲間集めのリアル

佐久間
ちょっと毛色を変えていきたいんですけども、起業のリアルのほうにもう1回フォーカスをあてます。

今1年半ぐらい経っているとのことでしたが、起業して最初の課題って、エンジニアの話が先ほどあったように、ひたすら仲間集めだと思うんですね。

そこでの成功例、失敗例をぜひ話していただきたいです。

笹原
はい。成功例というほどか分からないんですけれども。

もともと弁護士法人を経営していたのもあって、その中で一緒にやっていた弁護士をセールスで引っ張ってきたり、すごい優秀な人を弁護士法人から引っ張ってきたりっていうのがありました。

なので初期メンバーの仲間集めはしやすかったっていうのがありますね。他面で、エンジニアの採用はかなり難しいなと思っています。

表現が適切かどうかちょっと分からないんですけど、ちょっとエンジニアがバブリーになってきたというか、エンジニア獲得競争が過当競争になってきていて。

こういうユーザベースさんみたいにきれいなオフィスで、ビール飲み放題で、のような。

佐久間
そんなサービスないです。(笑)

笹原
ビールはないんですか。(笑)

でも、Wantedlyとかで見る、すごいキラキラした人がやってる感じを出さなきゃいけないのはやっぱり難しいなと思っていて。

逆に僕たちは30中盤で起業した事に加え、前職、弁護士法人にいたっていうのもあるので、違う戦略で、大人のスタートアップを前面に出そうと思ってます。

つまり、スタートアップのエンジニア採用ってこうだよねっていうものから、孫子じゃないですが、戦わない戦略をとっていきたいと思っています。

佐久間
深いですね。弁護士時代に感じていた、社会の負を解決するというサービスなので、笹原さんの周りの弁護士の経験がある方には、確かにビジョンへの共感が得やすいなと思うんです。

でもエンジニアはなかなか分からないじゃないですか。別にエンジニアからじゃなくても、やっぱりそういう契約書業務に携わっていない方からしたら分からない。

そういう方に共感してもらって仲間になってもらう、そのリアルをもうちょっと聞きたいです。

笹原
もう本当にこのあたりは苦心しています。

僕自身もやっぱり自分が創業した思いがあるので、想いや文化を伝えるのはもう1時間でも2時間でもしゃべれる反面、それってどこまでやっていいのかなとか。

この前も青柳さん(株式会社メルペイ 代表取締役)が話す講演があって行ったんですけど、やっぱり2時間でも話し倒すみたいなことはおっしゃっていたので、共感を得るために何がいいのかは模索中ですね。

佐久間:
模索し続けるってことですか。

笹原:
模索し続けると思います。

弁護士だったからこそ寄り添える課題にフォーカスする

佐久間
ほんとに正解がないですよね。質問がきています。「リグシーとして押したいポイントは?」

これはプロダクトのセールスポイントっていうことですね。

笹原
プロダクトとしての特徴は、何かに尖っているっていうよりは、本当に契約書業務全部を解決できるところです。なので、「電子契約だけできればうちの契約書業務の課題が解決する」という人以外ですね。

契約書業務全般が面倒くさいなと思っている方は、1回見ていただけるとかなり契約書業務の課題を解決できるんじゃないかなと思います。

あとはおそらくですけれども、こういうと怒られるかもしれないんですけど、日本で唯一、契約書の1から10まで全部を簡単にしようっていうプロダクトです。そういうコンセプトのプロダクトだと思っているので、そこが特徴ですかね。

佐久間
そこに関連した質問が、モナキさんからあがっているんですけども、「サービスを模倣される可能性についてはどうお考えですか」。

笹原
そうですね。模倣はされ得るんだと思います。やっぱりこれはもう宿命かなと思っているので。

半面、契約書ってどこでも発生するじゃないですか。どんな企業、どんな業種、どんな規模でも発生する。

契約書に特化したプロダクトがなかったっていうのは、やっぱり契約書の業務フローってそれぞれ特徴があるし、業種や規模によってのオペレーションの違いとかがあるので、そういった意味で難しいのかなとは思っています。

佐久間
今までになかったプロダクトをつくっていくっていう上で、一番苦労した点、「これどうやってつくるんだ」みたいな、一番最大のポイントってどんな感じですか。

笹原
そうですね。難しいところはもう本当にないというか。逆にいえば、すべてが難しいというのも本音なんですけど。契約書業務のフローみたいなものをどうやったら実現できるかですかね。

