20190206_SORA松村さん

「ジョン・レノンが僕のヒーロー」失敗しても自分の人生を全力で生きる理由

本記事は、空 松村さん(@dmattsun)のamiライブ配信の書き起こしです。

株式会社空 CEO 松村 大貴さん

amiファシリテーター 町田(以下、町田)
本日は空の松村さんにお越しいただきました。よろしくお願いいたします。

空(MagicPrice) 松村さん(以下、松村)
空のまっつんです。よろしくお願いします。
Twitterでも、会社でも、最近、まっつんと呼んでもらえることが多くなってきたのでよかったらそちらで覚えてもらえるとうれしいです。

ホテルの料金設定をスマートに最適化する

町田
まず初めに、どのようなサービスをされているのか簡単にご説明いただいてもよろしいでしょうか。

松村
空は、MagicPriceというBtoB向けのITサービスを提供している会社で、ホテルの日々変わる宿泊料金を最適化するという事業をやっています。

ただ、皆さんのように旅行する人が普段予約の検索する時に使うサービスをつくっているわけではなく、その裏側で「客室の料金をいくらに設定しようかな」と考えているホテルの人を支援をしています。

ホテルの方向けに、皆さんが目にする客室の料金設定の最適化を支援するサービスをつくっています。

町田
客室の価格を決める支援されているということですが、ホテルの方にとってその部分はネックとなっているのですか?

松村
そうですね。

ホテルや旅館の皆さんにとって、客室の料金設定は、経営上収益を上げるためにとても重要な要素になっています。

ホテルはお客さんの数によって、部屋を増減させることができないですし、そういう意味で限られた在庫がいつも固定されている状態です。

たとえば、アパレルやメーカーだったら、たくさん商品が売れたらもっと商品をつくればいいですが、ホテルは100室あったら100室しか売れないので、その中で収益を上げるためには価格をコントロールするしかありません。なので、料金決定は収益に関わる重要な要素です。

ただ、今まではどういうやり方で室料を決めていたかというと、長年の経験と勘でやっていたり、独自のエクセルやノートとペンを使って考えたりしている状態でした。

そこで、新しい技術をホテル業界に持ち込むことで、もっと価格設定をよりスマートに、より短時間にできるだろうというのが、僕たちがMagicPriceを始めた理由です。

町田
今まではみなさんアナログな手法で価格設定をされていたんですか?

松村
そうですね。ホテル業界の皆さん、本当にいい人たちがたくさんいて、想いも強いんですよ。

ホテル業界には「宿泊してくださる方に素晴らしい体験を届けたい、感動してもらいたい」という思いが強く、接客やおもてなしが大好きという方が多く働かれています。

逆に言うと、マーケターや経営側の人が少ない状態です。

マーケティング知識やテクノロジーの活用は、インターネット業界と比べるとまだ遅れていますし、アナログな部分が残っているのが旅行業界、ホテル業界の現状かなと思っています。

町田
ふーみんさんから、「以前、旅行サイトをつくっていたんですが、ホテルの値段や在庫の仕組みはめちゃくちゃ複雑ですよね」というコメントがきています。

松村
複雑ですね。

ただ、少しずつITシステムが入ってきていて、旅行予約サイトや無数のホテル・旅館をまとめて管理できるサービス、簡単に旅行者がいいホテルを見つけられるサービスなどが増えてきてはいます。

去年も旅行する皆さん向けの旅行予約サービスやアプリたくさん出たじゃないですか。

一方で、ホテル支援の領域はと言うと、新しいサービスが少ない状態なので、僕たちに期待いただいているところもありますし、使っていただいたお客さんにも喜んでいただいているので、やれてよかったなと思っています。

町田
松村さんは最初航空事業に関わるセグメントをやるために起業されたとお聞きしましたが、どのような思いが起業されたのですか?

