20190305_TeNKYU菅さん

「忘れる」ことが前提。情報が降ってくるイケてるガジェットができるまで

本記事は、TeNKYU 管さんのamiライブ配信の書き起こしです。

ライブアーカイブ

起業家紹介

株式会社TeNKYU 代表取締役 菅 英規

イメージしたのは「昔のお母さん」

amiファシリテーター 松岡(以下、松岡)
本日は、TeNKYUの菅 英規(かん ひでき)さんにお越しいただきました。よろしくお願いします。

簡単にTeNKYUについてご説明頂いてもよろしいでしょうか。

TeNKYU 菅さん(以下、菅)
よろしくお願いします。

僕たちは、ネットにつながっているカラーLEDと人感センサーを搭載したスマート電球を作っています。それを使って人々が知りたい情報を色で表現したり、人感センサーの反応を取得して第三者に伝えたりできます。

雨が降っているときは青色に点灯することで、傘の持ち出しを喚起させたり、人感センサーを使って見守り管理をすることもできます。

高齢化が進んで一人暮らしのご老人が増えてきましたが、そうしたお宅のトイレに付けて行動を見守ることもできます。24時間で1回もトイレの利用がない場合はリビングで倒れているかもしれないので、管理会社やお孫さん、息子さんといった親族に通知する、といった使い方が可能です。

松岡
なぜ電球に取り組んだのですか?


考えられる課題をもとに取捨選択した結果、このかたちになりました。

たとえば見守りデバイスを家に付けるとなると、工事が必要だったり、置き場所や電源に困るといった問題があります。電球型ならそれらの課題を解決できると考えたのがきっかけです。

松岡
TeNKYUという名前の通り、基本的には天気のお知らせがメインの機能になっているのですか?


TeNKYUという意味は3つあります。

「天気」と「電球」を掛け合わせたTeNKYUと、クラウド(雲)の天からTenと、外国人受けがいいThank you(テンキュー)という3つの意味をかけていますね。

松岡
トリプルミーニングなんですね!

なぜTeNKYUを開発されようと思ったんでしょう?


もともとマンションに住んでいて、外の情報を知るにはベランダから外を覗き込まないと分かりませんでした。

それをめんどくさがって外を見ずにいると、1階に下りてから初めて「雨降ってんじゃん」となり、またエレベーターで傘取りに帰ることが良くあったんです。それが面倒くさかったので、出掛けるときに「傘持っていけよ」と言われるような環境をつくればいいのでは、と思ったことが始まりです。

簡単にいえば昔のお母さんです。「あんた、傘持ったの?」と言われると、そのときは忘れなかったじゃないですか。それを大人になってからも体験できればいいと思い、作り始めました。

「覚えとけ」という仕組みはおかしい

松岡
最近だと、スマートスピーカーでも「天気は?」と聞くと答えてくれたりしますよね。なぜあえてそれを電球として開発しようと思ったのですか?


スマホとかで朝に「今日の天気は何ですか?」と聞いても、そのあと朝ご飯を食べたり、お風呂入ったりすると、結局出掛けるときには忘れているんですよね。

それに自分で問いかけるのも意外とめんどくさかったり、そもそも天気を問いかけること自体を忘れてしまうんですよ。それなら必要なときに勝手に情報が降ってくるほうがいいんじゃないかと思ったので、電球の形になりました。

松岡
急いでいるときってアプリ開くのも嫌ですもんね。


基本的に人は忘れるのが前提にもかかわらず、「覚えとけ」という仕組みはおかしいんと思いませんか。なので、忘れることを前提にしたものを作りたかったというのもあります。

イケてるものを求めたら電球にいきついた

松岡
昔からガジェットはお好きだったんですか?


昔からずっと興味はあって、よく分解をして親に怒られました。

それこそファミコンを買ってもらって3カ月とかで分解した結果、マリオができなくなったりしていました。(笑)

松岡
分解して中を知りたかったんですか?


当時どのような欲求があって分解していたかは分かりませんが、そこにドライバーがあったのでとにかく分解していました。(笑)

松岡
ほかにも「このガジェットイケてないな」とかは考えたりしていましたか?


テレビのリモコンはイケてないですね。

使う頻度が高いボタンと低いボタンを同一平面上にごちゃごちゃ配置しているのが許せなくて。極論「メニューなんてほとんど使わないんだから、送る、戻す、電源、音量だけでいいじゃん」と思っていました。

松岡
それはおいくつぐらいのときですか?


5歳ぐらいのときにはガジェットに対して「うー、何これ!」とイライラしていましたね。

松岡
今もその想いはもたれているのですか?


当時のようにイライラはしないですが「何これ?」みたいな気持ちにはなります。(笑)

TeNKYUも最初は音声で伝えようとしましたが、音声だと聞き終わるまでその場にいなくてはいけなかったり、同じ部屋にいるほかの人は聞きたくもないのに聞かざるを得なくなるのが気に入りませんでした。

光なら知りたい人に一瞬で伝わるじゃないですか。

「俺は何をやっているんだ」

松岡
使いやすいガジェットを考えた結果、今のプロダクトの形になったのですね。昔から起業しようと思っていらっしゃったんですか?


