20191124_Spiral石川さん

「俺も欲しい!」をつくる。屋内ドローンに挑戦する起業家の原点

本記事は、Mark Flex Air 石川さん(@Reassy_TI ‏)のamiライブ配信の書き起こしです。

株式会社Spiral 代表取締役CEO 石川 知寛さん

amiファシリテーター森(以下、森)
Spiralの石川さん、2回目のご登場でございます。

前回、なんでドローンをやっているのかみたいなお話を中心にいただきましたけれども、今回は、石川さんがどういうキャリアを歩まれてきたのかをお聞きしたいなと思います。

Spiralは2016年に設立されているんですけれども、その前はどういったことをされていたんですか?

Spiral石川さん(以下、石川)
その前までは、産業用ロボットを中小企業に導入してもらうために、日本中の工場を駆け巡って、「ロボットいかがですか?」と聞いて回っていました。セールスエンジニアとしてプロジェクトを立ち上げて、そのプロジェクトを回すために工場に入り込んでみたいなことをやっていました。


工場周りのセールスをやられていたということですね。

石川
そうですね。さらにその前は、逆に工場内の生産技術として産業ロボットを使う、つくるという側でした。


何回ぐらい異動したんでしょうか?

石川
3回ですね。

キャリアの最初は、大学在学中に創業から携わった会社で、屋外のドローンや小さい人工衛星、実験用のロケット、中小企業さん向けの自動検査システム等を作っていました。いわゆる、開発エンジニアみたいな仕事ですね。

そのあとに行った会社では生産技術部門にいて、現場の業務改善に取り組む中で産業用ロボットに出会いました。

その次は産業用ロボットを売る側になって、今はドローンに戻ってきた感じですね。


会社設立を決めたきっかけはなんだったのですか?

勢いと偶然で決めた会社設立

石川
産業用ロボットを売り歩いてたときに、たまたまある物流系の会社の方から、「ドローンで棚卸しがやりたいから、今いる会社を辞めてこっちに来てくれないか?」と話をいただいたことですね。

まだ入社して半年だったので、「さすがにそれは勘弁してくれ」「もうこれ以上転職できないし、サラリーマンをやるつもりもないし、次やるんだったら自分でやりたいんですよね」と話をしたら、「それなら、会社つくってよ」と言われました。

その話をしたのが2016年8月27日でしたが、「分かった。じゃあ、10月1日につくる」と、その場で即答です。2秒くらいで決めました。


すごいですね!

石川
終わってからは、「ヤベえ、言っちゃったな。どうしようかな」と思いましたが。


啖呵を切っちゃった。

石川
「まあ、いっか。1カ月あるし、何とかなるだろう」という感じでしたね。


言ってしまったのが先ということなんですか?

石川
そうです。その前からそれなりにアイデアはあったんですけどね。


衝撃的な起業のきっかけでした。

石川
その話をしてくれた方とは今も会っているんですけど、「あなたがいなかったら僕は今、ここにいません」と話しています。彼はきっとそんなつもりはなかったかもしれないですけどね。


縁ですね。

石川
そうですね。だから、非常に感謝しています。


どうしてそこまで屋内ドローンに注目するのか、教えてもらってもいいですか?

石川
屋外ドローンで、10年前に大失敗をしたことがあったのですが、「工場の中で飛ばせないかな」と考えたことがありました。


過去の経験があった。

石川
そうは言うものの、エンジニアからはそういう画期的なアイデアが出てこないじゃないですか。

そう思っていた時、初対面の女性と話をしていたら、「ドライヤーを自動化したい」という話がポンとでてきたんです。


初対面で?

石川
「だったらさ、ドライヤーをロボットでやれないの?」「Pepperにドライヤーを持たせてこうやって」という風な話に。


Pepper、なるほど。

石川
その話を聞いたものの、うっとおしいだろうし、ちょっと無理そうだと思いました。

そこでは断わったんですが、その日の夜に「ドローンだったらできるんじゃないのか?」「こういうものを俺は求めていたんだな」と思ったんです。

「自分もドライヤーはいやだし、俺が欲しいから俺がつくろう!」と。


自分が欲しいと思ったんですね。

石川
それは会社つくる前の話です。

10人ぐらいのメンバーと、美容師さんたちもたくさん巻き込んでやったんですが、結局気づいたことは、技術がまだまだということ。

ドライヤーをつくるには、まず、屋内というGPSがない環境の中で物体を制御しなければいけない。技術的に何とかしなきゃいけないけど、お金もかかる。

そのときに、先ほどお話しした男性が現れて、「ドローン(棚卸し)やろう!」という話になった。


タイミングがすごいですね!

石川
「よし!乗っかろう!」と思いました。(笑)


ドライヤードローンをつくってから、屋内環境での課題があることに気づいたんでしょうか?

石川
GPSがない環境での位置制御が難しいことは、ずっと前から分かってはいたんですけど、ここまで難しいのか、と思いましたね。

実際に使ってみるということを考えたとしても、たとえば昔一緒に働いていた現場の60歳ぐらいのおっちゃんに、「ドローン、使ってください」と言っても、「はぁ?」と言われると思ったので、このままでは駄目だなと。

何に使えるか?というところから屋内の技術に落ち着いたということですね。決して誰でもできるとは思わないですけど、やろうと思ったらできるんじゃないかと思いますね。


まずは自分が欲しいと思って、隣の人も欲しいと言ってくれるかが大事。

石川
そうですね。

自分が生産技術として現場にいたとき一緒にやっていた方々が使えるものじゃないと、結局は役に立たない。

ドライヤーに置き換えていえば、自分が使えても女性が使えなかったら意味がないというのと一緒だなと思います。


ちなみに、ドライヤードローンのプロトタイプは実際につくられたんですか?