自分にとって全力で生きる人生を送りたい

松村
amiを見ている皆さんは起業したての方や、これから起業する方が多いと聞いていますが、僕もその頃を思い出すと、社会人3年目で25歳のときにヤフーという会社を辞めて空を立ち上げました。

その時点では何か大それたことを考えていたわけではなく、会社をつくってうまくいけば、多くの面白いことに関わったり、日本に閉じこもらずにいろいろな場所でいろんな人と仕事ができるかもしれないなと考えていました。

ベンチャーをつくっても失敗する可能性のほうが高いですし、失敗したところで人生が終わるわけでもないので、チャレンジしてだめだったら、またチャレンジするか、就職もできるしという気軽な気持ちで退職をし、会社をつくりました。

会社も空という名前と、「飛行機をつくって飛ばしたいぞ」ぐらいしか決まっていなかったので、会社を辞めて独立してから、何とか事業をつくらなきゃまずいから考えようという感じでした。

事業についても、事業つくって収益出ないと自分の生活がやばくなるから、真剣に考え始めたのがきっかけです。

町田
最初からこういう事業をやりたいと思い、退職して起業する決断をする人も多いと思いますが、松村さんの場合は、起業への1歩を踏み出すのに大きなハードルは感じませんでしたか?

松村
僕も当然、やりたいと思った事業があり、そのアイデアを実現できたら素敵だなと思って起業しました。

でも、どの会社も大抵何度もピボットして今知られている事業をやっているんだと思っていたので、ピボットもありえるだろうなとも思っていました。

もちろん事業づくりも好きですが、事業そのものをやりたいというよりは、自分にとって全力で生きる人生を送りたいなと思った結果、自然と起業したという形です。

私自身、やりたいことをやれて、とても今幸せなので、これを自分だけではなくて、会社のメンバーやお客さんにも、同じような考え方や働き方、生き方が広がっていけばいいなと思います。

そして、そう言った自分の概念が広がった社会を自分の人生の中でつくれたらいいなと思っています。

そのために、会社のビジョンやミッションがあるので、そこに対してどんな事業をやるか、どのようにGrowthさせていくかは全部手段に過ぎないと捉えていますね。

町田
つまり、ある社会問題を解決するために起業し事業をつくるタイプではなく、思い描いてる世界をつくるために起業したということですか。

松村
そうですね。

起業家だからできることがあると思っていて、それは自分で人生のテーマやコンセプトを考えて、自分が生きたいように生きれることだと思っています。

そして、自分がこうありたい、こういう生き方をしたいと描いたものを、1日で終わらせないためにビジネスにする必要があるのではないでしょうか。

ビジネスをするためには、いろんなメンバーや投資家からの応援を取り付ける必要もあるので、夢を言っているだけではだめですが、それでも、自分の思う会社のカルチャーや働き方をきちんと決めて、その結果ビジネスもGrowthさせていくという生き方をしていきたいと思っています。

そして、その自分がしたい生き方を実現するためには、現代では起業家がちょうどよかったので起業したというかたちですね。

死ぬ直前に振り返って後悔しない人生でありたい

町田
お話を聞いていると、「自分がやりたいことや、楽しいと思うことをできる」ことが、松村さんの1つ大きな価値観かなと感じたのですが、それが空さんのミッションである「Happy Growth」の考え方なんでしょうか?

松村
そうですね。大学生や社会人前半の頃に自問自答した結果、僕にとっての幸せは「死ぬ直前に振り返って後悔しない人生であること」だと思っています。

それは「やりたいと思ったことや心が動いたことに対して、躊躇せずにチャレンジできた人生」だと思っています。

全部うまくいかなくても、心が動いたこと全部に対してきちんとチャレンジする人生でありたいです。

つまり、HappyGrowthな世界は、そういったチャレンジを阻むものがない世界なんですよね。

HappyかGrowthかしか選べない世界は人のチャレンジを足を止めてしまうなと思っています。

Growthだけの考え方とは、会社である以上、Happyを犠牲にしてでも成長しなければいけないという考え方です。

Happyだけの考え方とは、Happyを追い求めても、思いだけがあって実利が出ずに続かないような活動です。

そして、「何かをやるためには何かを捨てなきゃいけない」という考えだったり、「何かチャレンジしたいけど、みんなやっていないし、自分でやれるのか」という不安が、やりたいことに対して躊躇してしまう世界をつくっていると思っています。