思っていないですね。普通に長い間サラリーマンもしていたので。

松岡
サラリーマンに疑問を感じたりはしなかったのですか?


あまり何も考えずに流されて就職したのはあります。何となく大学を決めて、何となく会社を決めた結果就職したので、20代前半のときは「起業して何かやるぞ」とは思っていませんでした。

ただ「そこの道に行くのってどうなの?」と自問自答している自分はいました。

松岡
そこからなぜ起業に至ったのですか?


一番大きなきっかけは8年前の震災です。

その当時は起業するかしないか迷いながらも、結局何もしないという状況でした。そんな中で、家族もなくされて、家も倒壊してしまった70歳くらいのおじいさんのことがテレビで中継されていました。

インタビューで「これからどうしますか?」という質問をされたとき、そのおじいさんが「いやー、ここからですね」みたいなことをおっしゃったんですよね。

僕から見たら何も残っていないように見えた人が「ここからだ」と言っているなかで、「俺は何をやっているんだ」と思ったのが、起業を決意した最初のきっかけです。

松岡
そこからすぐ行動されたのですか?


半年ぐらいで辞めて起業しました。

松岡
その頃は既にいまの構想があったのでしょうか?


薄っすらとはありましたが、明確なかたちはありませんでした。

松岡
ぼんやりとした絵しかないまま独立された?


独立した当初はアプリつくったり、別のことをやっていました。
そこから3年くらい経ってやっとTeNKYUの構想ができたという流れです。

松岡
その構想に懸けようと思ったきっかけはありますか?


一番は、自分が欲しいと思ったからです。

構想を思いついた時も、それに代わるものを探してみましたが、近いものはあっても「自分はこれを作りたい」というものはなかったので、勢いで「じゃあもう作ろう」と決意しました。(笑)

本人が苦労と思わなければ苦労じゃない

松岡
スタートアップでハードウェア領域に手を出すのは気合がいると思いますが、怖さはなかったのですか? 


ハードウェアスタートアップは、ダジャレじゃないですけどすごいハードな領域なんですよね。

アプリだったら在庫を抱えませんし、世界中にすぐに配信できますし、工場を探す必要もありません。

ただ始めたときはそこまで深く考えていなかったのが正直なところで、「大変なんだろうけど、誰かがやっているならできないことはないだろう」という感覚でした。実際にやってみたらとても大変ですが、「やる前から諦めていたらだめでしょ」と思っています。

松岡
独立のときもそうでしたが思い立ったらすぐ行動されることが多いのですか?


そうですね。今は変化が激しい時代なので、速さ命でやらないと時代に取り残される気がしています。

松岡
「ハードウェアは仮説検証が難しそう」というコメントがきていますが、そのあたりはいかがですか?


そうなんですよ。実験的に仮説検証を1回するにしてもお金がけっこう必要だったり、モノ自体が出来上がるまで時間がかかったり、そういうところは大変ですね。

そういうのを周りから見ると、ものすごく苦労していると思われるんじゃないかと。(笑)ただ本人が苦労と思わなければ苦労じゃないと思います。

どっしり構えるまではいきませんが、ゲーム感覚的なものをもってやっています。何かトラブルがあったときにそれをラスボスと捉えて、「これを倒すためにはどういうふうなアイテムが必要で、どういうふうな攻略の仕方がいいのか」を考えるのは嫌いじゃないです。

松岡
RPGゲームのレベル上げをするイメージですか?


そうですね。レベル上げがしんどい人としんどくない人がいるじゃないですか。それって主観だと思うので、僕の場合はレベル上げがしんどくないタイプだったというだけです。

松岡
ふーみんさんから、「最初はクラウドファンディングとかやられたんでしょうか?」という質問がきています。


終わったばっかりですけど、Makuakeさん(クラウドファンディングサイト)でやらせていただきました。

松岡
クラウドファンディングの反響はどうでした?


無事達成できましたし、みなさんから「買いましたよ」という話をいただけたので、とてもありがたかったです。

ゴールデンウイーク明けにはネットで買えるようにはしたいと思っています。まずは、1番最初に買ってくださった皆さんに届けたいです。

松岡
次回は、実際の開発に至るまで苦労などをお聞きしたいと思っております。

配信を初めてされていかがでしたか?


めちゃくちゃ緊張しますね。しどろもどろ、噛みまくりです。

でもこうやってダイレクトに、聞いている相手からのリアクションが見れるっていいですね。

松岡
ありがとうございます。次回もぜひお願いします。


ありがとうございました。

文・写真:ami編集部


嬉しいグォー!これからも応援よろしくグォ!
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ami

起業家と未来の仲間をつなげる「ami」の公式noteです。 https://ami.live

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