20190213_TeaRoom岩本さん

「Tea is the magic.」アメリカ講演で見えたChaaSがもつ可能性とその先の未来


本記事は、TeaRoom岩本さん(@ryoiwamoto1997)のamiライブ配信の書き起こしです。

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TeaRoom Inc. 代表取締役 岩本 涼さん

amiファシリテーター 松岡(以下、松岡)
それでは、本日はTearoomの岩本さんにご登場いただきます。

よろしくお願いします。
今回、岩本さんには2つ大きなニュースを発表して頂きます。

1つが、先週オフィスを恵比寿に移転されたそうですね。

Tearoom 岩本さん(以下、岩本)
よろしくお願いします。

まさに先週オフィスを渋谷のコワーキングスペースから恵比寿の新しいオフィスに引っ越しでバタバタしております。(笑)

松岡
もう1つの大きなニュースが世界最高峰の農業研究の大学UC Davisで日本人として最年少でお茶の基調講演をされてきたことです。ご登壇されて、茶の湯がグローバルでどう受け入れられたのか、またお茶のカンファレンスにもご参加されたということで、世界各国のいろんな喫茶や茶の文化をご経験されて、岩本さんがどう感じられたのかお聞かせいただきたいです。

茶は現代が抱える問題を解決する処方箋

松岡
今回、世界最高峰の農業大学であるUC Davisでご講演をされるきっかけはどういうものだったんですか?

岩本
きっかけは本当にご縁でして、日本の取引先の方々から紹介いただきました。

日本で今、若手の茶人って片手で数えられるぐらいのレベルでして、その中でも、お茶の概念というのを英語で適切に説明できる人はほとんどいないんですよね。

そういう背景があり、サンフランシスコに行かせていただきました。

松岡
そのお茶のカンファレンスは毎年行われるものなんですか?

岩本
そうですね。毎年行われていまして、UC Davisにもお茶の学部があります。

ワイナリーもキャンパス内にあるような学校で、ワインの学部だったり、ビールの学部がある中の1つとしてお茶の学部が存在しています。

そちらで毎年、世界中のお茶業者を集めてカンファレンスをしています。

松岡
世界中から何人ぐらいのお茶関係者が集まられるんですか?

岩本
570人ぐらいいらっしゃいました。

松岡
世界中から集まったお茶の専門家の中で、日本茶というものはどういう捉えられ方をされているんですか?

岩本
グローバルの定義では、チャイや紅茶がお茶といわれています。

日本茶はここ5年くらいで輸出が伸びていて、やっとトレンドになってきたという感じですね。

少しずつ知名度は得てきましたが、「お茶といえば日本茶」というわけでは全くないです。

松岡
まだ茶の湯の文化がそこまで知られていない中で、今回はどのようなテーマでご講演をされたんですか?

岩本
英語で言うと、「Tea can be a prescription for a modern society.」と言ったんですけど、お茶が現代の諸問題を解決する処方箋になるだろうというタイトルで講演をさせていただきました。

松岡
現代社会とお茶というような対比や日本文化の世界観の理解がないとなかなか伝わりづらいテーマだと思いますが、そこはいかがでしたか?

岩本
たしかに対比構造をつくらなければ、どうしても論理的に説明できないのでその点は大変苦労しました。

たとえば、ヨーロッパの方々は、「ヨーロッパと日本」や「ヨーロッパとアメリカ」といった対比構造をします。

ただ、そういった対比をしてしまうと、どちらかが悪くてどちらかがいいという優劣をつける構造になってしまい、お茶で成し遂げたい世界ではなくなってしまいます。

なので今回は「現代社会の中でお茶の概念をみんなが持っている世界」と「大量消費に代表されるような現代社会」を対比構造にしてご説明しました。

松岡
今回そのテーマについてどういうポイントに分けられてお話をされたのですか?

岩本
4つのポイントに分けて話しました。

1つ目は一番お茶は健康という文脈で流行っているので、健康というのを1つ置きました。

2つ目がメンタルですね。お茶は健康という文脈で語られがちですが、実際は人の心に寄り添うものであって、人の心を安静にさせる効果もあるのでメンタルを挙げました。

3つ目が精神性(スピリチュアリティ)という、人間も自然の一部だよというところを認識するためのツールとして使えるという部分ですね。

最後にコミュニティというポイントを挙げました。世界中にはお茶の概念や、お茶文化があって、それをたどることによって世界中にコミュニティができるんじゃないかというのを講演させていただきました。

新しい概念「茶はマジックである」

松岡
海外の方から見ると、日本茶の概念そのものが代替ではなく新しい概念というイメージだと思うのですが、挙げて頂いた4つのポイントに分けること以外に、その概念を伝えるにあたって意識されたことはありますか?

岩本
最初に” Tea is the magic. “という話をしたんですよ。茶はマジックであると。

とくにアメリカ人はそうなのですが、お茶はヘルシーなプロダクトであるという部分にフォーカスしがちですが、それだけではお茶は語れないし、それ以上の何か未知なものを秘めているということを冒頭でお話したんですね。

そうすると、「お茶はヘルシーだけじゃないんだと」認識していただいた上で、上で挙げた4つのポイントについてお話させていただいたので、分かりやすく説明できたかなと思います。

松岡
会場ではどのような質問がありましたか?