僕たちはHappyGrowthという考え方をまず提唱して、自分たちでそれ体現することで「こうやって生きていい、こうやって幸せを求めながら楽しく働いてもうまくいく」ということを証明し、それを社会に広げていきたいです。

その結果、やりたいことや自分が幸せと思うことに対して躊躇なく向かっていける人を増やせるんじゃないかなと考えています。

町田
今の話から、人生の有限性を松村さんは意識されていると感じたのですが、そう感じたきっかけはありましたか?

松村
僕の中の一番のヒーローはジョンレノンなんですが、ジョンレノンも20代でビートルズとして世界で爆発的なヒットを生んで、30代でソロ活動をして、40歳で死んでいるんですよね。

そういった、儚い人生の中でも何かを成し遂げた人に対して憧れだったり、畏敬の念をもっていますし、そこに人生の有限性を感じました。

だからこそ、働き方や生き方について深く考えることができたし、Happy Growthの話をしたときに共感いただける人が少しずつ増えてきたかなとは思っています。

町田
まだまだ、お話を伺いたいところですが、質問も取り上げさせて頂ければと思います。

あつこさんから「起業に対してハードルがあまりなかったとのことですが、周りに起業家が多かったとか、そういう環境だったんですか」という質問がきています。

松村
家族・親族は、いわゆる会社勤めだったり、公務員だったりする人がほとんどです。

そんな中で、僕自身が子どもの頃から社長をやれると思っていたのは、「お前は何でもできる」と褒めてくれる両親だったのでので、自己肯定感がすごく強かったからだと思います。

大学生ぐらいのときは、Webサービスをつくる夏合宿に参加したり、アクセラレーターイベントに参加したりしていたので、周りに起業家がたくさんいました。

そのあと、僕は一旦、大企業に勤めますが、学生時代に一緒にやっていた友達はそのまま学生起業をしていて起業家の方が周りに多かったので、むしろ勤めている間は焦りがありました。

町田
そういう環境だったにも関わらず、起業せずに前職の会社に入られた理由は何だったんですか?

松村
すごいシンプルで、大学4年生のときにつくった、SNSを使って政治の議論をオンライン上で建設的にしようというサービスが当たらなかったからです。

町田
似ているサービスが今ありますね。(笑)

松村
ちょっと作る時期が早かったですね。(笑)

そのまま会社になって収益化できていれば、僕にとってベストでしたが、これでは食っていけないなというのもあって、一旦内定をもらっているヤフーに入ったという経緯です。

町田
事業がうまくいかなかった経験があったにも関わらず、もう1度起業したのはなぜですか?

松村
ヤフーはとてもいい会社で、入ってからも好きな仕事だけをやったり、アサインされていないのに勝手なプロジェクトを立ち上げたりする、僕みたいなはみ出す人を歓迎してくれる会社でした。

ただ、自分の人生の中で起業することは確定していたので、そろそろかなと思って起業しました。

皆さんにお伝えしたいのは、起業をあまり重く捉えすぎなくていいんじゃないかということと、今の日本は起業するのにとてもベストなタイミングだということです。

チャレンジする人に対して、応援してくれる企業や専門家のサポートも多いですし、無料で使わせてくれるオフィスもたくさんあります。

あと、起業に関して言うと、失敗しても別に死なないんですよね。

数百年前ぐらいの時代で、未踏の地に開拓しに行く冒険家だったら死ぬリスクもありますが、日本で起業して失敗しても別に社会からのけ者にされるわけでもないし、ましてや命も奪われないのでどんどんやっちゃえばいいんじゃないかなと思っています。

その後、大企業に戻るとしてもキャリア的にプラスなので、起業するだけ得なんじゃないの?ぐらいに、僕は思っています。

町田
(笑)

松村さんのお話を伺っていると、挑戦する勇気が湧いてきます。
今日はありがとうございました!

松村
ありがとうございました。

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