あとは先ほど言ったように、いろんな規模、いろんな業種、いろんなオペレーションの会社がある中で、みんなが使えて課題解決できるプロダクトを実現するのはやっぱり難しいですね。

佐久間
ちょっと毛色同じだと思うんですけど、「ディスラプトされるリスクについてどう考えてますか」という質問をいただきました。

例えば、大企業とかが類似のサービスを大きな資本でガッとやってくるリスクについてはどうお考えですか。

笹原
そうですね。そこのリスクは当然あるとは思います。ただ、現在でも例えば、いろんな会社さんがオンプレミスの延長で出してたりするんですよね。

でもそこで特化してこないっていうのは、そんなに、契約書業務に精通してる人がいないからなんですよね。

テクノロジー、エンジニアはいっぱいいるんですけれども、契約書業務に特化して、その課題を解決できる法的素養というか、契約書業務に精通している人っていうのは、なかなかいないのかなとは思っていますね。

佐久間
契約書とテクノロジーが離れているからこそ、その両方を知っている人にとってはすごいチャンスがあると。

笹原
そうですね。

佐久間
マッチーさんから質問で「逆に参考にしたサービスはありますか」。

笹原
Salesforceですね。営業のオペレーションだったりとか、管理っていうものも多種多様で会社や業種によって違うと思っていて、そうであるにもかかわらず20万社ぐらい、世界中で使われているっていうのはなんでなんだろうなっていうことはものすごい研究しました。

スタートアップってよく「単一の機能、プロダクトで刺せ」とかっていうんですけど、Salesforceを見るたびに、「いや、Salesforceは違う」って思います。(笑)

正直、そんなに使いやすくないし、「初めて触った人は絶対Salesforceは使えないけど、それでも成功している」って自分に言い聞かせるくらい参考にしていたので、Salesforceにはもう頭が上がらないですね。

佐久間
このあとにイベントで講演されるのが、セールスフォース・ベンチャーズの浅田さんなので、今の発言を聞いて喜んでいるのか、微妙なのかちょっと分かんないんですけど。(笑)

キャリアに関する質問で、リサさんから「法律系の方が、今後スタートアップに乗り込むっていうのは増えてくるんですか」と。

笹原
そうですね。今でも起業は少しずつ増えてきています。僕の知り合いの弁護士とかでも、弁護士やりながら起業するというのも増えてきました。

ただ、どうしても弁護士法人を経営しながら、スタートアップ、プロダクトもつくるっていうようなケースが多いので、専業みたいなものはまだちょっと出てきにくい。もちろん、これからは出てくるのかなとは思っていますが構造的にはちょっと難しいのかなと思っています。

佐久間
河合さん(株式会社Moly CEO:@sorai33)から「GVAさんとかも確かにそうですよね」と。GVAさんについてどう思ってますか。

笹原
GVA代表の山本さんともすごい仲いいんです。山本さんがすごいなって思うのは、僕たちは、契約書の作業場を提供しているんですけれども、アイコンさんとか契約書レビュー、つまり、契約書のリスク判定のように、契約書の中身を提供しているんですね。

弁護士のアドバイスみたいなコンテンツを提供しているんですが、契約書・法律って解釈の世界なのでどうとでも突っ込めるんですよね。

だから、弁護士を相手にするのはすごいなって心から思いますね。弁護士は、本当に突っ込んでくるので。(笑)

彼らを相手にするのは僕は大変だなって思います。

佐久間
(撮影会場を見渡して)会場の方からもぜひ質問を募集したいなと思っています。ぜひ挙手していただいて質問していただきたいです。

質問者1
本日はありがとうございます。1つ非常に興味があるのが、電子契約の場合、例えば、弊社からほかの取引先に対して電子契約をお願いします、といったときに相手方が採用していない場合、どうしても書面になることが多いのかなと思います。

その場合、母数が増えてこないと電子契約っていうサービスは広がっていかないのかなと思うんですけど、そこでどういうふうに浸透させていくおつもりかというのを伺えればと。

笹原
はい。まさにおっしゃる通りで、結論からいうと、Holmesは締結は紙の契約書でもOKっていうかたちにしているので、電子契約を拒否されたらそのままプリントアウトして紙の契約としてハンコを押すということが可能になっています。

