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ARは人間の生活を根本から変えられるのか?拡張現実の可能性に込めた想い

本記事は、プレティア李さん(@yoshimilily)のamiライブ配信の書き起こしです。

ライブアーカイブ

起業家紹介

プレティア株式会社 Co-Founder 李 禎みさん

amiファシリテーター 松岡(以下、松岡)
本日は、AR領域で注目されているPretiaの李さんに来ていただきました。よろしくお願いします。

Pretia 李さん(以下、李)
よろしくお願いします。

トークイベントとかもほとんど出たことないので、緊張してます。(笑)

松岡
(笑)

李さんがされていることをまとめた、事前のインタビュー記事も配信しているので、細かい情報はそちらをご覧いただければと思います。

Pretiaさんは、ARに関連する事業をされていますが、具体的にどのようなことをされているかお話いただいてもよろしいでしょうか?


私たちプレティア株式会社は、渋谷で遊べる『サラと謎のハッカークラブ』というAR謎解きゲームを提供しています。

そして、このような面白いARコンテンツを簡単に色んなところに出現させるのに必要な、ARクラウドという基盤技術も開発しています。要は、コンテンツとテクノロジーの両方を、制作・開発している会社です。

松岡
メイン事業は、『サラと謎のハッカークラブ』と呼ばれる謎解きゲームになるんですか?


そうですね、今のところのメインは『サラと謎のハッカークラブ』(以下『サラ謎』)で、去年の8月の中旬にリリースして、今月の頭まで、渋谷で毎日開催していました。

もともと4カ月間の開催予定でしたが、お陰様で大好評いただいたので、ちょっと延長して今月の頭までやっていました。

好評を受けて、「第二弾もつくろう」となり、昨年の秋から制作に取り掛かり始め、来月リリース予定です。

松岡
では、今は絶賛忙しい時期ですか?


お客様に超楽しいAR体験を届けるべく、チーム一丸となって毎日絶賛頑張っています!(笑)

「体験型エンターテインメント」×「ポケモンGO」

松岡
『サラ謎』をユーザーさんに、うまく想像していただくにはどのように説明すればいいですか?


一番分かりやすく言うと、最近巷で流行っている、リアル謎解きゲームという体験型エンターテインメントと、ポケモンGOを組み合わせたようなゲームです。

私たちで開発しているARアプリを使って、渋谷を実際に歩き回りながら、街中に仕掛けられた謎を制限時間内にすべて解いてゲームクリアを目指すという内容になっています。

松岡
それは、アプリをダウンロードして、カメラをかざしたりすると、街中にヒントや謎が出てくるというイメージですか?


まさに、そういったことをやろうとしています。

ただ、今はARクラウド(個人のAR体験をリアルタイムで複数人で共有できるシステム)を内部で開発している段階なので、ゲームへの応用自体はまだできていません。でも、近い将来、それも『サラ謎』と組み合わせていく予定です。

今はアプリのカメラ機能を使って、いろいろな場所にスマホをかざすと、そこの位置情報に紐付いた謎が出現して、アプリ内のゲームキャラクターからチャットで貰えるヒントを活用しながら、街中の謎を解いていく感じです。

松岡
実際、謎解きゲームは身近になってきていますよね。


最近は、電車などでも謎解きゲームの広告を見かけますね。

いろんなタイプのものを制作されている会社さんや団体さんがいらっしゃいます。たとえば密室型といって、「実際に空間に閉じ込められて、その部屋から制限時間内に出ましょう」というものもあれば、ホール型といって「机を囲んでグループで集中して解くもの」もあります。

私たちがやっている街歩き型も含めて、本当にいろいろな種類の謎解きゲームがあって、最近盛り上がりを見せていると思います。

松岡
先ほど、ちらっと出てきた開発しているというARクラウドとは具体的にどのような技術なのですか?


ARクラウドは、たとえば、スマートフォンのカメラを使って、ユーザーさんがいる位置を3Dマップ上で正確に特定し、その方が見ている景色に合わせて、そこに紐付いたARコンテンツを出すという技術です。

松岡
特定の場所や景色に紐づいたARコンテンツを出すための仕組みということですね。

ちょうど「この前会社の仲間とやったら、それぞれの個性が表れて面白かったです。役職を超えてチームワークも深まった!」というコメントがきています。


そうなんですよね。弊社のものに限らず、謎解きゲームに会社のメンバーで参加される方も一定数いらっしゃって、ゲームを通してお互いのことを知ったり、チームビルディングのきっかけにすることもあるみたいです。

機会格差に気付いた幼少期

松岡
お話を聞いていると、本当にAR領域は可能性が詰まっているなと感じたのですが、李さんはもともと専門だったのですか?