岩本
「日本では日常的にお茶の概念を考えているのか?」という鋭い質問がありましたね。

お茶って全世界にあるし、それぞれの土地にある文化も関係するからこそ、文化や多様性をもう一度しっかりとみんなで考えなきゃねという流れも最終的に出て、とてもよかったです。

松岡
岩本さん自身も新しくお茶についてフィードバックを受けることによって、茶の湯の概念がアップデートされていっている感じですか?

岩本
そうですね。岡倉天心さんという、禅のマスターがおりまして、その方が『茶の本』というのを書いているんですが、それも実際英語で書かれたものを日本語訳されているんですね。

茶の概念や日本の概念を発信するときに、適切な英語に訳すのは難しいですが、説明することは必要なので、そういった意味でも現代における茶の世界はどういうものなのかを自分の中でもう一度再考できたのはとてもいい機会でしたね。

松岡
その経験を経て日本に戻られて、日本で反響はありましたか?

岩本
ありましたね。

農家さんからのフィードバックを多く頂きました。

僕たちは、農家さんから直接仕入れさせていただいているので、つながりは深いですが、ただの大学生の若者が会社を起業しただけで、何か信頼にたるバックアップがあるわけではないですよね。

そういう状態の中、まず1つの実績を残せたことで、「僕らの会社は日本のお茶を適切に広めてくれるんだ」という信頼を持っていただけるようになったのはポジティブな変化でした。

Cha(茶) as a service=ChaaSが見据える未来

松岡
そうなると、実際にTearoomさんが取り組まれている、ChaaS(茶 as a Service)というサービスの営業活動にも影響してくるのかなと思います。

これから本格的にサービスを広めていくにあたってTearoomのChaaSというサービスをもう一度ご説明いただいてもよろしいでしょうか。

岩本
SaaSという言葉をよく聞かれると思いますが、それはSoftware as a Serviceの略ですよね。

同様に、われわれもお茶をサービス化できれば、いろんな人にお茶という概念を体験して頂いたり、お茶という商品自体も体験して頂けるんじゃないかということで、Cha(茶) as a service=ChaaSという概念を提唱させていただいております。

これは、日本でしかできないと思っていて、中国のように企業の母数が多いと、競合が乱立してよく概念の分からない言葉になってしまいますが、日本ならば競合も出てこないのでしっかりと概念として確立できるんじゃないかと思っています。

サービスはオフィス向けがメインで、オフィス向けに茶室のサービス化だったり、飲み物としてのお茶も提案しているので、お茶関連材のサービスをまとめてChaaSとして提供できると思います。

松岡
Tearoomはインフラとしての茶室の提供と、オフィスグリコに似たようなお茶の提供という2つのサービスをやられていますが、会社に茶室があるというのはどのようなイメージでしょうか?

岩本
最近、コワーキングスペースが増えてきていますが、スペースがうるさくて集中しにくいという方がけっこういらっしゃいます。

なので、コワーキングスペースに登録していても、自分の好きなカフェに行かれる方も一定数います。そうすると、オフィス内における1人の空間が必ず必要になってくると予想しています。

利用用途は電話をする空間であっても、1人で集中するための空間であってもいいと思います。

または、メディテーション(自己を見つめる時間)のために使えるんじゃないかと思い、立ったまま茶の概念を1人で体験できる茶室をつくりました。

松岡
β版としてどこかにもう導入されているんですか?

岩本
100BANCHIという渋谷のコワーキングスペースに展示しております。

松岡
実際に導入された場所からはどのような反響がありましたか?

岩本
実際にコワーキングスペースには、お手洗い以外に1人になれる空間がないですし、喫煙される方々はちょっと遠目の友達がいない喫煙所まで行って1人になることが通常だったので、オフィス内でも公然と1人で集中できる環境ができたのは大変助かるというフィードバックをいただきました。

松岡
アメリカは日本に比べてリモートワークや、フリーランスで仕事をすることが、メジャーかなと思いますが、アメリカの基調講演での評判はいかがでしたか?

岩本
建築物としての茶室という部分にとても興味をいただきました。

コワーキングの中に集中空間があるというのはアメリカでは当然な話ですが、建築や造形美という文脈で茶室がとても話題になっていました。

また、シリコンバレーなどのイノベーションという話題は盛んに取り上げられますが、日本でも古来からイノベーションは起きていました。

それこそ、茶が一番代表格で、狭い空間を想像の世界で広く見せたという意味で、ソフトウェアで課題を解決する取り組みとして一番最先端を走っていました。

そう言った茶のイノベーションを、もう1度現代で起こしたいというのが僕の願いですし、世界でも通用すると思っています。

松岡
日本がソフトウェアにおけるイノベーションの走りだったという考え方はとても面白いですね。

ぜひその流れをTearoomに起こして頂きたいと思っています。

本日はありがとうございました。

岩本
ありがとうございました。

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