その思想としては、僕自身も弁護士出身だから分かるんですけれども、法務ってやっぱり保守的なんですね。

電子のほうがいいのは分かっていてもものすごい保守的なので。

じゃあ、いきなり全て電子契約に変わりますかっていうと、僕はその世界っていうのは本当にまだまだ来ないんじゃないのかなと。

むしろ、紙のほうがまだまだ多いですし。

そこで、紙の契約書をどうやって楽にするかっていう発想をHolmesは持っています。なので、既存の紙という契約書オペレーションを楽にする、そういう方向に特化しているのがHolmesですね。

質問者2
今のフェーズは本当にいろんなことが頭の中でぐるぐる回ってると思うんですけど、今のフェーズの中で、一番のチャレンジっていうのはどういった点ですか。

笹原
チャレンジはいろいろあるんですけれども、今、伝統的な大企業から毎日のように何件も問い合わせをいただくというような状況になっています。

実際に導入もかなりいただいている反面、大企業の人たちに導入していただくっていうのはかなりのチャレンジだし、相当なハードル、しかも、保守的な契約っていう分野に対してやるのはかなりチャレンジだなというふうに思っています。

他方で、契約書文化については、大企業がイエスと言わないと、それこそ電子契約に変わらないとか、契約書の文化って変わらないと思っているので、うちはしっかり大企業にまず導入していただいて、そこから社会全体の流れみたいなものを変えていきたいなと思っています。

佐久間
ほかに質問のある方、いらっしゃいますか。

質問者3
価格についてお伺いしたいんですけど、最初に980円でスタートして、今、サイトを拝見して2万円ぐらいからっていうことなんですが、そのプライシングの変更にあたって、ターゲットをどう変えたかとか、どんな苦労があっただとか、その辺がお伺いしたいです。

笹原
はい。ありがとうございます。何段階かフェーズがありまして、980円から次に1,900円ぐらいに上げたんですね。

そのときに、最初のフェーズで一番大変なのはセールスからの反発です。もう、この値段で話してるんだけどとか、この値段だと無理だよとかっていう反発があるので、そこは一番まずハードルがあります。

そのあと、1アカウント5,000円とか、最低のアカウント数とかで、2万円とか6万円とかってどんどん上げていっている状態なんですけれども、そのときに必要なのはおそらく経営者の勇気だと。

その1点だけだと思います。でも、ユーザベースもそうですよね?

佐久間
その部分はありますね。ただ、「経営者の勇気」と言いきることはできないですけど。(笑)

では私から。先ほどそこで話しているときに、大企業からのオンラインでの問い合わせがたくさんきているという話がありましたよね。

セルフサーブでは全然問い合わせがこないっていうところから、今、オンラインで大企業からも問い合わせがたくさんくるというとこに育て上げられた、リアルなストーリーをぜひ聞きたいなと。

笹原
ありがとうございます。そうですね、いろいろな要因があって1つには絞りきれないのかなと思うんですけれど。

一番大きな要因は、正直いえば運だなと思ってしまいます。つまり、電子化の流れやクラウドというものの流れがある中で、契約書でこのポジショニングを取ってる人っていうのがいないんですね。

1から、つまり作成から管理のところまですべてできますっていうポジションを取っているところがなかなかないので。そうするとまず問い合わせてみるかっていうようなかたちで問い合わせいただく。

これはもう、マーケティングどうこうとか、ブランディングどうこうを超えた何か、運としか考えられないなっていうのが正直なところです。

ただ、それだとちょっと身も蓋もないのでいうと。(笑)顧客の課題にフォーカスし続けた結果、電子契約で郵送がなくなれば企業の契約書の課題ってなくなるんですかっていったら僕は違うなと思っていました。

作成で悩んでるところもあれば、管理で悩んでいるところもある。つまり、一気通貫で悩んでいるよねっていうところが顧客の課題だと思っていたので、そこにフォーカスし続けた結果かなというふうには思っています。

佐久間
ありがとうございました。実際、弁護士時代の強烈な原体験があって、その課題を解決するというところにすごいフォーカスされたと。あとは、運と勇気だということですね。(笑)

今日はありがとうございました。

笹原
ありがとうございました。

(写真左:リグシー笹原CEO、右:ami代表佐久間)

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嬉しいグォー!これからも応援よろしくグォ!
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2019年11月15日amiはINITIALに生まれ変わりました。スタートアップの今と未来を徹底解説。資金調達をはじめとした定量面での分析情報、起業家や投資家への独自取材による充実のコンテンツをお届けします。https://initial.inc/
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