石川
つくりましたよ。


写真とかありますか?

石川
見ます?


こんな感じのものをつくられていた。

石川
そうですね。


この四角いのがドローン?

石川
そうです。


超ちっちゃいですね!

石川
単行本が隣にあると大きさが分かりますね。


隣が単行本か、小さい。

石川
でも、これでもデカいです、やっぱり。


これでもデカい!?

石川
ここにあったら絶対怖いですよ。


写真、ありがとうございました。

SpiralさんのHPを見ると、QRコードで制御されているものを見たんですけど、その技術についてお伺いしてもいいですか?

移動はどうやって制御されているんですか?

屋内ドローン×QRコードの組み合わせとは?

石川
まず、今のドローンの技術はお客さん、つまり現場の人たちにとってはすごく使いにくいと認識しています。QRコードは、世の中にいくらでもあるし、もちろんみんなが知っているじゃないですか。

ドローンをどこに、どのくらい飛ばしたいか、現場の方は必ず分かるはずなんですよ。

「ここを見たいからこういうふうに飛ばそう」という考えに沿って、QRコードを飛ばしたい地点に貼っていって、ボタンをポチっと押したら、ドローンがピューって行く。


ゴール地点に置くということですか?

石川
道しるべです。


なるほど!

石川
ヘンデルとグレーテルの話、知ってますよね?


分かりますよ。

石川
道しるべにパンくずを置くのと、同じ話ですね。


パンくずがQRコードになるということですね。面白い。

石川
道しるべを置いてあげるという、たったそれだけのことなんです。


ドローンはカメラで読み取っているんですか?

石川
そうですね。QRコードを読むためのカメラがあって、撮って1秒ぐらいで、QRコードから行き先の情報を読み込んで、次のところに向かうというイメージです。


面白い!

石川
実社会で例えると、QRコードが管制塔でドローンが飛行機なんですよ。

基本的には、飛行機から管制塔に指示は出さず、管制塔が指示をするように、それと同じ仕組みを持たせているということです。


1QRコードに1位置情報が載っているんでしょうか。それとも複数情報が載せられるんですか?

石川
複数の情報を載せています。


すごい!

石川
位置情報というより、飛行の指示情報なので、「あなたは今ここにいるので、こっちに行きなさい」という風に変わります。


工場内で回るルートは何ルートもありえますよね。それに対応できるよう、QRコードは1つでも複数の情報を飛ばせる。

石川
その仕組みの開発を今やろうとしていますね。


今のところ、どれぐらいまでできているんですか?動画を見るとかなりできているように見えました。

※動画はこちらからご覧いただけます。

石川
いやあ、まだまだですね。

できているようには見えますけど、まだプロトタイプの段階なので、現場に行って使えるレベルにするにはもう少し時間がかかると思っています。


どういうところがネックなんですか?

石川
QRコードとQRコードの間は、基本的には慣性飛行という、ドローンが持っている能力で飛ばなきゃいけないんですね。

屋内ではGPSの情報に従ってドローンが制御できるんですけど、それがないので、目をつぶった状態であそこに行けって言われている感じです。


自走する瞬間があるということですよね。

石川
子どもが自転車の練習をしていて、お母さんが「後ろで支えてるからね」と言うけど、気がついたら持ってないみたいな。


GPSは常時誘導されているみたいなイメージですよね。一方、屋内だとGPSは使えないから、QRコードで部分部分を誘導している。

石川
だから、屋内版GPSをつくるというのはやりたいなと思っています。


屋内でGPSの代わりになるのが今のところQRコード。それは、ユーザーの皆さんが使い勝手がいいからですね。

石川
たとえば、屋内のある程度限られた空間で、ドローンを4機ほど回すと、位置を取ることができるんです。それは、GPSと同じ原理で、宇宙空間でやっていることを工場でやっているだけですね。


たくさんドローンを使うようになると、GPSが使えない場合が課題になってきますね。

今、実証実験はどこでやっているんですか?

石川
今は、ドバイとシンガポールでやろうとしています。


海外!

石川
昨日、シンガポールから帰ったばっかりです。


ドバイとシンガポールなのはどうしてなんですか?

石川
やりやすいからですね。課題意識をしっかり持っている。


やらせてくれるということでしょうか。

石川
そうですね。ドバイだと、少し話をして、「こういうことやるんだよね」「OK, We will start.」「じゃあ、やりましょうか」というような感じ。(笑)


日本の工場の屋内での実験はまだ?

石川
工場だったり、モールだったり、物流倉庫だったり、場所はたくさんあると思うんですけど、まだ出来ていない。


ドバイに行くのは大変ですよね?日本で実験ができる場所があるといいですね。

石川
日本でできるといいですね。


広い屋内の施設を持っている方がいたらぜひ石川さんにご連絡を!

石川
ぜひ欲しいですね!実証実験できる場所なので、「俺んちでもいいですよ」みたいな人が欲しいですね。5,000㎡ぐらい持っている方。


(笑)

石川
5,000㎡、高さ12mぐらいの施設を持っている方、お待ちしてます!


日本にも、物流倉庫などはたくさんあると思うので、夢のある屋内ドローンの技術ができると、非常に便利になると思うんですね。

ご覧になった方でご興味があった方、ぜひ実証実験の場所のご提供をぜひお願いします!

石川
場所の提供、よろしくお願いします!

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嬉しいグォー!これからも応援よろしくグォ!
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