全く違います!(笑)

もともとは国連で働きたいと思っていました。

松岡
そこからなぜAR業界にジョインされたのですか?まず、李さんのバックボーンをお聞きしたいです。


なんかテロップで「国連を目指していたトリリンガル」ってすごいパワーワードが並んでいて自分でもちょっとびっくりしているんですけど。(笑)

苗字の李から分かるかと思いますが、もともと中国生まれで、2歳半のときに両親の都合で来日しました。

そこからずっと日本で生活をし、中学校に入学するタイミングで日本国籍に帰化しました。

ちなみに、私の名前の禎み(よしみ)の「み」が平仮名なのは、もとの漢字が日本では名前として使えないものだったので、平仮名にしたという経緯があります。

中学校以降も、基本的にはずっと東京で育ち、東京大学の経済学部に進学、途中で最近テック界隈で注目されている中国の北京にある清華大学に1年間留学したり、回り道を若干しながら2017年に無事卒業しました。

もともと在学中からこのプレティアには関わっていたので、卒業してそのまま正式にフルコミットとしてジョインしました。

松岡
経済学部に進まれたときは、エコノミスト関連の仕事を目指されていらっしゃったんですよね。


そうですね。小さいときから正義感が強い子どもだったんですよ。

中国に親せきがいるのもあって、数年に1回ぐらいは中国に帰省するタイミングがありました。

うちの両親は中国の中でもド田舎出身なので、私が小学校4年生で帰省したときも、「今日は夜6時以降、電気つながらないから早く寝てね」みたいなことを、おじいちゃんおばあちゃんに言われたり、水道が使えないといった経験をしました。

一方で、東京ではマンションで生活して、水道、電気、ガスを何の不自由もなく使えていたので、同じ時代に生きているのにこれだけ生活水準が違うことに小学校4年生ながらショックを受けたんですよね。

それから「なんかそれっておかしくないか?」という感覚を覚えるようになって、世界に存在している格差に対してアンテナを敏感に張っていました。

なので、自然と「どこの地域で生まれようが、どういうバックグラウンドで生まれようが、みんなが等しく努力をした分だけ成功が保証されるような社会をつくりたい」と思っていました。

こうやってきれいに言語化できるようになったのは、もちろん大人になってからですが、そういった思いは漠然と小さいときから抱えていて。

なので、中高生になって英語の勉強を始めてからは、自然と国際機関に目がいくようになって、いろんな国の人たちと協調しながら、みんなが豊かに生きていけるような社会をつくるのに貢献できる人材になりたいと思っていました。

大学で実感した世界の広さ。トップオブトップの衝撃


そういう想いを抱いて大学に入ったのですが、そこで挫折を経験しまして。

松岡
何が起きたんですか?


中高は千葉県の中高一貫校に通っていましたが、受験の時もとくに予備校にも行かず、本当にのびのびと楽しく暮らしていました。

完全にコミュニティが学校の内部に閉じられたなかで、勉強や部活を頑張る青春時代を過ごしていましたが、大学に入ったら、自分が関わったことのない外の世界のエリート校から来た皆さまがいて。(笑)

松岡
トップオブトップがいるわけですね。


初めてそういう人たちと会ったときに、自分が見ていた世界がすごく小さかったということに気付きショックを受けました。

中高のときは自信家で、「私だったら何でもできる!」という感じの学生でしたが、大学に入って全然自分より賢い人を目の当たりにして、「自分は何もできないんじゃないか?」「私が何も頑張らなくても、この人たちに任せていれば、この世界はよくなりそうだな」と考えていた時期があったんですよね。

それもあり、大学の最初の2年はあまり強く国際機関のことは考えなくなりましたが、清華大学への留学で、来日以来初めて長期間中国に滞在したことで、自分が小さいときに持っていた夢や想いが蘇ってきました。

そこから、「自分がみんなが豊かに生きられるような社会づくりに貢献できる人材になりたい」という中高時代に感じていた熱いものが復活し、やっぱり国際機関で働きたいと思うようになりました。

自分は経済学部の人間だったので、分かりやすく世界銀行やIMF(国際通貨基金
)でエコノミストになり、経済格差がない世の中を実現するのに貢献できる人材になろうと決めて日本に戻ってきました。

「起業とかは全く考えていませんでした。」


日本に戻ってきたあとに、実際にどうやったらそういうキャリアを歩めるかをいろんな人に会ったりしながら調べましたが、早いうちにそう簡単に行けないことを悟りました。(笑)

社会人経験が必要だったり、世界のトップスクールで博士まで取るのが当たり前という世界で、自分が思っていたより、ずっとハードルが高いことに気付いて。

とくに大学前半のとき、あまり経済学の勉強に身が入っていなかったので、これからトップスクールに入学するには、入学試験までの残り時間を考えると勉強が間に合わないという現実問題が立ちはだかってきて、どうしようかを一旦考えたんですね。

その後いろんな人に相談した結果、一度社会人経験を積めば、別ルートでポジションが開ける可能性があるという話を聞いて、まずは社会人経験を積もうと思い就活を始めました。

それで、私が就活を始めたぐらいのタイミングで、大学1年生のときからずっと仲が良かった代表の牛尾がこのプレティア株式会社を創りました。

牛尾とは東大駒場キャンパスの同じゼミに所属していて、一緒にプロジェクト活動をやったことがきっかけで、そこからずっと仲が良かったです。

彼も私が清華大学に留学していたのと同じタイミングで北京大に留学していたので、北京でも一緒に滞在していたり、そういう不思議な縁もありました。

ただ、当時の私は、スタートアップにジョインしたり、起業とかは全く考えていませんでした。

松岡
国連職員といったキャリアを歩むために、就活しようという感じになっているわけですもんね。


そう。(笑)就活を始めた時点では、スタートアップが何をやっているのかまったく分かっていませんでした。

代表の牛尾は東大の起業サークルの代表をやっていたように、起業家マインドの強い人間だったので、「プレティアをつくったよ」と聞いても特に驚かず、「そうか」「私は普通に就活します」という感じでした。

でも、牛尾と何かやるとすごい楽しいことは過去にプロジェクトを一緒にやった経験から分かっていたし、人間としても信頼していたので、「私に何か手伝えることがあれば何でもやります」という感じで関わり始めたんですよね。

手伝いをしながら就活をして、いろいろな企業さんに会ったり、いろいろな方とお話する中で、再び自分の考えが急速に変わっていって。

自分の想いのきっかけに立ち返ると、世銀とかIMFでのエコノミストに憧れていたのも、究極的には「生まれとか立場に関係なく、みんなが豊かに生きられたり、自分の努力次第で豊かに生きられる世界をつくるため」で、そういう世界を実現するアプローチはいくらでもあるなと思ったんですね。

アカデミアで頑張るというのも1つのアプローチだし、大きな企業に勤めて国際的なプロジェクトに関わるみたいなのも1つです。

それこそ、途上国のインフラを整えるみたいなプロジェクトに関わるのもよくあるアプローチだと思うんですけど、いろんな業界を見ていく中で、「どうやら自分はスタートアップというものに惹かれているぞ」というのに気付いたんです。(笑)

松岡
それは具体的にどのタイミングで惹かれたんですか? 


スタートアップの「クリアな課題感を持って、全力でその解決に取り組んでいる人たちが集まっている」という点に一番惹かれましたね。

自分自身も「こういう世の中をつくりたい」という強い思いによってドライブされていたので、自分の内なる「こういった世界をつくりたい」「世の中のこういう問題を解決したいんだ」みたいものにドライブされている人たちと一緒にいるときが、一番いきいきしているなと感じて。

そういう人たちが一番集まっているのがスタートアップだなというのを、就活しながら感じたのが、スタートアップに惹かれたきっかけですね。

いつでも、だれでも面白いコンテンツにアクセスできる世界を目指して

松岡
そこからさらに、自身の課題感とARエンタメが結びついたきっかけを教えていただきたいです。


実はプレティアは最初からARエンタメに取り組んでいたわけじゃないんですよ。

もともとはARとかVRといった、「人間の生活を根本から変えるような技術を使ってサービスをつくろう」というところから始まっている会社なので、そういう過程でVR、ARという技術に関わるうちにそれらが持つ可能性に惹かれていきました。

とくにARは、「何もないところに、低コストでとても面白いコンテンツを置ける」ところが大きな価値だと思っています。

たとえば、これまでの世界で、地方に何か面白いものを持っていこうと思ったら、商業施設をつくったりといったハードでの解決ありきでした。

一方でARだと、今までハードを通して人間に与えてきたリアリティをコンピューティング資源に置き換えることができるので、生産コストが大きく下がります。

そして、ずっと簡単に面白いコンテンツを世の中に提供することができるところに惹かれましたね。

「どこにいようが、どういう人間であろうが、面白いコンテンツにいつでもアクセスできる」といったことを実現できる技術は、「みんなが等しく機会を得られる世界」を実現したいと思っている私にとって、親和性が高いと感じています。

松岡
なるほど、そうしてARと李さんのミッションが結びついているのですね。

本日はありがとうございました。次回もよろしくお願いします。


よろしくお願いします。

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嬉しいグォー!これからも応援よろしくグォ!
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ami

起業家と未来の仲間をつなげる「ami」の公式noteです。 https://ami.live

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「起業家とサポーターがつながるライブアプリami」のライブ配信の様子を書き起こし、編集してお届けします。
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